必然ラヴァーズ

須藤慎弥

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 ヒヤヒヤしながら烏龍茶を握り締めた俺に、ケイタさんがスマホを見せてくれた。


「もうネットニュースに上がってる」
「……ヒィっ……早いですね……!」
「ハルの事は俺もケイタも全力で守ってやるから安心しな。  あとはセナが片付けるだろ」


 そんな悠長な…!と思いはしても、口になんか出せない。


「成田さんうるせー。  俺が交際宣言したのってそんな大事になっかね?」


 電話を終えた聖南が頭をポリポリ掻きながら俺の隣にやって来た。


「なるだろ!  もうネットニュースに上がってたぞ!」
「お、マジで?  ツアーの宣伝になっからいい事だな、うん」
「聖南さん怖いもの知らずですね……」


 余裕綽々な聖南の様子に、アキラさんとケイタさんの方が神妙な顔で、事態を重く受け止めていそうだった。

 いつもの調子で俺の腰を抱く聖南が、口元だけでニヤリと笑う。


「惚れ直しただろ?」
「…………はい、って言った方がいいんですかね?」


 聖南ではなくアキラさんを見上げて問うと、ふっと笑われた。


「いや、今は言わなくていいと思う」
「なんでアキラ見んだよ。  俺見ろ、葉璃。  交際宣言したばっかの恋人がつれないんじゃ話になんねぇよ」


 そんな事を言われても、と聖南を見ると、拗ねて唇を尖らせていた。

 俺を安心させて脇を固めるという聖南の思惑通りに事が運んだようだけど、それに伴う周囲と世間の反応が心配だった。

 どんな小さな事でも記事になるCROWNという看板、そして聖南の名前。

 今も絶えずSNSで色んな情報が広まりつつあるだろう中で、当の本人はまったくなんにも意に介してない。

 俺のためだって分かってるけど、もう少し焦った方がよくないかな。


「で?  今から事務所行くのか?」
「行かねぇよ」
「一応状況説明だけしといた方がいんじゃないの?  セナ、去年から騒ぎ起こしっぱなしだし、そろそろ社長が心臓発作で倒れるぜ」
「明後日行くって言ってあるからいんだよ。 状況説明ったって、さっき話した事がすべてだしな。  男も女もいずれ相手見付けて結婚するってゆーの、昔より寛大な世間は納得してくれるだろ」
「逆だよ、逆!  今の世論は狭量だから!」
「そうだっけ?」


 何故、台風の目である聖南がこんなに余裕なんだろう。

 アキラさんとケイタさんだけじゃなく、俺でさえも明日からの世間の反応が怖いっていうのに……!



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