魔剣無双~地球最強の剣士は異世界で何を思う?~

神代龍

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異世界転移編

一章一話

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問2.メインヒロインは?

1.
俺は意識の底から覚醒するため、重い瞼を無理矢理上げる。
「う、うーん…」
まず、最初に見えたのは真っ白い天井だ。
周りを見渡してみるとかなり高級そうなしかし落ち着く壁紙がみえる。ただ、それだけだ。うん。それだけだ。ただ、今言えることはここは自分の知らない場所だ、ということだけだ。
「どこだ?ここ…」
すると、自分のいる部屋の外からドタバタと足音が聞こえた。
「目を覚ましたのですね…?良かった~。一時期、どうなるかと思いました…」
誰??
服装は、よくあるメイド服だ。いや、よくはないか。髪の色は緑色だ。どちらかといえば翠色と言ったほうが正しいかもしれない。
「あ、自己紹介が遅れました。私、貴方様の専属メイドとなりました。コレッタと申します。何かご用があればなんなりとお申し付けください。」
やっぱり、メイドさんだったか。
「あのぉ、貴方様のお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか…?」
「ん?ああ、俺こそ自己紹介が遅れてごめん。影星大河だ。よろしく。」
「カゲホシ・タイガ?」
ん?イントネーションがおかしいな。そういえば彼女の名前は外国人のような名前だった。どういうことだ?日本で外国人のメイドは珍しい。それに、たとえ、外国人だったとしてもそこまでイントネーションが悪くなることはないはず…
先程まで少し考えていたことが頭にまた浮かぶ…。
それと、同時に思い出すのは剣と血…
「クッ…」
「だ、大丈夫ですか?!」
いや、今このことを考えるのは止めよう。また落ち着いた時にでも考えればいい…
「大丈夫だ。少し頭痛がしただけだから。それより名前のことだけど、大河が名前だ。遠慮なくタイガと呼んでくれ。」
「タイガさん…ですね。分かりました。しかし、頭痛がされるのであればもう少しお眠りになられた方が良いのでは?」
「いや、本当に大丈夫だから。心配してくれてありがとう。それより、教えてほしいことがあるんだ。」
「はい。私答えられることならなんなりと。」
「まず、ここはどこなの?」
「トライデント王国、デントホルム伯爵様のお屋敷でございます。」
トライデント王国…知らないな…やはりここは…
念のため聞いてみるか。
「コレッタ、俺は今から君に変と思われる質問をするけど、気にせず答えてくれるか?」
「…?」
「日本という言葉に聞覚えは?」
「ニホンですか?…いえ、そんな言葉は存じ上げませんね…」
「じゃあ、地球という言葉には?」
「いえ、全く…」
やっぱり…そうか…ここまでくると信じざるを得なくなったな…
間違いない…ここは、地球ではない。異世界だ…!

2.
「それじゃあ、二つ目の質問。俺は真っ暗な空間のような場所にいたはずなんだが、俺が意識を失ったあと、誰がこの場所に運んでくれたんだ?」
俺が見た限りだと、かなりの人が死んでしまったはずだが
「カズヤ騎士団長です。デントホルム伯爵様直属の騎士団の団長です。今回、攻略にのりだした騎士団員のなかでの唯一の生き残りでした……。」
唯一の生き残り…か…
ん?待てよ…
「俺がみたときはその騎士団長さんもかなり重傷だった気がするんだけど…」
「はい…。タイガさんがNo.24を倒したあと、折れてる左足を引き摺りながらこのやしきまで運んで来てくださいました。」
そうか…。それは悪いことをしたな…。
「今その騎士団長さんはどこに?」
「タイガさんを運んだあと、気を失って、今は自室にて休養しております。」
「その騎士団長さんが目を覚ましたら教えて欲しい。感謝を伝えたいんだ。」
「分かりました。」
「それじゃあ、最後の質問。今コレッタが言ったNo.24ってなんだ?」
「知らないのですか?この街にある五大迷宮のボスナンバーです。今まで23層まで攻略されていました。なので、今回タイガさんがNo.24を倒したことで24層まで攻略が進みましたね。」
そこまで、コレッタが言ったとき、またドアの外からドタバタと足音が聞こえた。
コンコンとノックの音がした。コレッタが目配せをしたためおれは声をかける。
「どうぞ」
すると、ドアが開く。
「失礼します。」
そう言って入ってきたのはコレッタと同じメイドの服装をした女の人だった。
「あ、シエスタ。この方は、タイガさんと言うらしいですよ。」
「はい。私、デントホルム伯爵様のお屋敷でメイドをさせていただいている、シエスタという者です。以後お見知りおきを。」
「はぁ。よろしくお願いします。タイガです。」
「タイガ様。カズヤ騎士団長が目を覚まされました。」
「ほんとう?!よかった。」
助かったとはいえ、罪悪感がとんでもなかった。
「会わせてもらえますか?」
「はい。只今、準備いたしますので、少々お待ち下さい。」
「良かったですね。タイガ様。」
コレッタも心なしか安心しているようだ。
…良かった。…本当によかった。
しっかりと謝意を伝えなければ…

3.
「こんな格好ですまないが、デントホルム伯爵殿の専属騎士団団長カズヤだ。よろしく頼む。」
そう言って寝たまま、握手を求めてきたのは俺を助けてくれたカズヤ騎士団長だ。
「いえ、こちらこそ助けてくださり本当にありがとうございました。タイガです。」
「いや、騎士として当然のことをしたまでだ。それよりも、タイガ君。少し二人きりで話がしたい。時間をもらえるかな?」
二人きりで話?…なんか話すことなんてあったかな?
命の恩人の誘いを断るのも気がひけるのでとりあえず了承しておく。
「分かりました。」
そう言ったら、カズヤ騎士団長は嬉しそうに微笑んで、部屋の中にいたコレッタを含むメイドに目配せをした。
すると、次々とメイドが出ていった。
「すまないな。どうしても確認しておきたいことがあったんだ…。」
「俺は構いませんが、話とは一体?」
           
「簡潔に質問する。君はか?」
「…!」
「その反応は、やはり当たりのようだな。」
「なぜ、あなたがそれを…?!」
「その前に1つだけ。君はどうやってNo.24を倒したんだ?」
「自分もとっさのことだったのでよく覚えていないのですが、背中に剣があったので、敵が炎を吐いた瞬間、剣を抜き炎を切りました。その後その勢いに任せて、そのNo.24を切り捨てました。」
そう言った瞬間、少しだけカズヤ騎士団長が眉を潜めたが一言、そうか、と言ってそれ以上は追及してこなかった。
「それでは、質問に答えよう。と言っても簡単なことだ。俺も日本人だったからさ。」
そんな…。この世界に俺以外の日本人がいるなんて…
「簡潔に説明しよう。俺も君と同じぐらいの歳だったかな。日本で高校から帰ってきて夜遅くにベッドにもぐりこんだんだ。そうして気づいたらこの世界の森の中にいたってことだ。」
なるほど。
「しかし、なんで俺が日本人だと気付いたのですか?」
「その美しいと言っても過言ではない黒髪。そして、この世界には存在するしない異質な礼の仕方。これだけ証拠が揃えば疑いたくなるのもうなずけるだろ?」
たしかに…話している言語はこの世界のものでもそのあたりでボロが出てしまう。
「しかし、同一犯としか思えない異世界転生の仕方ですね。」
「死んでないから、正確には異世界転生とは言わないがな。君も同じような感じなのか?」
俺は迷宮にいた理由を簡潔にカズヤ騎士団長に説明する。
「そうか。それは災難だったな。」
「しかし、いくつか君と違う点がある。」
「なんですか?」
「俺はこの世界にきたとき、この世界の言語は話せなかったし、剣なんてものも持ってなかった。」
「え…」
どういうことだ?カズヤ騎士団長と俺ではなにか違いがあるのか?
「まあ、ここでそれを議論しても仕方がない。他に聞きたいことはあるか?」
その後、俺はこの世界についていくつかカズヤ騎士団長に質問した。
「最後に1つ、タイガ君に忠告をしておこう。」
「なんですか?」
「この世界の命は日本にいたときに比べて軽く扱われる。他人を気にしすぎて自分を見失うなよ…。」
そういう、カズヤ騎士団長はどこか悲しそうだった。恐らく、失った仲間のことを想っているのだろう。
「はい…肝に銘じておきます。」
「それと、このあと、デントホルム伯爵殿に会っておいた方が良いだろう。俺が連れてきたとはいえ、匿ってくれたのだからな。」
「わかりました。」
「それではな。」
「はい。本当にありがとうごさいました。」 
俺はそう言ってカズヤ騎士団長の部屋を後にした。

カズヤ騎士団長の部屋を出ていった後、俺はコレッタと合流した。
「タイガ様、デントホルム伯爵様がお呼びですので、お手数ですが、客間まで来てくださいますか?」
「わかった。」

4.
「はじめまして、だな。タイガ君。アーク・デントホルムだ。」
そう言ったのはこの屋敷の持ち主で俺を匿ってくれている伯爵様だ。
「いえ、こちらもお初にお目にかかり光栄でございます。タイガと申します。」
余談だが、俺は、カズヤ騎士団長に言われて、基本的な口調と礼儀を頭に叩き込んだ。この世界は、身分による差別が当たり前だと言われたからだ。
「そんなに畏まらなくてもよい。君はデントホルム家の恩人なのだからな。」
俺が伯爵家の恩人?どういうことだ?
「君は迷宮に対する知識があまり無いようだな。」
「申し訳ありません。無知なもので。」
「いや、気にすることはない。たが、それならばなぜ君はあの迷宮にいたんだ?」
まさか、異世界転生してきました。と言うわけにはいかず、黙りこむしかなかった。
「いやすまなかったな。誰にも言いたくないことはあるものだ。忘れてくれ。」
と、デントホルム伯爵もそれ以上追及してこなかった。
「それよりも、なぜ君が恩人かだったな。それは、迷宮の制度によるものだ。」
「制度ですか?」
「ああ。迷宮を一層攻略するごとにボス打倒に協力した個人、パーティーには報酬が与えられるんだ。」
つまり、お金が伯爵家に入ってきたということか…。
しかし、死んでしまったものは、どうなるのだろう。それでは報われない。
怒りが湧いてきた。だが、カズヤ騎士団長の命は軽く扱われるという言葉を思いだし、理性で無理矢理怒りを抑える。
デントホルム伯爵はそれを報酬が貰えるのか俺が悩んでいるように見えたらしく
「心配しないでくれ。君にも当然報酬はある。」
と言ってきた。それに対し俺は
「ありがとうございます。」
と答えるしかなかった。
「君はこれからどうするのだ?」
デントホルム伯爵が聞いてきた。
そうか、このあとの予定を決めていなかった。命の軽さには驚いたがせっかく、異世界に来たのだ。楽しまなければ損だろう。
「街に出てみようと思います。この地はよくわからないので。」
「そうか。必要ならば案内役をつけるが?」
「いえ、一人で回ってみようかとおもいます。」
「そうか。しかし、恩人に何もしないと言うのも貴族の名が廃るな。」
それもそうか。
「なら、慎んでお願い申し上げます。宿に困っているのです。短い間で良いのでこちらに泊まらせて頂けないでしょうか?」
「それぐらいなら問題ない。しかし、本当にそれで良いのか?」
「はい。十分でございます。」
「わかった。部屋をしっかりと準備しておこう。他に聞きたいことはあるか?」
「1つだけ。私が背負っていた剣はどちらにあるのでしょうか?」
護身用に剣はあった方がいい。
「おう。忘れていた。コレッタ!彼の剣を取ってきてくれ。」
デントホルム伯爵がコレッタに命じる。
コレッタが持ってきた剣を背中に吊るし、迷宮の報酬金貨100枚を持って、デントホルム伯爵に別れを告げた。

翌日、俺は身支度を整え(地球の服装は目立つのでコレッタが用意してくれた服を着た。)、伯爵を含むみんなに見送られながら伯爵家を出ていった。

5.
伯爵家を出たあと、俺は少し考え、図書館に向かうことに決めた。カズヤ騎士団長からある程度の知識は得ているとはいえ圧倒的に知識が足りないからだ。
俺はコレッタから貰った地図を手に図書館へと向かった。

五時間後ー
「ウ~ン…。基本知識はこんな感じでいいだろう。しかし、本当に魔法が存在しているとは…。」
そう、この世界には魔法が存在する。魔法とは【自然には起こり得ないことを人工によって引き起こす】という定義がある。そして、その魔法とは自分の中にある魔力と、空中にいるといわれている精霊によって引き起こされる現象でそれはイメージ力によって左右される。他にも精霊のトップと言われる大精霊と呼ばれるものも存在するのだがその定義は難しすぎるためここでは割愛。そして、魔法は大きく分けて7つの属性がある。その7つとは風、火、土、水、闇、聖、無である。無属性魔法についてはいわゆる《なんでもあり》だ。物を自在に変形させたり、とんでもなく遠い距離から物を取り寄せたり…などなど。しかし、無属性は、基本1000人に一人といった珍しいものであり、実戦にも向かないものが多いため無属性魔法を持つものはアンラッキーだと言われる。
ちなみに、人が獲得できる属性の数は最低1つで平均2つだといわれている。7つすべてを持つ者はこの歴史上存在しなかった。そしてこれから先も存在しないだろうとされている。それは、魔法が精霊の手助けが必要とするものだから。という理由がある。例えば、水の精霊と火の精霊は仲が悪いとされているし、聖と闇の精霊も仲がいいわけではないからだ。ちなみに、精霊は自分の魔力の中にある魔素をみて適性を見分けるらしい。
「適性ねぇ…。俺はどんな適性があるんだろうな…?」
そもそも異世界人に魔力があるのか怪しいところだ。
「まあ、いいか。機会があれば計ればいいし図書館の外に出て、街をみてみよう。」
俺は、見ていた本を全て棚に戻し、図書館を後にした。

6.
「いやー、活気があっていいなー。」
俺は、現在デントホルム伯爵領内で一番活気があるとされている中心部に来ている。活気がありすぎて、どこから見学していいか分からないほどだ。
「えーと、地図地図。」
俺は、地図を取りだし、次の目的地を考える。
「んー、もう二時だからな。いつ日が沈むか分からない今、1つ場所を見学して伯爵家に戻るのが得策だろう。」
ちなみに、この世界の時間は基本同じで違うところと言えば、1ヶ月が30日に統一されているところだろうか。この世界には当然、時計なんてものは存在しないため太陽の傾き加減などから計算し、ここから少し行った王都にある、鐘が鳴る仕組となっている。
「ん?コロシアム?戦闘でもしているのか?」
地図をみていると、ここから500メートル程行ったところにコロシアムと書いてある場所に目が釘付けになった。どうやら貴族同士のイベントもあるようだ。
「よし、ここに行ってみよう!」

7.
コロシアムに入ると既に、戦闘は始まっていた。
「おー!スゲー!」
コロシアム内はとんでもない熱気と活気に包まれていた。コロシアムに入るときに渡されたパンフレットを見ると、賭け事なども行われているらしい。
俺は運が良かったらしく、一番フィールドに近く、青コーナーの入場口に近い関に座ることができた。剣を嗜むものとして、武器同士の戦いは見逃せない。
すると、どうやら、次の試合が始まるらしく赤コーナーから公爵の男が入ってきた。名を呼ばれた瞬間大剣を上に突きだし観客を煽る。
ワーワー
続いて赤コーナーから女性が入ってきた。どうやら彼女は貴族ではなく王族のようだ。主な武器は細剣(レイピア)だ。
俺はこの武器を見た瞬間女性の方の敗けを悟った。レイピアは動きさえ速いものの大剣のような大きい武器に対しては相性が悪い。受けられたときに対する衝撃が大きいからだ。
審判の掛け声とともに試合が始まる。
女性は掛け声と同時に男に向かって駆け出した。
この試合では原則なんでもありである。魔法を使ってもいい。
女性は魔法を発動される前に決着をつけるつもりだろう。
だが、男の方が早かったようだ。冷静に魔法を組み立て、発動した。
すると、男の分身のように何人もの大剣を持った男が出現する。
「ッ…!」
女性の方も始めて自分の劣勢を悟ったようだ。慌てて、対応しようとするが、後の祭り。めに見えて女性に傷が増えていく。
ついに、女性の方が姿勢を崩した。
俺は試合の掛け声を待った。しかし、いつまでたっても、試合終了の合図は掛からない。男が女性に剣を降り下ろそうとした…
「やめろ!」

8.
「やめろ!」
気付いたら俺はフィールドと観客席の壁を越え、フィールドに出てしまっていた。
しかし、出てしまったものは仕方がない。そのまま、男と女性の間に剣を滑り込ませる。
ーギンッ!
剣と剣の重なる音がして男の剣を弾いた。
「ほう。ガキ。どうやら邪魔をしてくれたようだな。しかもフィールドにまで出てくるとは、倒される気満々ではないか。」
そう、このコロシアムで行われる試合には原則ルールがあり、試合中、試合前後に関わらずフィールドに出たものは原則試合をしなければならなくなる。だが、それは承知の上だ。
「お前!彼女を殺そうとしただろ?!!」
「殺そうとなんて、人聞きの悪い。私は正当なルールに則って試合に決着をつけようとしただけだ。それに君の方も貴族に剣を向けようなんてどうかしている。バカなんじゃないのか?」
男はニタニタと下品な笑みを浮かべながら俺に問いかけてきた。
「たとえ、あんたが貴族だったとしても女性が傷ついているのを黙って見ているわけにはいかない!!」
「ククク…クク…ハハハハハ!」
「つくづくバカのようだね。君は。しかしこのコロシアムのルールに則って君とは試合をしなければならないねー。先に言っておくけど剣で僕に勝てるものなんていないよ?降参するなら、今のうちさ!その場合君は当然、刑務所行きだけどねぇぇ!」
「ふん!剣に敵うやつがいないだと?そんなのが世の常識となっているなら…」
「そんな世の理、俺の剣(ちから)で書き換えてやるよ!」
俺はそう言って背中から剣を抜く。
「ふ、減らず口を…」
そう言って男も剣を構えた。
異世界に来て、初めての戦いが今始まる。

9.
男は試合開始と同時にさっきと同じように魔法を使ってきた。
(あれは、恐らく召喚魔法。自分の擬似的なゴーレムを召喚しているんだ。)
だが、俺の前ではそんなの無力だ。
「いくぞ!」
まず、右側のゴーレムに向かう。
「影星流一刀!初技《斬月》!」
たて列に並ぶように剣を構えていたゴーレムに向かって影星流の突進技を放つ!
それにより一気にゴーレムが減った。
「何?!」
続いて、正面の敵にも連続して《斬月》を放つ。そして、その勢いで男の首筋に剣を当てる。
「チェックメイトだ。」
男は一瞬、顔を歪めたが
「クッ!最後まで抗わせてもらうぞ。」
男は下からで俺の剣を弾こうとした。だが、俺はそれに対し自分も下から剣を振るい剣を弾いた。その行動に相手の男だけでなく、観客も驚いたようだ。
あたりまえである、強度が常識の大剣をこの細い片手剣で弾いたのだから。
だが、俺は直感的にできると感じていた。そして、それを逃す俺ではない。
「影星流一刀直伝《春殺》!」
俺は剣を男の腹に突き刺した。

10.
俺は倒れた男を係員に引き渡し、怪我を負っている女性の元へ向かった。しかし、女性にかけよる係員が少ない気がする。俺も女性にかけよる。
よく、みるとかなり美人だ。髪は金髪で、目の色は俗にいう碧眼だ。
「大丈夫ですか?」
俺は声をかける。
女性は、一言
「あんたがいなくてもあいつごとき私一人で倒せた。本当、本当よ…」
顔を赤らめながらそっぽを向いた。
(あー、急に試合に乱入したせいで怒ってるのかなー?)
「それは、失礼しました。しかし、貴女様が傷ついているのをどうしても見ていられなかったもので」
すると、
「天然…天然なの……??」
とわけの分からないことを呟いていた。
「あなた、私をみて何も感じないの?」
ん?
「いえ、なにか意図を汲み取れなかったようであれば申し訳ございません。」
「いえ、そうなんじゃないのよ?ただ…」
「…?」
「ユリスティア様、こちらへ」
「あ…。貴方、名前は?」
「タイガと申します。」
「タイガ、ね。了解。覚えたわ。後で私の控え室まで来てくれるかしら?それじゃあね。」
「あ…」
答える暇もなく彼女ーユリスティアーは、行ってしまった。
俺は、このときはまだ知らなかった。この時、既に事件に巻き込まれてしまっていたことに…。




A.ヒロインは、金髪碧眼のユリスティア様
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