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林マネージャーさんに指定された会議室で恭也と座って待っていると、今頭の中で思い浮かべてた長身の恋人がガラの悪いサングラス姿で現れた。
「セナさん。 こんばんは」
「おー、お疲れ、恭也。 葉璃なんで唸ってんの? ……機嫌悪そーな顔して」
黒のライダースジャケットを羽織った聖南は、俺の隣の椅子に腰掛けるのかと思ったら会議テーブルの方に掛けた。
何で聖南がここに?っていうよりも先に、身長の事でぐるぐるしてた俺は、すらりとした聖南のモデル体型をガン見した。
「お疲れ様です、聖南さん。 今日も相変わらず背が高いですね」
「はぁ??」
「ふふ……っ、葉璃、成長痛で、三センチしか伸びてなかったからって、ずっとこの調子なんです」
「え、……あはははは……っ!」
恭也の言葉に腕を組んだ聖南が、一瞬だけ目が点になった。 そのあとすぐ、無遠慮に目尻を拭いながら爆笑している。
……ひどい。 俺は真剣なのに。
「あははは……っ! はぁ、あーかわいーな。 てかさぁ、実際伸びてたんだからそんなむくれんなよ。 もう成長痛治まってんだろ? 痛みからも解放されて万々歳じゃん」
「だからですよっ。 稀だって言われてた俺の貴重な成長痛止まったら、もう絶望的じゃないですか……。 このままチビで生きていかなきゃいけないんですよ」
自分で言いながら凹んでしまう。
最近は授業も大変だし、レッスンはあまり進展が見えないしで、少しナーバスになってるのかもしれない。
ネガティブ思考が再燃してるのは分かってるけど、イジけてしまうのは許してよ。
「それが葉璃の持ち味だろーが。 背が高けぇからっていい事ばっかじゃないんだぞ?」
「……信じないっ。 俺は背が欲しいです」
モデル体型の聖南が言ったって、俺には何にも響かないもんね。
ぶぅたれていたら知らないうちにほっぺたが膨らんでたみたいで、まだ笑ってる聖南にプニッと頬を押される。
すると恭也が立ち上がって、俺の座ってる椅子ごと恭也の方に向かされた。
「葉璃、いい? 神様が、葉璃はこのくらいで生きていくのが、ちょうどいいって、そう示してくれてるんじゃ、ないかな? みんな、葉璃の事チビなんて、思ってないよ? 可愛いって思ってるよ?」
「…………恭也、……フォローしてくれてるの分かるんだけど、……あんまりなってない」
「えっ!? なってなかった? ごめんね、悪気はないんだけど。 ……セナさん、どうしましょう?」
慰めよう、フォローしてあげよう、っていう恭也の優しい思いは伝わってくるんだけど、結局「小さくて可愛い」と遠回しに言われてる事に気付いて膨れたほっぺたは鎮まらない。
恭也は少し強面だけど、俺の前でだけは表情をコロコロ変えてくれるから分かる。
今すごく、焦らせてしまってる。
俺の機嫌が治らない、と恭也が困ったように聖南を見上げたところで、社長と、スタッフの人が二人、会議室へと入ってきた。
慌ててほっぺたを元に戻してペコッと頭を下げると、隣の椅子に腰掛けた聖南がまだクスクス笑ってたから、肘で聖南の脇腹をグイッと押して反撃しておいた。
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