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第四話 抑え切れない恋心 side.和仁
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我ながらどうかしている。強引にジェシカの買い物について来たのも、彼女と一緒にいたかったから。
今更ながらジェシカのことがもっと知りたいと思った。
何となく似合うだろうと思って勧めたワンピースは、あまりにもかわいすぎて放心した。
中学生でもあるまいし、何をしているんだ俺は……。
もう誰かを好きになることなんてないと思っていた。
ジェシカと過ごす時間は心地良い。
彼女の持つ陽だまりみたいな温かさに触れていると、心が癒される。
昼時になったので、デパートのレストランがあるフロアに行き、フロアガイドを見に行った。
「何が食べたい?」
「和仁さんの食べたいものでいいですよ」
「君は食べたいものはないのか」
「私は何でも食べますので」
確かにジェシカは特に好き嫌いはないらしい。
作る料理はどれも旨く、誰に教わったのか俺の好物ばかり並べてくれる。
でも、だからこそ知りたい。
「……知りたいんだ」
「え?」
「君が何が好きなのか」
「私の……?」
「……いや、何でもない。忘れてくれ」
我ながららしくないことを口走ったと思い、視線を逸らした。
するとジェシカは、何か思い切ったようにこう言った。
「あのっ、私おでんが好きなんです」
「おでん?」
「母が作ってくれたり、コンビニで買ってきてくれたり、母と一緒に具を選ぶのが楽しくて……ささやかですけど母との思い出の味なんです」
「そうか、なるほど……だがおでんの店はないな」
「あ、大丈夫です! 母が和食好きでしたので、私も和食が好きです」
「そうか。このとんかつ屋は結構美味いぞ」
「とんかつですか! 大好きです!」
「じゃあそうしよう。夕飯は家でおでんを作るか」
「いいんですか……?」
「君のお母さんの味には負けるかもしれないが」
今は夏。おでんの季節ではないが、まあいいだろう。
「そんなことないです! すごく嬉しいです……!」
嬉しそうなジェシカの瞳に涙が浮かんでいるのに見て、また泣かせてしまったのかと焦る。
「どうした?」
「え? やだ、ついこぼれてしまったみたい。だってすごく嬉しいんですもの」
そう言ってジェシカはハンカチで目元を押さえる。
「……これだけのことが?」
「和仁さんが私のこと知ろうとしてくれる気持ちが嬉しいんです。それに和仁さんは、いつも私のことを受け入れてくださるから。実家ではいつも否定されてばかりだし、私の意思なんて誰も求めてませんでしたから」
改めて実家であれだけ冷遇されながら、慎ましく真っ直ぐに育ったものだなと思った。
「やっぱり和仁さんは優しいですね」
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もう誰のことも愛せない、愛したくないと思っていたのに――。
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