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サンドイッチ(16話)
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さんせきの16
ワオト から さとんいち もらつた
おいしかつた
三石の十六
ワオトからサンドイッチを貰いました。
美味しかったです。
(帰って来たら仲良くなってて母さんとっても嬉しいかな!)
……お腹が減った。
そう心の中で呟くとムクリと上半身を起き上がらせ目ぼけ眼で視界がはっきりしない中、近くに居るであろう母へと声をかける
「ん……母さんお腹減った………」
「よぉ、兄ちゃん。随分と長く寝てたじゃねぇか」
そう母さんの声が聞こえ濡れた衣を手に握らせて来た。
なんだろ、今日の母さんの声は一段と低い様な気がする…しかも何だか手がゴツゴツしてなかったか?
まぁ気のせいだろう。
手渡された濡れた衣で顔を拭い上着を脱ぎ捨てて「ん、」と言いながら両手を真っ直ぐ上に伸ばす
こうすると何時も母さんが新しい上着を被せてくれるのだ
・
・
・
だが上着を被せられるよりも静寂が流れる。
「………ん…母さん……?」
そこでようやくおかしいと思ったポチが目を1杯に見開いてから母さんの方を見ると
「あ~……その……な?悪いんだけど…兄ちゃんを着替えさせるサービスはねぇんだわ」
バツが悪そうな表情をしたワオトと目が合った、合ってしまったのだ
母さんじゃない、ワオトに。
「…………上着、着せよっか?」
「自分で着るからいい!ってかなんで居るのさ!!」
ワオトの手にしていた上着をひったくって慌てて着替える
なんでワオトがいるのさ!?
「いつまでたっても起きない寝坊助兄ちゃんに痺れを切らした姐さ…お前の母ちゃんの変わりに待ってたのさ」
「……どのくらい寝てた?」
「昨日の夜に村に着いてぶっ倒れる様に寝ちまってから…あ~そうだな、ざっと半日位は寝てるんじゃねぇの?」
「……それで母さんは今どこに?」
「兄ちゃんが寝てる間に買い物するって出掛けてるぞ」
会話は一旦それっきりで打ち止めでまた静寂が訪れた。
お互いやることが無く本を読んだり窓から外を眺めたりと時間を潰していたがポチの腹の音が元気よく鳴り響いた。
「ほら食べな。」
するとワオトがカバンから小さな小包を取り出してポンっと軽く投げてきた
小包を広げるとこんがりと焼き目の付いたパンに葉野菜と潰した芋か何かと薄切りのベーコンが挟んであるサンドイッチが出てきた
見てるだけでお腹がギューっと泣いてワオトへと視線を向けると食べろと言わんばかりに手を振っていた
コクリと頷いてサンドイッチにかぶりつく。
美味い、潰した芋に下味が付いてるのか塩っぱい中にピリッとした辛い何かが食べ切るまで話さないと言わんばかりに主張してきて美味い
「美味いか?」
「……ふぁん、ふぁっふぇもふぁいしい。」
「喋る時は喋る、食べる時は食べるって姐さ…お母ちゃんに学ばなかったか?」
「ふぁふぁい。」
「なんて言ってるか全く分かんねぇや」
ワオト から さとんいち もらつた
おいしかつた
三石の十六
ワオトからサンドイッチを貰いました。
美味しかったです。
(帰って来たら仲良くなってて母さんとっても嬉しいかな!)
……お腹が減った。
そう心の中で呟くとムクリと上半身を起き上がらせ目ぼけ眼で視界がはっきりしない中、近くに居るであろう母へと声をかける
「ん……母さんお腹減った………」
「よぉ、兄ちゃん。随分と長く寝てたじゃねぇか」
そう母さんの声が聞こえ濡れた衣を手に握らせて来た。
なんだろ、今日の母さんの声は一段と低い様な気がする…しかも何だか手がゴツゴツしてなかったか?
まぁ気のせいだろう。
手渡された濡れた衣で顔を拭い上着を脱ぎ捨てて「ん、」と言いながら両手を真っ直ぐ上に伸ばす
こうすると何時も母さんが新しい上着を被せてくれるのだ
・
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だが上着を被せられるよりも静寂が流れる。
「………ん…母さん……?」
そこでようやくおかしいと思ったポチが目を1杯に見開いてから母さんの方を見ると
「あ~……その……な?悪いんだけど…兄ちゃんを着替えさせるサービスはねぇんだわ」
バツが悪そうな表情をしたワオトと目が合った、合ってしまったのだ
母さんじゃない、ワオトに。
「…………上着、着せよっか?」
「自分で着るからいい!ってかなんで居るのさ!!」
ワオトの手にしていた上着をひったくって慌てて着替える
なんでワオトがいるのさ!?
「いつまでたっても起きない寝坊助兄ちゃんに痺れを切らした姐さ…お前の母ちゃんの変わりに待ってたのさ」
「……どのくらい寝てた?」
「昨日の夜に村に着いてぶっ倒れる様に寝ちまってから…あ~そうだな、ざっと半日位は寝てるんじゃねぇの?」
「……それで母さんは今どこに?」
「兄ちゃんが寝てる間に買い物するって出掛けてるぞ」
会話は一旦それっきりで打ち止めでまた静寂が訪れた。
お互いやることが無く本を読んだり窓から外を眺めたりと時間を潰していたがポチの腹の音が元気よく鳴り響いた。
「ほら食べな。」
するとワオトがカバンから小さな小包を取り出してポンっと軽く投げてきた
小包を広げるとこんがりと焼き目の付いたパンに葉野菜と潰した芋か何かと薄切りのベーコンが挟んであるサンドイッチが出てきた
見てるだけでお腹がギューっと泣いてワオトへと視線を向けると食べろと言わんばかりに手を振っていた
コクリと頷いてサンドイッチにかぶりつく。
美味い、潰した芋に下味が付いてるのか塩っぱい中にピリッとした辛い何かが食べ切るまで話さないと言わんばかりに主張してきて美味い
「美味いか?」
「……ふぁん、ふぁっふぇもふぁいしい。」
「喋る時は喋る、食べる時は食べるって姐さ…お母ちゃんに学ばなかったか?」
「ふぁふぁい。」
「なんて言ってるか全く分かんねぇや」
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