狂愛サイリューム

須藤慎弥

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8❥関係性

8❥4※

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 葉璃の両足首を持った聖南は、するすると手のひらを滑らせてなめらかな肌を楽しみ、腿裏をグッと持ち上げる。

 腰の下に枕を置いて恥ずかしい格好を強いたが、葉璃は何も抵抗しなかった。

 両手で顔を覆い、耳も首も肩までも真っ赤になっている事から、聖南の願望を聞き届けるために羞恥を堪えて我慢してくれているのだと分かる。


『すぐ気持ちよくしてやるからな』


 今度は聖南が「ご奉仕」する番だ。

 舐められるのはちょっと…だった聖南も、結局は口内発射してしまい堕ちたわけだが、同様に可愛く乱れる姿を見られるのならおあいこだと、いつになく熱が入る。


「……あ、ぁっ……」


 聖南の手のひらに収まる、反り返った小ぶりな性器を握り込む。  人差し指と中指の間で性器を挟み、あとは玉ごと握って扱いた。

 腰を揺らして小さく啼いた葉璃は、紛れもなく男の子だ。

 どれだけ華奢でも、聖南の胸をキュンキュンさせるほど嬌声が高くても、乳首やアソコ、孔までもが純なピンク色だとしても、葉璃は聖南と同性なのである。

 毎回のセックスの度にチラとよぎるが、葉璃と出会うまで当然ながら女性を相手にしていた聖南は、彼女らへの欲情の仕方を忘れた。

 どんなに美しく、魅力的だとされる女性を見ても「葉璃の方が可愛い。綺麗。世間は軽薄だ」としか思えなくなっている。

 葉璃のすべてを狂おしいほど愛しているがために、かつ聖南が葉璃に対してのみ絶倫なために、自身の行動思考は否が応でも狭まった。

 可愛い。  葉璃の事が、とにかく可愛い。

 体格の差は歴然なのだから、標準よりも大きな聖南の性器で何時間にも渡って葉璃の中を貫いていいはずがない。

 しかし、───。


「……せ、なさ、……っ」
「んー?」
「なめ、ないの……?」


 葉璃の性器とヘソを執拗に舐め回していた聖南は、すぐにでも交わりたい欲を抑えて互いの熱を昂ぶらせる事に集中していた。

 指の隙間から、か細い声で聖南をメロメロにする台詞が飛び、潤んだ瞳と視線が合った。

 恥ずかしい、嫌だと言いながらこれを無自覚で繰り出してくるのだ。  おかげで聖南の理性はいつも地に落ちる。

 ───容易く、一瞬で。


「そんな舐めてほしいの?」
「い、いやっ……そうじゃな……っ」
「舐めるに決まってんじゃん。  ふやけてドロドロになるまで愛してやるよ」
「え……っ、や、あの……っ、ドロドロは……」
「次から拒むなよ、葉璃ちゃんが舐めてほしいって言ったんだからな」
「い、言ってな……!  俺言ってない……!  せなさんっ……んんん……っ」


 都合よく葉璃の言葉を変換した聖南は、バレないように一旦眼鏡を外すと魅惑のそこへ顔を寄せていく。

 汗ばんできた太腿の裏をグッと押し、腰を浮かせるとピンク色の窄みが顕になる。  ……葉璃はこれを、あまり凝視させてくれない。

 キュッと窄んだそこを、舌先でツンと押してみた。


「ぁっ……」


 一舐めしただけで体がピクッと揺れて、両手で覆われた中からくぐもった可愛い声がした。

 太腿から手を離しお尻を鷲掴むと、頭をやんわりと膝で挟まれたがこれも大きな興奮材料だ。

 聖南が施しの気持ちを持ったのは葉璃が初めてなので、やり方など本能のままそれに従うしかない。


「……っ……っ……」


 秘部に舌が触れる度に、薄い体がビクつく。 舌先を尖らせて孔に突き入れてみれば、内部から力んだのが分かる。

 聖南は思う存分、貫くための前戯というよりも己の欲求を優先させていった。

 小さく啼いて聖南の髪を乱す葉璃の秘部は、何よりも美味しい。  唾液をふんだんに使って愛しい人の味を堪能する。

 たまに性器に手を伸ばして扱いてやると、孔はヒクヒクと蠢いて聖南の舌を翻弄した。


「せ、な……っさん……っ」
「………………」


 浮いた両足を震わせて、葉璃が限界を訴えてくる。

 聖南は楽しくて美味しいが、葉璃はその先の悦を欲しているのだろう。 もっと聖南の舌が長ければ、内壁まで届き、さらには前立腺の感触を味わう事が出来るのに。

 残念と言う他ない。


「も、も、も……っ」
「なに、また桃?」
「……ちがっ……」
「そんな好きなら今日買ってくるよ」
「え、っ……?  なにを……?」
「桃」
「いや、桃じゃな……っ」
「てかここにあんじゃん。 桃尻が」
「…………っっ」


 小ぶりだが男にしてはぷりんとした葉璃の臀部を揉みしだき、上体を起こした聖南は眼鏡を掛けてうっそりと笑う。

 目元を真っ赤にして欲を滲ませる葉璃は、聖南の行動一つ一つを目で追った。

 舌なめずりしながらローションを手に取る。

 葉璃が咥えてくれていた時間の倍は堪能させてもらったけれど、正直まだまだ舐め足りない。

 しかしプルプルし始めた葉璃がその瞳で「欲しい」と語り掛けてくる。  期待に応えない、使えない彼氏だと思われたくない。


「あー美味かった」
「………………」
「ずっと舐めてられるんだけど」
「えぇっ、やめてください……!」
「フッ……。  あとは指と俺のでぐっちゅぐちゅな」
「せ、せなさん……」


 いちいち言わないでください、とそっぽを向く葉璃に、聖南はまた惚れた。

 恐ろしい。

 いつ何時も新しい恋が生まれる。

 一目惚れしたあの日からずっと、初めて繋がったほろ苦い経験からもっと、葉璃を手放したくない思いは日々募っている。

 セックスだけが愛を確かめる術ではない。

 以前聖南は、ある理由から葉璃にそう豪語したが、そんな薄っぺらい事を語った自分がたまに恥ずかしくなる。


「葉璃ちゃん、挿れるよ」
「……ん、」
「セックスだけではないと思うけど、俺らを縛るためにはセックスは重要だよな」
「んんん……っっ!  なに、っ?」
「俺しか知らなくていいんだからな、葉璃。  この先も」
「あっ……んぁっ……っ」


 宣言通り、舌と指先でドロドロに解された中へと聖南は性器を突き立てていく。

 突然語り始めた聖南に、葉璃はお尻を自ら上げ、啼きながらキョトン顔を見せた。


「せなさんっ……なに言っ……ぁぁっ……」
「葉璃、おめでとって、もっかい言ってくれる?」


 今日だけの特権を使い過ぎだという自覚はあったが、家族を欲していた聖南の願いは他所とは違う。

 葉璃の髪を撫でつつ、ぐちゅっと最奥を貫いてそんなお願いをしてみた。

 すると葉璃は、聖南の体をギュッと抱き締めて声を震わせ、……。


「せなさん、だいすきです、お誕生日、おめでとう、ございます」


 憎いほど、可愛いと思った。




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