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じぶんのなまえ。(1話)
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さんせきのいち。
しふん の なおえは ポチ と いうます
ほく には きおく が ありすせん。
きよう は かさん と にっく かきました。
三石の一。
自分の名前はポチと言います。
僕には記憶がありません。
今日はお母さんと日記を書きました。(よく出来ました)
「はい、お疲れ様。」
母さんが良く頑張ったねと頭を撫でてくる
初めて文字を書いてみたが案外難しいものだった。
とは言え、これから毎日この日記をつけるとなると頭が痛くなりそうでたまったもんじゃない。
「やっぱり2日に1回か……3日に1回にしてくれない?」
「ダメです。今回の件で読み書きを覚えないと今後もっと大変な事になりそうので今からキチンと覚えてもらうからね。」
「勘弁してよ……」
「それにポチは自分の事を思い出さなくちゃ、ね?」
そう言えばそうだった。
自分には記憶が無い
目が覚めたら何も覚えていなかったのだ。
母さんが言うにはずっと前に記憶喪失とか言うらしいがよく分からない。
母さんはいつの間にか隣にいて僕に「君の名前はポチだよ」と名前を教えてくれた。
因みに何故、母さんが、母さんかと言うと「母さんはー」や「母さんが」やら一人称が「母さん」なので母さんと呼んでいる
多分本当の母さんでは無い。
けど母さんは母さんだ。
「昔の事教えてくれないの?」
「うん。教えないよ?だって大事な事は自分で思い出さないと意味が無いから」
それに、と言葉を続けながら
「それに読み書きを覚えるって言う条件で町の人達が許してくれたんだよ?」
母さんは閉じた日記帳を開いて1ページ目を指差した
【かあさんとのやくそく
まいにち にっき を かきます
はやね はやおき を やります
おんなのひと の おふろば には いきません】
……そうだった…今日は散々な目にあったと思う
長旅で久々の風呂に入れるという事で喜んで行ったら女子風呂で着替え中の女性達と目が合うや否や叫び声を上げて殴る蹴るの往復をされている内に町の人達が集まって来てそのまま捕まって散々に怒られてしまったのである。
周りから「女風呂って書いてあっただろ?」と言われてグニャグニャした変なのが文字だったなんて知らなかったと言うと「嘘を付くなと」更に怒られて、話を聞いて駆け付けた母さんが慌てて何とか話を丸めてくれて解放して貰った……のだが、この先同じ様な事が起き無い様に読み書きをちゃんとさせる……と言う話に落ち着いて母さんから読み書きを教えて貰いつつ宿題として日記を書く事を余儀なくされてしまったのである
「まぁポチが読み書きしないって言うなら母さんポチの事置いて行くかもしれないかもよ?」
「毎日書くよ……」
しふん の なおえは ポチ と いうます
ほく には きおく が ありすせん。
きよう は かさん と にっく かきました。
三石の一。
自分の名前はポチと言います。
僕には記憶がありません。
今日はお母さんと日記を書きました。(よく出来ました)
「はい、お疲れ様。」
母さんが良く頑張ったねと頭を撫でてくる
初めて文字を書いてみたが案外難しいものだった。
とは言え、これから毎日この日記をつけるとなると頭が痛くなりそうでたまったもんじゃない。
「やっぱり2日に1回か……3日に1回にしてくれない?」
「ダメです。今回の件で読み書きを覚えないと今後もっと大変な事になりそうので今からキチンと覚えてもらうからね。」
「勘弁してよ……」
「それにポチは自分の事を思い出さなくちゃ、ね?」
そう言えばそうだった。
自分には記憶が無い
目が覚めたら何も覚えていなかったのだ。
母さんが言うにはずっと前に記憶喪失とか言うらしいがよく分からない。
母さんはいつの間にか隣にいて僕に「君の名前はポチだよ」と名前を教えてくれた。
因みに何故、母さんが、母さんかと言うと「母さんはー」や「母さんが」やら一人称が「母さん」なので母さんと呼んでいる
多分本当の母さんでは無い。
けど母さんは母さんだ。
「昔の事教えてくれないの?」
「うん。教えないよ?だって大事な事は自分で思い出さないと意味が無いから」
それに、と言葉を続けながら
「それに読み書きを覚えるって言う条件で町の人達が許してくれたんだよ?」
母さんは閉じた日記帳を開いて1ページ目を指差した
【かあさんとのやくそく
まいにち にっき を かきます
はやね はやおき を やります
おんなのひと の おふろば には いきません】
……そうだった…今日は散々な目にあったと思う
長旅で久々の風呂に入れるという事で喜んで行ったら女子風呂で着替え中の女性達と目が合うや否や叫び声を上げて殴る蹴るの往復をされている内に町の人達が集まって来てそのまま捕まって散々に怒られてしまったのである。
周りから「女風呂って書いてあっただろ?」と言われてグニャグニャした変なのが文字だったなんて知らなかったと言うと「嘘を付くなと」更に怒られて、話を聞いて駆け付けた母さんが慌てて何とか話を丸めてくれて解放して貰った……のだが、この先同じ様な事が起き無い様に読み書きをちゃんとさせる……と言う話に落ち着いて母さんから読み書きを教えて貰いつつ宿題として日記を書く事を余儀なくされてしまったのである
「まぁポチが読み書きしないって言うなら母さんポチの事置いて行くかもしれないかもよ?」
「毎日書くよ……」
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