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50❤︎束の間の逢瀬
50❤︎⑥※
しおりを挟む悶々とした末に自分でナカを綺麗にし、スムーズに挿入できるようある程度柔らかくする前戯まで一人でさせてしまったとは、恋人としてかなり不甲斐ない。
「ごめんなぁ、葉璃」
「んっ……」
じわじわと中指を根元まで挿れて内壁を押し拡げるように動かすと、気持ちいいのか桃尻が小さく上下に揺れる。
聖南の性器から離れようとはしないが、早くも指一本で気もそぞろらしく、舐められている感触がしなくなった。
「葉璃、もう指二本入りそう」
「んーっ! んっ……んっ……!」
「気持ちいーとこ押してやろうな?」
「んんっ、んっ!」
中指を一度引き抜くと、ローションをたっぷりと纏わせた指二本を孔に挿入した。
挿れた瞬間はキュッとキツイ締め付けに合うが、あらかじめ葉璃がほぐしてくれていたので難無く呑み込んでくれる。
指の腹で内壁を押し拡げながら、感触を頼りに葉璃のポイントを探っていくと、記憶通りの場所で一際高い嬌声が上がった。
「ふぁっ……やっ……やっ……!」
とうとう葉璃は、聖南の性器を咥えていられなくなった。
内壁を拡げていくフリで巧みに前立腺を擦る聖南の指が、葉璃の声と共にぎゅっぎゅっと締め上げられる。
決して早くは擦らない。かと言って焦らすほどゆっくりでもなく、絶妙な速さと力加減による前戯に葉璃は無意識に腰をゆらゆらと揺らめかせていた。
「かわいー……。先っぽからいっぱい溢れてきてる」
「やだ……っ、んっ……」
「そうだなぁ、やだよなぁ。気持ちいーのこわいんだよな、葉璃ちゃん」
「うぅっ……」
葉璃が腰を揺らす度に、聖南の腹には射精を期待した彼の性器から先走りが溢れ出て、ヒタヒタと卑猥に濡らしている。
「あっ、せなさ、……っ、んっ」
「んー?」
「だ、だめ……っ、ゆび、ゆ、指、……!」
「ダメじゃねぇだろ。腰揺れてるぞー」
わざと音を立てて指を蠢かせている聖南に、葉璃が少しだけ恨めしそうな視線をやった。
だが聖南も止めてやれない。
いやらしく腰を振る葉璃は、聖南の指から逃れようとしているのではなく、もっと欲しいとばかりに強弱をつけて孔をヒクつかせているのだ。
それが無意識なのは分かっているけれど、限界が近いのならと聖南の笑みは濃くなる。
「あぁっ……! ま、待って、イっちゃう……っ」
「イかせちゃうー」
「やっ……やだ、せなさぁあ……っ」
直に触ってやりたい気持ちをグッと堪えて二本の指を器用に動かすと、ほんの数十秒後には聖南の腹にとぷとぷっと精液が散った。
二、三回は体をビクつかせ、腰が淫らに上下する。聖南の指が千切られそうなほどの締め付けに合い、いやいやと小さく首を振りながら啼く葉璃を見ていると、異様に興奮してかなわない。
葉璃が聖南の性器に触れていなくて良かった。危うく触れずして葉璃の顔にかけてしまうところだった。
「ほんとにゴム付けなくていいの? 俺は葉璃ちゃんにかけられてビショビショなんの嬉しいけど」
「はぁっ、……はぁ、……っ」
「葉璃、体起こしてこっち向いて」
片膝をつき、聖南の下半身にしなだれかかる葉璃は肩で呼吸をしている。
朦朧としている葉璃を、聖南はお構いなしに手を貸して体を起こさせた。
「ふぅ……っ、うぅっ……」
小刻みに震える手を握り、こちらを向いてぺたんと座った葉璃の上気した顔と荒く呼吸をする姿に、否応なく煽られる。
「かわいー……。興奮してんの?」
「い、イったばっか、だから……っ」
「めろめろはもうおしまい?」
「どうせもう、……っ、させて、くれない、でしょ!」
「よく分かってんじゃん」
「…………っ」
潤んだ瞳で睨まれてしまったが、聖南の心は何とも言えない充足感で満ちていた。
大好きな口淫を中断させられ、一度も触れることなくナカを掻き回されて射精した葉璃は、おそらくもう一般的な自慰行為では満足できない体になっている。
ある意味そういう風に調教してしまったのは聖南なので、彼がいくらプンスカ怒っていようが濃い笑みを崩せない。
「まぁまぁ」と言葉だけの情けをかけてやりながら、葉璃の腰を擦ってやる。
射精後にしれっと三本に増やした指を咥え込んでいた孔はしっかり濡れそぼっており、腰掛けている聖南の腹部分にもそれを感じた。
早く挿入りたい気持ちを抑えているにも限界があるが、今日に限っては葉璃のペースに合わせる事に意味がある。
寝込みを襲った葉璃からの施しは、口淫だけでは留まらない。
ここからが本番だと、聖南は葉璃が朦朧としているうちに手際よく自身にコンドームを嵌めた。
「さーて、葉璃ちゃん。自分で挿れてみようか」
「え……? 自分で?」
「さっきはそのつもりだったんだろ?」
「いや、そ、そうですけど……! いや、そうなのかな……? 具体的にどうするとか、全然決めてなくて、その……」
「葉璃、挿れて♡」
「えぇ……っ!」
ここ一番の満面の笑みを浮かべ、葉璃の腰をさらさらと撫でる。
バスローブを取り払った時のような問答無用感を察し、鍛え上げられた聖南の腹に両手をついた葉璃は、とても慎重に腰を浮かせた。
とはいえ素直に従いつつも、どうしていいか分からないといった顔で縋るように見てくる葉璃に、あえて手を貸さない聖南は悪ふざけの度を越している。
暴れ出しそうな自身を死ぬ気で宥め、何とか自分で挿れてみてほしいと葉璃の動向を見守った。
「も、もう……聖南さんの、なんでこんなに大きいんですか……」
やっとの思いで腰を浮かせてみたものの、足りないと判断した葉璃が下唇を出して再度聖南を睨む。
「それ長さのこと言ってる?」
「……ぜんぶです」
「全部か♡ そっかそっか」
「……嬉しそうですね」
「そりゃあな。我が分身を褒められて悪い気はしねぇよ」
むっとしたままの葉璃は、片膝を浮かせなければ聖南の先端をあてがう事が出来なかったせいで恨み節のように呟いた一言だったのだが、単に聖南を喜ばせる材料にしかならなかった。
聖南にも大いにその自覚はあったけれど、いざこの体位を試すと平均以上である事を両者共に痛感する。
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