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12 ごめんね……
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過度な誤解が解けてからというもの、ボウウ様とは随分打ち解けてきた。これが、「お友だち」なら、最高なんだけど。
☆(ゝω・)vキャピな格好は、あれから全くしていないし、あざとかわいい言動もやめて一線を引いたまま彼と会っていたたのに、ボウウ様は私と一日も早く結婚したいなんて毎回言う。
なんなら、ひざの上に乗せてごはんを食べさせようとかするし、ちょっとした私の変化も見逃さない彼の細やかな立ち振舞いは、まさに、理想の彼氏と言っていいだろう。
これ、どこのヒロイン? みたいな溺愛っぷり、口から砂糖がでそうなほどの甘い雰囲気、そしてイケメンの破壊力にやられそうになるのを必死にこらえた。
そして、今日は聖女様と会う日だ。なんと、王宮や殿下の宮だと目立つから、こちらの家に来るという。
なので、我が家は朝から、皆大忙しだった。
なんとか、失礼のないように準備が整った頃、聖女様がやってきた。なんと、ヌケドメ殿下や、サブヒーローのヒカケ様まで。
「すみません。気を遣わせないように、こっそりここにひとりで来ようとしたんですが、見つかってしまって。いらないって言ったんですけど……」
きゅるるんと、真のアイドルさながら、聖女様が頭を下げた。女の私でも、「か、かわいー。タンシたんLOVE」の大きなうちわを振り回したくなるほどのヒロイン力。
殿下たち襲来、いや、来訪なんて聞いていなかったから、皆顔を真っ青にした。粗相があったら、どうしようかと内心ガクブルみたい。
「こちらが突然来たのだ。新たな準備など必要ないし、気楽にしてくれ」
メインヒーローのヌケドメ様が、タンシ聖女様とともに、私達にそう言ってくれた。
「そもそも、殿下たちがいきなりついてきたのが悪いんですからね。えっと、そうは言っても、大変ですよね。本当にごめんなさい」
殿下の言葉よりも、聖女様の声のほうが、皆の恐縮に恐縮を重ねた心に響いたみたい。
「応接室には大きなテーブルとソファがあるから、そのままでいいわ。ただ、お茶とお菓子の追加をよろしくね」
両親は、領地にいて不在だ。私はボウウ様と共に三人を連れて応接室に向かった。今ほどボウウ様がいて良かったと思える瞬間はないだろう。
「改めまして、タンシ・アースターミナルです。同学年でしたけれど、初対面ですよね。なのに、大切なしおりを許可もなく預からせてもらっていて、ごめんなさい」
「いえ、そんな。私が作ったものですし、お気に召されたのならさしあげましたのに」
「キヨク様がお作りになられたのですか? まさかと思ったけど……」
ソファに着席して、一呼吸おいた頃、殿下とぴったり真横に座っている聖女様が、頭をさげてしおりを渡してきた。しおりは、高価な宝石が入るような箱に厳重に入れられていて、そんな大したものじゃないのにとびっくりした。
それから、聖女様が、私とふたりきりになりたいと、殿下に甘えた。いくら私がボウウ様の婚約者でも、これまで話したこともない人物と、聖女様をふたりきりにはできないと渋られたけれど、好きになったもん負け。男性陣は部屋から出ていった。
「ふぅ。つっかれたー。時々遊ぶくらいならともかく、ドレスとか人々に囲まれるとか勘弁してほしいわ。たまにはのんびりしたいわよね、清玖」
私は、殿下とのハピエンを果たした聖女様なら、他のキャラとは比べ物にならないくらい、毎日朝から晩まで大忙しの毎日なんだろうなとうんうん頷いた。
「ええ、そうですわね」
「たまには、ひとりっきりで部屋にこもりたって、PCゲームざんまいしたいわよねぇ、清玖」
「あ、わかります。って、え?」
この世界には、ゲームはあってもそれはPCやテレビ、スマホアプリではない。なぜなら、魔法が発達したこの世界に、そういうものがないからだ。
「しおりの朝顔と風鈴を見た時、もしかしたら私と同じように転生している人がいるかもって思っていたの。作った人は、案外すぐわかったんだけどさ。私もタンシって名前だし、清玖はキヨクって名前だからカマかけてみたら、まさか、ひきこもりの清玖だったとはね」
「……まさか、短詩? 短詩なの? あんたもあの時にこっちに?」
「そうよ。マジびっくりしたんだから。あ、でも。私はずいぶんあとからよ。私は、あんたがとっさに突き飛ばしてくれたおかげで助かったの。あんたが事故に巻き込まれてから、2年後くらいかな」
「そうだったんだ……あ、ケガは? 痛い思いはしなかった? お父さんたちは?」
「お父さんもお母さんも、そりゃもう悲しみのどん底よ。私だって、いくらあんたがウザくても、死んで欲しいなんて本気で思ったことなんてないわ。特にお父さんは、俺が追い出したからだってものすごく泣いて」
「え? あのお父さんが?」
前世の父は、穏やかで優しい人だ。追い出された時は、私が父をそれほど追い詰めてしまったからだと思う。
「……私が、ひきこもってなきゃ……」
「ほんとそれ。あんたが、ちゃんと、正社員じゃなくても定期的にバイトしてりゃ良かったんだよ」
「うん……」
ほんと、前世の私は、なんて親不孝者だったんだろう。短詩にしても、私には言わないだろうけど、きっと悲しませた。
「ごめんね……」
「んでも、私もさ、お姉ちゃんを馬鹿にしてたし。あれが、余計ひきこもらせちゃったのかもって反省した。私があんなふうに、言ったりしてなかったら、あの時にお姉ちゃんが追い出されるなんてことなかったかなって。ごめん。でもさ、あれはさ、事故だったんよ」
「……」
「あのママチャリが、左を走っていて、一時停止をしっかりしていたら、事故なんて起きなかったんだからさ。しかもさー、無保険な上に、清玖が死んじゃったから、損害賠償とかがすごいことになったのよ。そしたら、こっちが悪いみたいにいい出して。お父さんは、相手の女性に殴りかかろうとするし、ほんと、最悪だったんだよ」
私は、短詩の説明に、開いた口が閉じれなくなった。
☆(ゝω・)vキャピな格好は、あれから全くしていないし、あざとかわいい言動もやめて一線を引いたまま彼と会っていたたのに、ボウウ様は私と一日も早く結婚したいなんて毎回言う。
なんなら、ひざの上に乗せてごはんを食べさせようとかするし、ちょっとした私の変化も見逃さない彼の細やかな立ち振舞いは、まさに、理想の彼氏と言っていいだろう。
これ、どこのヒロイン? みたいな溺愛っぷり、口から砂糖がでそうなほどの甘い雰囲気、そしてイケメンの破壊力にやられそうになるのを必死にこらえた。
そして、今日は聖女様と会う日だ。なんと、王宮や殿下の宮だと目立つから、こちらの家に来るという。
なので、我が家は朝から、皆大忙しだった。
なんとか、失礼のないように準備が整った頃、聖女様がやってきた。なんと、ヌケドメ殿下や、サブヒーローのヒカケ様まで。
「すみません。気を遣わせないように、こっそりここにひとりで来ようとしたんですが、見つかってしまって。いらないって言ったんですけど……」
きゅるるんと、真のアイドルさながら、聖女様が頭を下げた。女の私でも、「か、かわいー。タンシたんLOVE」の大きなうちわを振り回したくなるほどのヒロイン力。
殿下たち襲来、いや、来訪なんて聞いていなかったから、皆顔を真っ青にした。粗相があったら、どうしようかと内心ガクブルみたい。
「こちらが突然来たのだ。新たな準備など必要ないし、気楽にしてくれ」
メインヒーローのヌケドメ様が、タンシ聖女様とともに、私達にそう言ってくれた。
「そもそも、殿下たちがいきなりついてきたのが悪いんですからね。えっと、そうは言っても、大変ですよね。本当にごめんなさい」
殿下の言葉よりも、聖女様の声のほうが、皆の恐縮に恐縮を重ねた心に響いたみたい。
「応接室には大きなテーブルとソファがあるから、そのままでいいわ。ただ、お茶とお菓子の追加をよろしくね」
両親は、領地にいて不在だ。私はボウウ様と共に三人を連れて応接室に向かった。今ほどボウウ様がいて良かったと思える瞬間はないだろう。
「改めまして、タンシ・アースターミナルです。同学年でしたけれど、初対面ですよね。なのに、大切なしおりを許可もなく預からせてもらっていて、ごめんなさい」
「いえ、そんな。私が作ったものですし、お気に召されたのならさしあげましたのに」
「キヨク様がお作りになられたのですか? まさかと思ったけど……」
ソファに着席して、一呼吸おいた頃、殿下とぴったり真横に座っている聖女様が、頭をさげてしおりを渡してきた。しおりは、高価な宝石が入るような箱に厳重に入れられていて、そんな大したものじゃないのにとびっくりした。
それから、聖女様が、私とふたりきりになりたいと、殿下に甘えた。いくら私がボウウ様の婚約者でも、これまで話したこともない人物と、聖女様をふたりきりにはできないと渋られたけれど、好きになったもん負け。男性陣は部屋から出ていった。
「ふぅ。つっかれたー。時々遊ぶくらいならともかく、ドレスとか人々に囲まれるとか勘弁してほしいわ。たまにはのんびりしたいわよね、清玖」
私は、殿下とのハピエンを果たした聖女様なら、他のキャラとは比べ物にならないくらい、毎日朝から晩まで大忙しの毎日なんだろうなとうんうん頷いた。
「ええ、そうですわね」
「たまには、ひとりっきりで部屋にこもりたって、PCゲームざんまいしたいわよねぇ、清玖」
「あ、わかります。って、え?」
この世界には、ゲームはあってもそれはPCやテレビ、スマホアプリではない。なぜなら、魔法が発達したこの世界に、そういうものがないからだ。
「しおりの朝顔と風鈴を見た時、もしかしたら私と同じように転生している人がいるかもって思っていたの。作った人は、案外すぐわかったんだけどさ。私もタンシって名前だし、清玖はキヨクって名前だからカマかけてみたら、まさか、ひきこもりの清玖だったとはね」
「……まさか、短詩? 短詩なの? あんたもあの時にこっちに?」
「そうよ。マジびっくりしたんだから。あ、でも。私はずいぶんあとからよ。私は、あんたがとっさに突き飛ばしてくれたおかげで助かったの。あんたが事故に巻き込まれてから、2年後くらいかな」
「そうだったんだ……あ、ケガは? 痛い思いはしなかった? お父さんたちは?」
「お父さんもお母さんも、そりゃもう悲しみのどん底よ。私だって、いくらあんたがウザくても、死んで欲しいなんて本気で思ったことなんてないわ。特にお父さんは、俺が追い出したからだってものすごく泣いて」
「え? あのお父さんが?」
前世の父は、穏やかで優しい人だ。追い出された時は、私が父をそれほど追い詰めてしまったからだと思う。
「……私が、ひきこもってなきゃ……」
「ほんとそれ。あんたが、ちゃんと、正社員じゃなくても定期的にバイトしてりゃ良かったんだよ」
「うん……」
ほんと、前世の私は、なんて親不孝者だったんだろう。短詩にしても、私には言わないだろうけど、きっと悲しませた。
「ごめんね……」
「んでも、私もさ、お姉ちゃんを馬鹿にしてたし。あれが、余計ひきこもらせちゃったのかもって反省した。私があんなふうに、言ったりしてなかったら、あの時にお姉ちゃんが追い出されるなんてことなかったかなって。ごめん。でもさ、あれはさ、事故だったんよ」
「……」
「あのママチャリが、左を走っていて、一時停止をしっかりしていたら、事故なんて起きなかったんだからさ。しかもさー、無保険な上に、清玖が死んじゃったから、損害賠償とかがすごいことになったのよ。そしたら、こっちが悪いみたいにいい出して。お父さんは、相手の女性に殴りかかろうとするし、ほんと、最悪だったんだよ」
私は、短詩の説明に、開いた口が閉じれなくなった。
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