不遇な令嬢は次期組長の秘めたる溺愛に絡め取られる。

翼 うみ

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第六話 遅れてきた蜜月

6-5

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「お茶菓子をお持ちしました。雅さんが好きな夢見堂の和菓子です」
「み、峰くん……」
「お言葉ですが、姐さんは素晴らしい女性ですよ。誰にでも優しく親切でよく気が付いて、組員たちは皆姐さんを慕っています。何よりうちの若が惚れ込んだ女性です」

 峰さんがそんな風に言ってくださるなんて……。
 和仁さんに近い方に褒めていただけると、とても嬉しい。
 思わず目頭が熱くなってしまう。

「ずっと和仁と一緒にいる峰くんが……本気でそう思ってるの?」
「ええ、何なら姐さんには感謝してるくらいです。姐さんと結婚して若は変わりましたから」

 和仁さんが変わった……?

「若と姐さんなら、これからの桜花組を率いてくれると確信していますよ」
「……っ!」

 雅さんは顔を真っ赤にして唇を震わせる。
 その表情を見た時、あれ? と思った。

 何だか雅さん、峰さんが来てから様子がさっきと違うような?

「いくら雅さんとはいえ、桜花組のことに口出しする権利はないと思うのですけどね」
「わ、私は和仁のことを心配して……っ!」
「お二人が幼少期からの幼馴染であったとしても、傘下の浅雛組が桜花組の本家に意見するのは出過ぎた真似かと」

 峰さんは微笑んでいたけど、目は笑っていなかった。
 口調も穏やかなようで冷ややかなものがある。
 流石の私でさえドキッとしてしまった。

「……っ」
「それでは、自分はこれで失礼しますね」
「あ、ありがとうございました……」

 最後は柔和な笑みを浮かべて去っていった。
 峰さんはいつも朗らかな人だと思っていたけれど、やっぱり極道なのだなぁと思ってしまった。

 これからどうしましょう、と雅さんの方を見て驚いた。
 なんと雅さんはポロポロと涙をこぼしていたからだ。

「雅さん!? 大丈夫ですか?」
「……っ」
「あ、あの、峰さんの言い方は少しきつく聞こえたかもしれませんが、本当はすごく優しい人で」
「そんなこと、あなたに言われなくてもわかってるわよっ!」

 泣きながらも大声をあげる雅さん。

「峰くんはずっと和仁の一番近くにいて、右腕として支えてきたんだから……和仁の影に隠れがちだけど、冷静かつ聡明で交渉にも長けていて。軟弱に見られがちだけど、和仁に負けず劣らず強いのよ!」

 そう言ってわんわん泣く雅さんを見ながら、閃いたことがあった。
 もしかして雅さん、訪ねてきた本当の理由は――

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