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⑰仕返し
─迅─
しおりを挟む🐾 🐾 🐾
「いい加減出て来いよ」
「……~~ッッ!!」
「全ッ然、まっったく、なんて言ってんのか聞こえねぇな」
山になった黒猫柄の布団が、モソモソッと動く。
そのこんもりした中でゴニョゴニョずっと文句言ってんのは、さっきやっと現実世界に帰ってきた雷だ。
ネバネバギャルが走り去って行ったあと、なぜか漫画みてぇに気絶しやがった雷をおんぶして、コイツん家まで連れ帰ってきたはいい。
俺の背中でスピーッて可愛い寝息立ててやがったから、気絶ってか自主的に意識手放したって方が正しいか。
んで、目覚まして俺と目が合ったら山になった。
とうとう〝恥ずか死ぬ〟じゃなく〝恥ずか死んだ〟らしいんだが、原因はまぁ……お察し。
「あんな声やそんな声をネバギャルに聞かれてたんだぞ!! 恥ずかしくねぇのか、お前は!!」
「……俺はあんあん言ってねぇし」
「そうですよねぇぇ!! あんあん言ってたの俺だけでしたぁぁ!!」
「あと、〝クチュクチュ、グチュグチュ〟も聞かれてただろうな」
「ぴぇぇッッ!?」
ごめん、雷にゃん。
俺お前を甘やかしてぇ気持ちでいっぱいなんだけど、根っからの性悪なんだわ。
ぴょこんと布団から出てきたツラがあんまりにも可愛くて、傷口に塩塗りたくってしまった。
「お前……ッッ、盗聴されてたのいつから気付いてたんだ! まさか最初からとか言わねぇよな!?」
「いやいや。俺だってはじめから気付いてたわけじゃねぇよ」
「でもでもでも!! なんか序盤がどうのって……ッッ!」
「あぁ……」
同棲話したら急に煽られて、コンドームの数を頭ン中で数えながら俺は雷をトイレに拉致った。太ももエッチまでヤる気満々で。
何のためにトイレを選んだと思ってんの。
そりゃ気付いてたらやめてるって。
男だろうが女だろうが、雷の喘ぎ声なんか誰にも聞かせたくねぇし。
「俺がネバギャルが居んのに気付いたのは途中からだ」
「途中~~ッッ?」
「雷にゃんのアナルにお邪魔した辺り」
「えッッ!?」
外で〝ピコンッ〟て音がしなきゃ、俺だって気が付かなかった。
ネバギャルには「最初から聞いてたんだろ」って言ったが、あれはカマかけただけ。そしたら顔面真っ赤にして倒れ込んできたんで、キモッとなって突き放したんだけど。
単独犯かって聞いて逃げたっつー事は……それが答えだわな。
俺らはあとつけられて、イチャイチャしてるとこを盗聴された。
ネバギャルの親玉はどこのどいつ? ……ンなの知らねぇ。
「やっぱり仕返しされてんだよ!! 迅があんなバッサバッサ斬りまくってたから!」
「告ってきた女達?」
「他に何があんの!?」
「逆恨みもいいとこじゃん。モテる男はツラいなー」
「ンなのんきな!!」
さっきまでスピスピ寝てたくせに、ツッコミの切れ味抜群じゃん。いきなり気失うからちょっとだけ焦っちまったが、元気そうで何より。
それにしても、ネバギャル一行は俺と雷のイチャイチャなんか録ってどうすんだろ。
それが俺にとっての痛手になるとでも思ってんのかね?
あ、……そうだ。
「なぁ、雷にゃん。聴いてみるか」
「……何を」
「そんなムスッとしたツラしても可愛いだけだぞ。……ほらコレ」
「なッッ……! それは……!」
ブレザーのポケットからスチャッと取り出して見せたのは、ネバギャルが落としてったミニボイスレコーダー。
刑事もんのドラマだと、「これが目に入らぬか! 動かぬ証拠だ!」とか何とか言って犯人追い詰めんだろ? 知らねぇけど。
「イヤだ!! ぜっってぇぇヤダ!! 俺のあんあんなんか誰得よ!?」
「俺得」
「マジでやめろ!! 再生したら俺また気絶すっからな!? いいんだな!?」
「寝ちまったら寝込み襲うから別に。好きにしたらいいよ」
「おーいー!! 気絶してるのに襲うなぁぁッッ!!」
「雷にゃん、シーッ」
「んにゃッ……♡」
愕然として、金魚みてぇに目も口も開き切った雷だが、キス一つで一旦落ち着く。
再生しない、って選択肢が無えんだからしょうがねぇだろ。
こん中に雷の〝あんあん〟が録音されてるとしたら、俺が聴かなくて誰が聴くんだ。
「いいじゃん。出演者である俺も聴くんだから」
「出演者言うな!」
「ポチッ」
「あ゛ぁぁ~~ッッ!! 押しやがったぁぁ!!」
睨んだ通り、データは二つあった。
どっちも魅力的だが、俺はやっぱこっちを選んで再生した。寝転んでた雷を抱っこして膝に乗せて、スタート。
『あ、ッ……♡ ……ヤダ、やだぁぁ♡』
『ヤダ? これイヤ? ガチでイヤ?』
『んにゃッ! ウソ……ッ! ウソついた! ふぇッ……♡ ちょびっと、きもちぃっ……ンンーッ♡』
『だろ? もうイけそうだよな。自分で扱いていいよ』
『ま、マジッ? イ、イ、イキたい、……ッ!』
あー……クッッソ可愛い……。
なんていいアイテムなんだ、コイツは。
ネバギャルありがとう。俺の弱味を握ろうとしたのかもしんねぇが、こればっかりは感謝しかねぇぜ。
「もぉやめてくれぇぇ~~……ッ」
「可愛いな。引くほど可愛いな。どんなAVより抜けそうなんだけど」
ただもう一人の出演者である雷は、足をジタバタさせて悶え苦しんだ。
あんま動かれると雷のもちもちなケツが、ものの一分で勃起したチン○に当たって痛てぇんだが。
「おい迅、……お前そういやデータくれとか言ってた、よな……? もしかして……」
「そうそう。雷にゃんが居なくてもシコれるオカズが欲しかった」
「は、はぁッッ!?」
「ヤってる最中にハメ撮りすんのは、やっぱ正式なセックス後がいいし? かと言って今スマホ向けたって雷にゃんは何も撮らせてくんねぇだろ?」
「なっ……なっ……」
見て見てと言わんばかりに、雷のツラを俺の股間に向けさせる。ついでに小せえ手を取って、フル勃起なのを確かめさせた。
「ほら、な? 雷にゃんの声だけで、俺ガン勃ち」
「なっ……ななな……ッッ」
息を呑んだ雷のツラが、みるみる真っ赤になっていく。
んー。音声もいいが、やっぱ断然リアルの方が可愛いな。
オカズにはピッタリだけど、聴いてたら実物に触りたくなるじゃん。これは良し悪しか。
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