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魔族襲来②
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例の魔族が目の前を通り過ぎてゆく。どうやら、商人に化けているようだ。
「あの商人はどなたですか?」
「はい、あちらの御方は、今巷で大変有名な仕立て屋のオーナーでございます。もう何年も前からこの城に出入りしております」
クリスティアナ様お付きの使用人がすぐに答えた。なるほど、実在する人物に化けているのか。それとも中身が入れ替わっているのかな?
「シリウス様、もしかしてあちらの方が・・・?」
「ええ、そうですね。魔族のようです。少し様子を見ていた方が良さそうですね」
今のところ、特に何かしらの行動を起こすつもりはないようであり、なに食わぬ顔で悠々と城の中を歩いていた。
「先制攻撃した方が早くない?」
武闘派?のフェオが何でさっさとやらないのか?といった面持ちで聞いてきた。
「あの商人が本物かどうかを知りたいから、ちょっと待って欲しい。操られているだけだったり、中身が入れ替わっただけだったりしたら、あの商人を殺してしまうことになってしまうだろう?」
「え?シリウスはすっごい貴族なんだよね?平民を殺しちゃっても、メンゴメンゴ、で済むんじゃないの?」
フェオが気楽な感じに聞いてきた。確かにそうなのかもしれない。しかし、である。
「人を殺すことなんてするべきことではないよ。もちろん人だけでなく動物や植物なんかもね。必要以上に命を奪うのは誉められた行為ではないと俺は思うよ」
納得したのかどうかは分からなかったが、フェオは、ふ~ん、と言ったきり、それ以上は何も追及してこなかった。それを聞いたクリスティアナ様は肯定とも否定ともとれない複雑な表情をしていた。言っていることは分かるが、大きな脅威を未然に取り払うことができるのならば、それもやむ無し、と思っているのかもしれない。
そうこうしていると、城の関係者がやってきて、あの商人が本物かどうかの裏を取ってきてくれることになった。俺達には引き続き監視をしてもらいたいとのことだった。
魔族に対抗できるのは妖精と聖剣持ちの俺が適任であるとの判断だろう。クリスティアナ様は「二人の傍から離れるように」と再三説得されていたが、頑として首を縦に振らなかった。
魔族はこの城に妖精がいることを知っていたのであろう。俺達が視界に入るとバレないようにチラチラとこちらを確認していた。まあ、こちらはガッツリと監視していたのでバレバレだったのだが。
魔族はそれでもウロウロと城の中を歩き回っていた。誰に会う訳でもなく、どこかに目的地があるわけでもなく。
おそらく聖剣を探しているのだろう。どんな方法を使っているのかは分からなかったが、時々チラリと魔族は自分の手元に視線を送っていた。手に何かマジックアイテムでも持っているのだろうか?透明マントを持っていたくらいだ。聖剣を探すアイテムを持っていてもおかしくない。
だとすると、俺が聖剣を持っていることもバレバレなはずなのだが、その事には気がついてない様子だった。
え?何?俺が聖剣を復活させた時に全く別の聖剣に生まれ変わったので、前と同じ波長で探しても見つかるはずが無い?魔族がチラチラ見ているあれは、聖剣の波長を探知するアイテムなのか。聖剣が必要になった時にすぐに聖剣を見つけることができるように、人族側の誰かが苦心して作ったのかな?聖剣は切り札のようなものだからね。いざというときに「どこにあるか分かりません」じゃあ困るもんね。
聖剣の腕輪を撫でながら会話していると、それを見たフェオが近くにやってきて、撫でて欲しそうに頭を差し出してきた。
フェオの頭を撫でていると、今度はクリスティアナ様も同じようにやってきたので一緒に撫でておく。後で拗ねられると怖い、いや、困るからね。
「このまま手をこまねいて見ていることしかできないなんて、何だか心が痛いですわ。何か打つ手はないのですか?」
「無いこともないのですが・・・」
チラリと魔族を見る。
「ん?シリウス、今、何かやったでしょ」
フェオの言葉に、え?とクリスティアナ様がこちらを振り返る。
「さすがはフェオ。可愛くて、賢くて、美しくて、優秀だな」
そう言いながらフェオを撫でた。
「えへへ・・・って、何誤魔化そうとしてるのよ!流されないぞ!」
チッ、バレたか。感のいい子だ。嫌いじゃないよ。
「あいつが簡単に逃げられないように、魔法の鎖で繋いでおいたんだよ。これならあいつが何か行動を起こした時に確実に討伐できるからね」
古の物語では、どの物語でも最後は魔族を討伐している。きっと話し合いなど不可能な存在なのだろう。自分以外の存在を否定し、その圧倒的な力を持って他を滅ぼすのが魔族だ。魔王はそんな魔族を束ねることができる存在。世界を滅ぼす存在なのだ。
「い、いつの間に・・・鎖なんてどこにも見えませんわよ?」
「ええ、見えないように細工したのですよ。これなら自分がすでに捕まっていることにも気づかれないでしょう?」
お茶目っ気を装って、ウインクしてみた。
効果があったのかは分からないが、クリスティアナ様は顔を赤くしたり青くしたりを繰り返していた。フェオは目を細めて呆れた様子でこちらを見ていた。
「ほんと、シリウスって何でも簡単にやるよね・・・」
その時、バタバタと城の兵士が俺たちの傍までやってきた。
「報告します。例の商人は今現在自分の店にいることが確認できました。そちらの動きも監視しております」
「ありがとう。ならばあれは完全な偽者ということですね。それならば遠慮することもないかな?これから奴を訓練所の方に誘導します。訓練所の人達に一応避難しておくように言っておいてくれませんか?」
一瞬困惑の表情を浮かべたが、直ぐに了承して駆け足で去って行った。
言っておいてなんだけど、俺の指示って通るのかな?一応、ただの子供なんだけど・・・。
そんなことを思い浮かべていると、やる気に満ちたフェオが急かしてきた。
「シリウス早く~!あいつを聖域結界の張られた訓練所に連れて行こうよ~」
さすがフェオ、なぜ訓練所を選んだのかをよく理解している。
「そうでしたわね、あそこにはシリウス様が聖域結界を張っていたのでしたね!」
パンっとクリスティアナ様が手を叩いた。
そう。訓練所には強固な聖域結界が張ってあり、城の中では戦うにはうってつけの場所なのだ。
「それでは魔族を誘き出します。危険ですから、クリスティアナ様は安全な場所に避難しておいて下さい」
「嫌ですわ」
即答だった。いや、若干食い気味に否定してきた。
「ですが」
「ですがもヘチマもありませんわ。絶対にシリウス様について行きますわ」
クリスティアナ様は絶対に譲らないぞとこちらを睨んだ。
先に根負けしたのはこちらだった。
「分かりました。ですが、必ず私の言うことを聞いてもらいますよ」
「分かりましたわ。シリウス様の言うことを何でも聞きますわ」
ん?今、何でも言うことを聞くって言った?
「あ~!シリウスがまた何かいやらしいこと考えてる顔してる~」
「バカヤロウ」
何て鋭い奴だ。せっかくのプランが台無しだ。
「シリウス様・・・?」
「いや、ないからね!?そんなこと考えてないからね?」
「そんなことってどんなこと~?」
「・・・」
コイツ、分かってて言ってるな。後でお仕置きだ。
「コホン。えー、それでは今回の作戦ですがー」
「あー!誤魔化そうとしてるー!」
「やかましいわ!」
「あの商人はどなたですか?」
「はい、あちらの御方は、今巷で大変有名な仕立て屋のオーナーでございます。もう何年も前からこの城に出入りしております」
クリスティアナ様お付きの使用人がすぐに答えた。なるほど、実在する人物に化けているのか。それとも中身が入れ替わっているのかな?
「シリウス様、もしかしてあちらの方が・・・?」
「ええ、そうですね。魔族のようです。少し様子を見ていた方が良さそうですね」
今のところ、特に何かしらの行動を起こすつもりはないようであり、なに食わぬ顔で悠々と城の中を歩いていた。
「先制攻撃した方が早くない?」
武闘派?のフェオが何でさっさとやらないのか?といった面持ちで聞いてきた。
「あの商人が本物かどうかを知りたいから、ちょっと待って欲しい。操られているだけだったり、中身が入れ替わっただけだったりしたら、あの商人を殺してしまうことになってしまうだろう?」
「え?シリウスはすっごい貴族なんだよね?平民を殺しちゃっても、メンゴメンゴ、で済むんじゃないの?」
フェオが気楽な感じに聞いてきた。確かにそうなのかもしれない。しかし、である。
「人を殺すことなんてするべきことではないよ。もちろん人だけでなく動物や植物なんかもね。必要以上に命を奪うのは誉められた行為ではないと俺は思うよ」
納得したのかどうかは分からなかったが、フェオは、ふ~ん、と言ったきり、それ以上は何も追及してこなかった。それを聞いたクリスティアナ様は肯定とも否定ともとれない複雑な表情をしていた。言っていることは分かるが、大きな脅威を未然に取り払うことができるのならば、それもやむ無し、と思っているのかもしれない。
そうこうしていると、城の関係者がやってきて、あの商人が本物かどうかの裏を取ってきてくれることになった。俺達には引き続き監視をしてもらいたいとのことだった。
魔族に対抗できるのは妖精と聖剣持ちの俺が適任であるとの判断だろう。クリスティアナ様は「二人の傍から離れるように」と再三説得されていたが、頑として首を縦に振らなかった。
魔族はこの城に妖精がいることを知っていたのであろう。俺達が視界に入るとバレないようにチラチラとこちらを確認していた。まあ、こちらはガッツリと監視していたのでバレバレだったのだが。
魔族はそれでもウロウロと城の中を歩き回っていた。誰に会う訳でもなく、どこかに目的地があるわけでもなく。
おそらく聖剣を探しているのだろう。どんな方法を使っているのかは分からなかったが、時々チラリと魔族は自分の手元に視線を送っていた。手に何かマジックアイテムでも持っているのだろうか?透明マントを持っていたくらいだ。聖剣を探すアイテムを持っていてもおかしくない。
だとすると、俺が聖剣を持っていることもバレバレなはずなのだが、その事には気がついてない様子だった。
え?何?俺が聖剣を復活させた時に全く別の聖剣に生まれ変わったので、前と同じ波長で探しても見つかるはずが無い?魔族がチラチラ見ているあれは、聖剣の波長を探知するアイテムなのか。聖剣が必要になった時にすぐに聖剣を見つけることができるように、人族側の誰かが苦心して作ったのかな?聖剣は切り札のようなものだからね。いざというときに「どこにあるか分かりません」じゃあ困るもんね。
聖剣の腕輪を撫でながら会話していると、それを見たフェオが近くにやってきて、撫でて欲しそうに頭を差し出してきた。
フェオの頭を撫でていると、今度はクリスティアナ様も同じようにやってきたので一緒に撫でておく。後で拗ねられると怖い、いや、困るからね。
「このまま手をこまねいて見ていることしかできないなんて、何だか心が痛いですわ。何か打つ手はないのですか?」
「無いこともないのですが・・・」
チラリと魔族を見る。
「ん?シリウス、今、何かやったでしょ」
フェオの言葉に、え?とクリスティアナ様がこちらを振り返る。
「さすがはフェオ。可愛くて、賢くて、美しくて、優秀だな」
そう言いながらフェオを撫でた。
「えへへ・・・って、何誤魔化そうとしてるのよ!流されないぞ!」
チッ、バレたか。感のいい子だ。嫌いじゃないよ。
「あいつが簡単に逃げられないように、魔法の鎖で繋いでおいたんだよ。これならあいつが何か行動を起こした時に確実に討伐できるからね」
古の物語では、どの物語でも最後は魔族を討伐している。きっと話し合いなど不可能な存在なのだろう。自分以外の存在を否定し、その圧倒的な力を持って他を滅ぼすのが魔族だ。魔王はそんな魔族を束ねることができる存在。世界を滅ぼす存在なのだ。
「い、いつの間に・・・鎖なんてどこにも見えませんわよ?」
「ええ、見えないように細工したのですよ。これなら自分がすでに捕まっていることにも気づかれないでしょう?」
お茶目っ気を装って、ウインクしてみた。
効果があったのかは分からないが、クリスティアナ様は顔を赤くしたり青くしたりを繰り返していた。フェオは目を細めて呆れた様子でこちらを見ていた。
「ほんと、シリウスって何でも簡単にやるよね・・・」
その時、バタバタと城の兵士が俺たちの傍までやってきた。
「報告します。例の商人は今現在自分の店にいることが確認できました。そちらの動きも監視しております」
「ありがとう。ならばあれは完全な偽者ということですね。それならば遠慮することもないかな?これから奴を訓練所の方に誘導します。訓練所の人達に一応避難しておくように言っておいてくれませんか?」
一瞬困惑の表情を浮かべたが、直ぐに了承して駆け足で去って行った。
言っておいてなんだけど、俺の指示って通るのかな?一応、ただの子供なんだけど・・・。
そんなことを思い浮かべていると、やる気に満ちたフェオが急かしてきた。
「シリウス早く~!あいつを聖域結界の張られた訓練所に連れて行こうよ~」
さすがフェオ、なぜ訓練所を選んだのかをよく理解している。
「そうでしたわね、あそこにはシリウス様が聖域結界を張っていたのでしたね!」
パンっとクリスティアナ様が手を叩いた。
そう。訓練所には強固な聖域結界が張ってあり、城の中では戦うにはうってつけの場所なのだ。
「それでは魔族を誘き出します。危険ですから、クリスティアナ様は安全な場所に避難しておいて下さい」
「嫌ですわ」
即答だった。いや、若干食い気味に否定してきた。
「ですが」
「ですがもヘチマもありませんわ。絶対にシリウス様について行きますわ」
クリスティアナ様は絶対に譲らないぞとこちらを睨んだ。
先に根負けしたのはこちらだった。
「分かりました。ですが、必ず私の言うことを聞いてもらいますよ」
「分かりましたわ。シリウス様の言うことを何でも聞きますわ」
ん?今、何でも言うことを聞くって言った?
「あ~!シリウスがまた何かいやらしいこと考えてる顔してる~」
「バカヤロウ」
何て鋭い奴だ。せっかくのプランが台無しだ。
「シリウス様・・・?」
「いや、ないからね!?そんなこと考えてないからね?」
「そんなことってどんなこと~?」
「・・・」
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「やかましいわ!」
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