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第一章
素晴らしき魔道具の世界①
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包丁作りも順調にこなすようになったダナイ。鍛冶屋ゴードンの売り上げも上がり、ダナイにも給金が入るようになった。
始めは無理を言って弟子入りしたのだから給金などいらないと突っぱねていたダナイだったが、それではこちらが困るとゴードンと押し問答をした挙げ句、イザベラの仲裁によって給金が支払われることになった。
金額はゴードンが最初に示した額の半分であり、それならば、とダナイが折れた格好である。いい大人の意地の張り合いにさすがのイザベラも呆れているようだった。
そんなこんなでもらった給金で、ダナイは宿に初めて泊まったときから気になっていたランタンを購入した。そのランタンは魔道具販売店で取り扱っており、店には他にも日本で言うところの電化製品のようなものがたくさん並んでいた。ダナイがそれらに興味を持ったことは言うまでもない。
色々と目移りしたが、当初の予定通りランタンにした。値段もそれほど高くはなかったし、暗闇を照らす道具は今後もお世話になると思ったからだ。
部屋に戻ったダナイはさっそくそれを分解してみた。分解用の道具は鍛冶仕事でも使っていたため、自分用の道具をすでに持っていた。逸る気持ちを抑えて慎重に分解していった。
「何だこりゃ?」
可能な限り分解したところ、土台の上部に迷路のようなものが描かれた金属製の板が張り付いていることに気がついた。土台の部分に何か秘密があることを確信したダナイは、さらに慎重な手つきで土台部分を分解した。
土台の中には魔石と細い針金が入っていた。針金はどうやら銅のようなものでできていた。これは電気を流すための銅線に違いないとダナイは理解した。
「魔石が電池の役割を果たしているみたいだな。ちょっと調べてみるか」
ダナイは『ワールドマニュアル(門外不出)』を使って魔石について調べた。その結果、魔石は魔力が結晶化したものであることが分かった。ついでに板に描かれていた迷路について調べると、どうやらそれは魔方陣と呼ばれる魔法を発動させるための回路であることが分かった。
「なるほど、色んな魔方陣があるみたいだな。これで魔法が使えない人でも魔法に似たようなことができるようになっているのか」
そう言えば師匠もライターみたいなので火をつけていたな。あれも魔道具だったのか。それじゃ、夜の道を照らしている街灯も魔道具か。そりゃ、魔石がいくらでも売れるわけだ。ダナイは一人納得していた。
ランタンの魔道具に使われていた魔方陣は魔力が流れると光を発生させる魔方陣だった。摘まみの部分は魔力の流れを通したり、遮断したりすることでスイッチの役目を果たしていた。
中身は意外と簡単な構造をしているな、とダナイは思った。元いた世界ではもっと優れた電化製品が数多くあった。これくらいなら自分でも作れるのではないだろうか?
「俺も何か作ってみたいな」
見た感じでは今持っている自分の道具でも作れそうな感じであった。板金の技術を使えば、入れ物を作るのはそれほど難しくはないはずだ。
ううむ、と悩んだ挙げ句、もう一度魔道具を売っている店を訪ねてみることにした。商品を見ることで何かヒントが得られるかも知れない。ほんの軽い気持ちでダナイは店へと向かった。
「改めて見ると、なかなか面白いものがあるな。これは風が出る魔道具か。これがあれば、ふいごで風を送る手間が省けそうだ。工房に備え付ければ作業が捗るぞ。こっちはライターだな。師匠が持っているのと似ているな。良く見ると、ちょっと大きすぎるような気が……」
ダナイはその後もブツブツと独り言をいいながらくまなく見て回った。その結果、あまり複雑な構造をしたものがないことと、どれもサイズが少しばかり大きいことが分かった。
「小さくなればもっと便利なのにな。なんで小型化を検討しないのかな?」
始めは無理を言って弟子入りしたのだから給金などいらないと突っぱねていたダナイだったが、それではこちらが困るとゴードンと押し問答をした挙げ句、イザベラの仲裁によって給金が支払われることになった。
金額はゴードンが最初に示した額の半分であり、それならば、とダナイが折れた格好である。いい大人の意地の張り合いにさすがのイザベラも呆れているようだった。
そんなこんなでもらった給金で、ダナイは宿に初めて泊まったときから気になっていたランタンを購入した。そのランタンは魔道具販売店で取り扱っており、店には他にも日本で言うところの電化製品のようなものがたくさん並んでいた。ダナイがそれらに興味を持ったことは言うまでもない。
色々と目移りしたが、当初の予定通りランタンにした。値段もそれほど高くはなかったし、暗闇を照らす道具は今後もお世話になると思ったからだ。
部屋に戻ったダナイはさっそくそれを分解してみた。分解用の道具は鍛冶仕事でも使っていたため、自分用の道具をすでに持っていた。逸る気持ちを抑えて慎重に分解していった。
「何だこりゃ?」
可能な限り分解したところ、土台の上部に迷路のようなものが描かれた金属製の板が張り付いていることに気がついた。土台の部分に何か秘密があることを確信したダナイは、さらに慎重な手つきで土台部分を分解した。
土台の中には魔石と細い針金が入っていた。針金はどうやら銅のようなものでできていた。これは電気を流すための銅線に違いないとダナイは理解した。
「魔石が電池の役割を果たしているみたいだな。ちょっと調べてみるか」
ダナイは『ワールドマニュアル(門外不出)』を使って魔石について調べた。その結果、魔石は魔力が結晶化したものであることが分かった。ついでに板に描かれていた迷路について調べると、どうやらそれは魔方陣と呼ばれる魔法を発動させるための回路であることが分かった。
「なるほど、色んな魔方陣があるみたいだな。これで魔法が使えない人でも魔法に似たようなことができるようになっているのか」
そう言えば師匠もライターみたいなので火をつけていたな。あれも魔道具だったのか。それじゃ、夜の道を照らしている街灯も魔道具か。そりゃ、魔石がいくらでも売れるわけだ。ダナイは一人納得していた。
ランタンの魔道具に使われていた魔方陣は魔力が流れると光を発生させる魔方陣だった。摘まみの部分は魔力の流れを通したり、遮断したりすることでスイッチの役目を果たしていた。
中身は意外と簡単な構造をしているな、とダナイは思った。元いた世界ではもっと優れた電化製品が数多くあった。これくらいなら自分でも作れるのではないだろうか?
「俺も何か作ってみたいな」
見た感じでは今持っている自分の道具でも作れそうな感じであった。板金の技術を使えば、入れ物を作るのはそれほど難しくはないはずだ。
ううむ、と悩んだ挙げ句、もう一度魔道具を売っている店を訪ねてみることにした。商品を見ることで何かヒントが得られるかも知れない。ほんの軽い気持ちでダナイは店へと向かった。
「改めて見ると、なかなか面白いものがあるな。これは風が出る魔道具か。これがあれば、ふいごで風を送る手間が省けそうだ。工房に備え付ければ作業が捗るぞ。こっちはライターだな。師匠が持っているのと似ているな。良く見ると、ちょっと大きすぎるような気が……」
ダナイはその後もブツブツと独り言をいいながらくまなく見て回った。その結果、あまり複雑な構造をしたものがないことと、どれもサイズが少しばかり大きいことが分かった。
「小さくなればもっと便利なのにな。なんで小型化を検討しないのかな?」
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