8 / 48
神童イザベラ
しおりを挟む
あー、退屈だわ。せっかく自由に動けるようになったのに、やりたいことができないなんて。こんなにつらいことはないわ。
高速ハイハイはできるようになったけど、基本的にこの部屋の外には出させてもらえないのよね。ドアノブまでは……立ち上がれば何とかなるかしら? でも、いつも私を監視するように使用人がいるのよね。それもメッチャ美人の使用人が。
もしかして、この世界の住人はみんな美男美女ばかりなんじゃないのかしら? そんな疑問が浮かんできたわ。ひょっとして私の容姿は、四天王最弱クラスの世の中にありふれた容姿なのかも知れない。おお怖い、怖い。
トントン、と扉をノックする音が聞こえる。この高さはルークお兄様ね! 待ってました! 私の貴重な情報源。ルークはあれ以来、魔法関連の物語を読み聞かせてくれるのよね。お陰でこの世界の文字が読めるかどうかの判断もすることができたわ。
その結果、問題なく文字も理解することができたわ。これはひょっとして、誰も読むことができない古代文字なんかも読めるようになっているかも知れないわ。いつか試してみたいわね。
もちろん、指先さえ自由に動けば文字も書けるはずよ。でもいまは……自分、不器用ですから。
使用人が扉を開けると、そこにはやはりルークが立っていた。満面の笑みを浮かべているわ。いつもながらまぶしいわね。「翼が折れた漆黒の堕天使」の面影はもうゼロよ。それでもまだワンチャンス……あったらいいなぁ。
「イザベラ、今日はこの二冊の絵本を持ってきたんだ。どっちの絵本を読んで欲しいかな?」
ルークは私の目の前に二冊の本を掲げた。いつもはすぐに私を膝に抱えた状態になるのだが、一体どういう風の吹き回しだろうか。もしかしてあれか? 正面から私の顔を見たい、とかいうそんな感じなのかな。まあいいや。
片方は「初めて使う魔法」と書かれた本。表紙にはタイトルと著者名が入っているだけのシンプルなものになっており、中央に「一」の数字が書いてある。これはおそらく、この本が一巻であることを示しているのだろう。
となれば、この先、二巻、三巻も登場することになるのかしら? うひひ。
もう片方は白雪姫モドキの絵本だ。表紙には可愛らしいお姫様の絵と、動物たちの絵が描かれている。子供が好きそうな表紙だ。
この世界にも似たような話があることに驚きだ。どうやら女神様は私が元いた世界を参考にしてこの世界を作ったみたいだった。そのため、他にも類似点は非常に多かった。
いま一番興味があるのは魔法だ。早く使ってみたい。私は迷わず魔法の本を選んだ。
そんな私の様子を見て、ルークはニヤリと笑った。
やだ、何その感じ。まるで堕天使だわ。もしかして、私が何もしなくても闇の波動に目覚めちゃったのかしら!? ブラボー!
「やっぱりこっちの魔法の本を選んだね。イザベラは僕が言っていることを理解できるみたいだね。ひょっとして文字も読めるのかい?」
……謀ったなルーク! いつの間にそんな悪知恵を身につけたんだー! オーマイガッ!
これはひょっとしなくてもまずいのではなかろうか。ここでごまかさなければ変な疑いがかけられてしまう。神童扱いされるのは非常に困る。私はお馬鹿なわがまま令嬢でいなければならんのだ。
私はにへらと笑って首をかしげてごまかした。
こうか~? こうがええんやろ~? 君の性癖は既に把握しているのだよ。分かっているのかルーク・ランドール!
「う?」
コテン。それを見たルークから、ゆっくりと手が伸びてきた。顔がだらしなくゆがんでおり、口元がはわはわと波打っている。
勝った! 私は思わずニヤリと笑った。
でもこれはこれで、別の意味でまずいのではないだろうか?
そのことに気がつき、急激にクールダウンした私。そんな若干引き気味の私を捕まえたルークは、頭とほほをなでまくってきた。ルークがこれ以上のシスコンにならないことを私は願った。
でも……これはもうダメかも分からんね。
****
一方そのころ――。
天界で一人の人物が下界をのぞいていた。まるで少女のようなその姿は、見る人によってその姿を変えた。女神のようにも見えれば、悪魔のようにも見える。バケモノにも、小動物にもその姿を自由に変化させることができた。
彼女がのぞいていたのは、下界を映すことができる大きな湖。水面は波一つなく穏やかであり、静に下界を映し出していた。
「一体どういうことなのよ!」
辺りに大きな声が響いた。この場所には彼女しかいない。いくら大きな声を出しても誰からも文句を言われることはなかった。
「イザベラの母親は出産と同時に死ぬはずよ。なのに何で生きているの!? それにあんなに元気になって!」
どうやら想定外のことが起こったらしい。それも、とんでもない事件が起こっているようである。それが、声の大きさからも分かった。
「あああ、何でイザベラとルークがイチャついているのよ。母を奪ったイザベラを逆恨みして険悪な関係になるはずでしょうが! 公爵は!? ああ、こっちは大丈夫そうね。イザベラへの溺愛っぷりは変わらないみたいだわ。このままイザベラに貢いで貢いで、貢ぎまくって公爵家の財政を破綻させてもらわなくっちゃいけないからね。大丈夫、まだ始まったばかり。まだ焦る時間ではないわ。それにしても、あの子は一体どういうつもりなのよ!」
バシャン!
少女は思わず、静かな水面を手で打った。
瞬く間に水面に波紋が広がってゆく。しまった! と顔をしかめたがもう遅い。
湖の水面はにわかにさざめき下界を映さなくなった。
再び下界を映すまでにはしばらくの時間がかかることになるだろう。
高速ハイハイはできるようになったけど、基本的にこの部屋の外には出させてもらえないのよね。ドアノブまでは……立ち上がれば何とかなるかしら? でも、いつも私を監視するように使用人がいるのよね。それもメッチャ美人の使用人が。
もしかして、この世界の住人はみんな美男美女ばかりなんじゃないのかしら? そんな疑問が浮かんできたわ。ひょっとして私の容姿は、四天王最弱クラスの世の中にありふれた容姿なのかも知れない。おお怖い、怖い。
トントン、と扉をノックする音が聞こえる。この高さはルークお兄様ね! 待ってました! 私の貴重な情報源。ルークはあれ以来、魔法関連の物語を読み聞かせてくれるのよね。お陰でこの世界の文字が読めるかどうかの判断もすることができたわ。
その結果、問題なく文字も理解することができたわ。これはひょっとして、誰も読むことができない古代文字なんかも読めるようになっているかも知れないわ。いつか試してみたいわね。
もちろん、指先さえ自由に動けば文字も書けるはずよ。でもいまは……自分、不器用ですから。
使用人が扉を開けると、そこにはやはりルークが立っていた。満面の笑みを浮かべているわ。いつもながらまぶしいわね。「翼が折れた漆黒の堕天使」の面影はもうゼロよ。それでもまだワンチャンス……あったらいいなぁ。
「イザベラ、今日はこの二冊の絵本を持ってきたんだ。どっちの絵本を読んで欲しいかな?」
ルークは私の目の前に二冊の本を掲げた。いつもはすぐに私を膝に抱えた状態になるのだが、一体どういう風の吹き回しだろうか。もしかしてあれか? 正面から私の顔を見たい、とかいうそんな感じなのかな。まあいいや。
片方は「初めて使う魔法」と書かれた本。表紙にはタイトルと著者名が入っているだけのシンプルなものになっており、中央に「一」の数字が書いてある。これはおそらく、この本が一巻であることを示しているのだろう。
となれば、この先、二巻、三巻も登場することになるのかしら? うひひ。
もう片方は白雪姫モドキの絵本だ。表紙には可愛らしいお姫様の絵と、動物たちの絵が描かれている。子供が好きそうな表紙だ。
この世界にも似たような話があることに驚きだ。どうやら女神様は私が元いた世界を参考にしてこの世界を作ったみたいだった。そのため、他にも類似点は非常に多かった。
いま一番興味があるのは魔法だ。早く使ってみたい。私は迷わず魔法の本を選んだ。
そんな私の様子を見て、ルークはニヤリと笑った。
やだ、何その感じ。まるで堕天使だわ。もしかして、私が何もしなくても闇の波動に目覚めちゃったのかしら!? ブラボー!
「やっぱりこっちの魔法の本を選んだね。イザベラは僕が言っていることを理解できるみたいだね。ひょっとして文字も読めるのかい?」
……謀ったなルーク! いつの間にそんな悪知恵を身につけたんだー! オーマイガッ!
これはひょっとしなくてもまずいのではなかろうか。ここでごまかさなければ変な疑いがかけられてしまう。神童扱いされるのは非常に困る。私はお馬鹿なわがまま令嬢でいなければならんのだ。
私はにへらと笑って首をかしげてごまかした。
こうか~? こうがええんやろ~? 君の性癖は既に把握しているのだよ。分かっているのかルーク・ランドール!
「う?」
コテン。それを見たルークから、ゆっくりと手が伸びてきた。顔がだらしなくゆがんでおり、口元がはわはわと波打っている。
勝った! 私は思わずニヤリと笑った。
でもこれはこれで、別の意味でまずいのではないだろうか?
そのことに気がつき、急激にクールダウンした私。そんな若干引き気味の私を捕まえたルークは、頭とほほをなでまくってきた。ルークがこれ以上のシスコンにならないことを私は願った。
でも……これはもうダメかも分からんね。
****
一方そのころ――。
天界で一人の人物が下界をのぞいていた。まるで少女のようなその姿は、見る人によってその姿を変えた。女神のようにも見えれば、悪魔のようにも見える。バケモノにも、小動物にもその姿を自由に変化させることができた。
彼女がのぞいていたのは、下界を映すことができる大きな湖。水面は波一つなく穏やかであり、静に下界を映し出していた。
「一体どういうことなのよ!」
辺りに大きな声が響いた。この場所には彼女しかいない。いくら大きな声を出しても誰からも文句を言われることはなかった。
「イザベラの母親は出産と同時に死ぬはずよ。なのに何で生きているの!? それにあんなに元気になって!」
どうやら想定外のことが起こったらしい。それも、とんでもない事件が起こっているようである。それが、声の大きさからも分かった。
「あああ、何でイザベラとルークがイチャついているのよ。母を奪ったイザベラを逆恨みして険悪な関係になるはずでしょうが! 公爵は!? ああ、こっちは大丈夫そうね。イザベラへの溺愛っぷりは変わらないみたいだわ。このままイザベラに貢いで貢いで、貢ぎまくって公爵家の財政を破綻させてもらわなくっちゃいけないからね。大丈夫、まだ始まったばかり。まだ焦る時間ではないわ。それにしても、あの子は一体どういうつもりなのよ!」
バシャン!
少女は思わず、静かな水面を手で打った。
瞬く間に水面に波紋が広がってゆく。しまった! と顔をしかめたがもう遅い。
湖の水面はにわかにさざめき下界を映さなくなった。
再び下界を映すまでにはしばらくの時間がかかることになるだろう。
10
あなたにおすすめの小説
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
異世界転生した私は甘味のものがないことを知り前世の記憶をフル活用したら、甘味長者になっていた~悪役令嬢なんて知りません(嘘)~
詩河とんぼ
恋愛
とあるゲームの病弱悪役令嬢に異世界転生した甘味大好きな私。しかし、転生した世界には甘味のものないことを知る―――ないなら、作ろう!と考え、この世界の人に食べてもらうと大好評で――気づけば甘味長者になっていた!?
小説家になろう様でも投稿させていただいております
8月29日 HOT女性向けランキングで10位、恋愛で49位、全体で74位
8月30日 HOT女性向けランキングで6位、恋愛で24位、全体で26位
8月31日 HOT女性向けランキングで4位、恋愛で20位、全体で23位
に……凄すぎてびっくりしてます!ありがとうございますm(_ _)m
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
竜帝に捨てられ病気で死んで転生したのに、生まれ変わっても竜帝に気に入られそうです
みゅー
恋愛
シーディは前世の記憶を持っていた。前世では奉公に出された家で竜帝に気に入られ寵姫となるが、竜帝は豪族と婚約すると噂され同時にシーディの部屋へ通うことが減っていった。そんな時に病気になり、シーディは後宮を出ると一人寂しく息を引き取った。
時は流れ、シーディはある村外れの貧しいながらも優しい両親の元に生まれ変わっていた。そんなある日村に竜帝が訪れ、竜帝に見つかるがシーディの生まれ変わりだと気づかれずにすむ。
数日後、運命の乙女を探すためにの同じ年、同じ日に生まれた数人の乙女たちが後宮に召集され、シーディも後宮に呼ばれてしまう。
自分が運命の乙女ではないとわかっているシーディは、とにかく何事もなく村へ帰ることだけを目標に過ごすが……。
はたして本当にシーディは運命の乙女ではないのか、今度の人生で幸せをつかむことができるのか。
短編:竜帝の花嫁 誰にも愛されずに死んだと思ってたのに、生まれ変わったら溺愛されてました
を長編にしたものです。
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる