狂愛サイリューム

須藤慎弥

文字の大きさ
317 / 602
31♡迫る足音

31♡7※

しおりを挟む



 ルンルンで俺をバスルームに運んだ聖南は、欲望に忠実で可愛かった。

 今日はベッドがいいって言うと、俺の体を洗いながら必死で我慢してくれてる聖南も可愛かった。

 一度昂ぶった熱が引く事はなくて、切羽詰まった様子で「湯船は後でいい?」と俺に確認を取ってきた、隠しきれない欲情も可愛かった。


「葉璃、……挿れたい」
「んっ……」


 濡れた瞳で見おろされ、ちゅっと軽いキスをしてきた聖南の指はローションでドロドロだ。

 目が合っても、俺も聖南も笑い返す余裕が無い。丁寧に何十分もかけて解された孔が、引き抜かれてしまった指の代わりを待ちわびるようにヒクついた。

 聞かれるまでもなく、俺は聖南の肩を引き寄せて広い背中を抱き締める。

 そうやって俺からの了承を得た聖南は、優しい声とは裏腹のギラついた瞳で俺を眩しげに見た。


「痛かったら言って」
「う、ん……」


 聖南、可愛い……。挿れる前に必ずこの台詞を言ってお伺いを立ててくる。

 俺がどんなに飛びかけてても、ヤキモチ焼いて怒ってる時でも。

 いつも大体が甘々な聖南は、いきなり挿れたりしない。性器を握って、ちょっと扱きながら堪える。

 「いい? もう挿れてもいい?」って、〝待て〟されたワンちゃんみたいにそこはすごく我慢強い。この例えが合ってるのかは分かんないけど。

 バスルームからここまで運んでくるのも、孔を解してる最中もすごく我慢してるのに、挿れる間際まで俺を気遣ってる。


「ふぁ……っ、ん……っ」
「あ、葉璃ちゃん。今日はゴムあり? 無し?」
「えっ? せ、せなさんはどっちがいいっ?」
「そりゃ無しだけど。……あ、久々に着けようかな」
「…………っ」


 欲情した聖南の瞳が、ギラギラと妖しく光る。

 俺の瞳を凝視しながら片手でゴムを着けてる時の聖南は、どんな時よりセクシーでいやらしい。

 気まぐれでコンドームを使う事のある聖南の思惑は、俺には分からなかった。

 中が精液で汚れないようにっていうのは、すでに今ローションでドロドロなんだからあんまり意味がないような気がして。

 今日は着けたい気分なのかな。

 なんか俺、今日すごくおかしい。

 聖南がやる事なす事ぜんぶが可愛く見える。

 さすがに、今まさに俺の孔にあてがわれたそれは愛でたいと思えるような色形はしてないけど、聖南のものだから愛おしいんだ。

 滅多にたべさせてくれないけど。


「力抜いて」
「ぅん、……んぁぁ……っ! せな、さん……っ!」


 うわ……っ。きた……っ。

 ぐじゅっと先端がめり込んでくる感覚がたまらなくて、聖南を挟んで広げた両足がビクンッと跳ねた。

 孔が……聖南のもので拡がっていく。指とはまるで違う質量に、瞼をギュッと閉じて気を散らしながら受け入れないと心も体も保たない。

 少しずつ、少しずつ、聖南が動く度に内側が圧迫されて、痛くなんてないのについ背中に爪を立ててしまう。


「あー……気持ちいい……」
「んっ、……んっ……」


 聖南の吐息があまりにエッチで、入ってくる性器の熱さも相まって全身が火照る。
 

「葉璃、舌」
「んむぅ……っ!」


 半分くらい挿れられたところで、サイドの髪を耳にかけた聖南から激しく唇を押し当てられた。

 薄めを開けて「聖南かっこいい……」と見惚れる暇もない。荒々しい舌が、俺の唾液と呼吸を奪ってく。

 上顎と下の前歯を押されて口を大きく開かされると、もれなく聖南から唾液が送り込まれた。

 絡み合った舌の根本に少しずつ溜まってく唾液を、キスの合間に飲み下すように俺を仕込んだのは聖南だ。


「……かわいーな。喉動いてる」
「だって……唾液いっぱい……っ」
「そうだな。俺の飲んでくれたんだよな」
「……っ、……?」


 唇の端からこぼれ落ちそうだった唾液を舐め取った聖南が、腰を進めながらしみじみ呟いた。

 薄い膜越しにも感じる聖南の熱量。

 拡がった孔が聖南で満たされて、熱くて蕩けそうでも自分じゃどうにも出来ない。

 背中に爪を立てて、閉じそうになる両足を浮かせて、聖南が奥まで挿れられるように腰を上げて……中を抉られる気持ち良さに意識を飛ばさないようにする事くらいしか──。


「これが普通だと思っちゃいけねぇ。葉璃が俺を受け入れてくれてんのも、好きにさせてくれんのも、唾液飲んでくれんのも、……こんなの普通じゃねぇよな」
「んっ……どうしたの……? 聖南さん、……?」
「葉璃、俺の事愛してる?」
「……っっ! あ、あい、……っ? そ、そりゃあ……そうじゃなきゃ、こんなこと……」
「だよな」


 俺の肌を撫でながら、いつも以上に時間をかけてゆっくり挿れてくれた聖南が、俺の瞳をジッと見て儚く微笑んだ。

 ぐんっと奥を突かれて背中をしならせると、少しだけ浮いた俺の体を痛いほど抱き締めてくる。

 ちょっとだけ中を擦られたけど、すぐに止まっては俺の首筋や乳首を舐めた。

 聖南、どうしたんだろ……?

 今日は甘えん坊の日なのかな……?

 どくん、どくん、と内側から聖南の鼓動を確かに感じてるのに、性急に動こうとしない聖南はまるで俺に甘えてるみたいだった。


「聖南さん、……動かないの……?」
「んー、ちょっとこうしてたい。ダメ?」
「い、いや……っ、ダメじゃない、けど……!」


 気使わないで動いていいのに、と無意識に促した俺の方が、我慢できない子みたいになっちゃったよ……っ。

 俺を抱き締めたまま動かない聖南は、奥まで入った性器をビクビクと脈打たせて、しなくてもいい〝我慢〟をしてるように見えたんだ。

 ほっぺたから耳たぶに唇が移動して、痕がつかない程度に首筋を吸われる。繋がったまま俺の体をギュッと抱き締めて、至るところにたくさんキスの雨を降らせてくる。



しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

天然くんは無自覚に手強い

結衣可
BL
営業部の敏腕先輩・真壁洋司は、30歳前後にして社内で一目置かれる存在。 冷静で仕事もできるが、恋愛はいつも軽い気持ち——「来るもの拒まず」で誰か一人に執着したことはなかった。 そんな彼の前に現れたのは、新人の佐倉有紀。 天然で人懐っこく、悪気なく距離の近い言動をするため、男女問わず人気者。 その無邪気さに翻弄される真壁。らしくないと思いつつも、心は変化していく。 一方、有紀もまた、遊び人だと思っていた真壁が自分にだけ見せる真剣な顔や、不器用な優しさに気づき始める。 次第に「僕だけを見てほしい」という独占欲が芽生え、やがて涙ながらに「僕だけにしてください」と告げることに——。 遊びの恋愛しか知らなかった男と、初めて本気で人を好きになった天然後輩。 仕事場とプライベートの狭間で、二人の関係はテンポよく、甘く、“ただの先輩と後輩”から“かけがえのない恋人”へと変わっていく。

売れ残りオメガの従僕なる日々

灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才) ※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!  ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。  無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

目標、それは

mahiro
BL
画面には、大好きな彼が今日も輝いている。それだけで幸せな気分になれるものだ。 今日も今日とて彼が歌っている曲を聴きながら大学に向かえば、友人から彼のライブがあるから一緒に行かないかと誘われ……?

契約満了につき

makase
BL
仮初めの恋人として契約を結んだ二人の、最後の夜。

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

君と僕との泡沫は

七天八狂
BL
【ツンデレ美貌✕鈍感平凡の高校生】 品行方正才色兼備の生徒会長と、爪弾きの底辺ぼっちが親の再婚で義兄弟となった青春BLドラマ。 親の再婚で義兄弟となった正反対の二人の青春BL。 入学して以来、ずっと見つめ続けていた彼が義兄弟となった。 しかし、誰にでも親切で、みなから慕われている彼が向けてきたのは、拒絶の言葉だった。 櫻井優斗は、再婚を繰り返す母のせいで引っ越しと転校を余儀なくされ、友人をつくることを諦め、漫画を描くという趣味に没頭し、孤独に生きていた。 高校で出会った久我雅利の美貌に見惚れ、彼を主人公にした漫画を描くことに決めて、二年間観察し続けていた。 底辺ぼっちだった優斗は、周りから空気のように扱われていたから、見えない存在として、どれほど見ていても気づかれることはなかった。 そのはずが、同じ屋根の下に住む関係となり、当の本人に、絵を描いていたことまでもがバレてしまった。

【完結】抱っこからはじまる恋

  *  ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。 ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら! 完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

処理中です...