迅雷上等♡─無欠版─

須藤慎弥

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20ついにオトナになりました!?

─雷─②※

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 言葉になんねぇ喘ぎをハフハフこぼしてる俺に追い打ちをかけてんのは、迅のトロ甘イケボ。

 耳元で「雷にゃん」って呼ばれるだけで、俺の心臓にズキュンッて何かがぶっ刺さるんだぞ。

 それが今、迅にもたれかかってる俺は唯一の穴をグリグリされてて、育ちかけの迅様を腹に押し当てられてる。

 こんなハレンチでいかがわしい王子様がどこに居るってんだ。


「ここほぐしたの、ヤシロアツトのチン○じゃねぇよな?」
「ちッ、違ぇよ!!」


 吐息まじりのイケボが憎い。

 おまけに激しい誤解してヤキモチぷくぷく焼きやがって、俺はずっと指一本で犯されてる。

 チビヒョロな俺なんかが一人寄りかかったくらいじゃビクともしねぇ体に、キュンとした。

 まさかこんな最速で、清く寝ようとした迅の心が動かせるとは思わねぇじゃん。

 ただトロトロになった穴をいじくってるだけなんだぜ。

 それを求めてたくせに、いざ中をグリグリされると怖じ気付く童貞処女な俺は、何回も「抜いてくれ」とお願いした。

 でも迅は、全然やめてくんねぇ。

 それどころか若干ほくそ笑んでるように見えるんだけど……。


「だとしたら……アナルプラグ?」
「そ、そうだよッ! ふぁッ……♡ 迅ッ、……そ、その……いったん指抜けよッ」
「いつ挿れてた? 拉致られてる時は入ってたのか?」
「いや……拉致られる前に、モールのトイレで……ッ」
「抜いた?」
「う、ん……ッ♡」


 迅の野郎……ッ! 今日に限って察しが悪りぃと思ったら、俺の口から言わせてぇだけじゃん!

 プラグさんのことは気に食わねぇが、俺が迅とのドキワク初体験のために利用したって知ると、すんげぇ嬉しそうに口角上げやがった。


「アナルプラグをハメたまま? 俺を迎えに来たって事?」
「んッ♡ んッ♡」
「それって俺とヤるため?」
「うん……ッ、ったり前……!」
「マジかよ。やらしー」
「ひゃうッ♡ うッ……♡ ンン……ッ♡」


 クチュンっと俺のベスポジを軽く押されると、ロクに文句も言えやしねぇ。いや逆に、文句なんか言ったら反撃に遭う。

 〝俺と初体験してぇんだろ?〟って言われちまったら、元気に頷いてしまいそうな好奇心旺盛な自分がヤダ。

 俺を助けるためにボロボロになった七万円の迅のコートを握って、立ったままグチュグチュと穴をほぐされてるこのエロエロシチュエーションにも酔ってる。

 中指だけで擦られてる甘い刺激じゃ物足りねぇと思っちまうのは、迅のせいだ。

 お尻が気持ちいい場所だってことを教えてくれたのが迅で、オトナのオモチャを使っての拡げ方までレクチャーしたのも迅だからだ。

 規格外の迅様を迎え入れる準備は、レッスンと称して着々と進めてた。


「迅ー……ッ」
「なに、もうイきそうなのか? まだ触ってもねぇけど?」
「ちがッ……ちがうーーッ」


 そうじゃねぇ! とは言えねぇし、ピッタリ密着してる迅にはもうバレてんだろうけど。

 前がキツキツになっててしんどい。

 だけど俺は、それが言いたくて迅を見上げたわけじゃねぇんだ。

 俺は……正真正銘の、迅の恋人になりてぇ。

 元祖達に負けたくねぇ。

 迅がよそ見しねぇように、繋ぎ止めときたいんだ。

 俺をオトナにしてくれよ。

 こんだけ穴をいじってくれんなら、そろそろ迅様挿入したっていいじゃん。

 指一本がすんなり入るくらいじゃ、迅様のこと受け止めらんねぇかもしんないけど……がんばれば三本くらいは余裕になったんだよな?

 プラグさんもこう言ってたぞ。

 〝おいらが入るんだから迅の旦那のブツもそろそろイケんじゃね?〟ってな。


「迅……ッ! 俺、俺……ッ」
「なんだよ」
「迅と……ッ、どうしてもしたいんだ!」
「…………」


 熱込めて言うと、エロエロな右手の動きがやっと止まった。

 腹に力が入って、思わず迅の指を締め上げちまって「はぅッ♡」と項垂れた俺を、力強く抱きとめてくれる逞しい左腕。

 ゆっくり見上げた俺を、無表情の迅が見下ろしてくる。何を考えてるか分かんねぇ黒目に吸い込まれちまいそうだ。

 それと同時に、俺は自分の必死過ぎる発言に今さらながらビビった。

 オトナになりてぇが、やっぱ怖い。抜きっこ大会とか太ももエッチとはわけが違う。たぶん迅との初体験は、俺のちっぽけな想像力じゃ到底足りねぇくらいの衝撃を受けると思うんだ。

 あと、俺を見下ろしてくる迅の冷ややかな目。

 何コイツ。必死過ぎ。って呆れられてんのかもしんねぇ。

 だから指動かさなくなったのか。

 俺があまりにもがっつくから、経験豊富な迅にとってはそれが失笑もんだったりして。

 うぅ……ッ! こういう時、俺みたいな童貞処女はどう誘えばスマートなんだ……ッ?

 諸々の葛藤を分かってほしいのに、中をクチュクチュいじられてて何も伝えらんなかった。

 迅の熱視線が、俺の不安を風船みたいに大きく膨らませてく。

 黙って見つめ合ってると、迅の考えがまるで分かんねぇ俺は良からぬ方にしか考えらんなかった。

 いよいよ気分を削いでしまったかも、と慌てた俺は、やっぱりちゃんと自分の気持ちを説明しようと口を開きかけた……んだけど。


「いや、あの……迅、ッ……んンッ!」


 降ってきた突然のキス。

 薄く開いた唇から、熱いベロがぬるっと侵入してきた。


「んんッ……!」


 迅はめちゃめちゃ不安定な態勢で、それでもしっかりと俺を支えながら濃厚なキスを続けた。

 未だにベロの置き場が分かんねぇ俺は、されるがまま。

 絡ませようとしてきた時は、ビクビクしつつも見様見真似でベロを差し出す。吸われた時は、もっと体をビクッとさせて迅の好きにさせとく。

 熱くて湿ったベロが、俺の口ン中をたっぷり味見してる……そんな感じ。

 オトナになりたくて、最上級に気持ちいいこともしてみたくて、プラグさんに頼ってまで迅との初体験にウキウキだったのはウソじゃねぇ。

 なんで土壇場でビビっちまったのか、いったい何が怖えのか、俺自身にも分かんなかった。

 ただ今日は……今日こそはって思いでいっぱいで、引くに引けなかったんだ。

 最後の仕上げに、チュッ、と俺の下唇を甘噛みした迅は、そのどっちつかずな気持ちを分かってくれた気がした。


「俺、紳士な王子様で居た方がいんじゃねぇの?」
「やだ……ッ! 今日がいい……今日じゃなきゃ……んンッ♡」


 そう言われると、俺はつい反射的に強がった。

 迅はそんな俺にニヤッと笑って見せて、また濃厚なベロチューを再開した。

 キスってこんなにやらしい音がすんのかってくらい、ベロを絡ませるごとにピチャピチャ鳴ってる。

 俺のこと大事にしたいって常日頃から言ってる迅には、もしかしたら究極の選択だったのかもな。

 ヤりてぇけどヤれねぇって。


「フッ……とんだ淫乱処女姫ネコだな」
「んッ♡ ンむむむ……ッ!」


 ベロを絡ませてきながらニヤッと笑った迅は、とてもじゃねぇけど王子様ってツラはしてなかった。

 でも……ッ!

 でもでも……ッ!

 時々喘ぎながらもプラグさんを突っ込んで来た俺の意気込みは、無駄にならずに済みそうだ。

 なんたって、俺の腹辺りに感じたのはギンギンな迅様。ここで「やっぱ太ももエッチにプラン変更しよ」なんて言ったら、今にも暴れだしそうに育っちまってる。

 まぁ、俺のトロトロな穴をかき回して、ねちっこいベロチューしてたらそりゃそうなるわな。

 こっちはそのつもりでプラグさんとの旅をがんばったんだ。

 はなから、迅に紳士な王子様なんか求めてねぇから。

 そんで俺も、一応は日本男子だ。

 腹を括るぜ……!



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