【完結】【R18】初恋は甘く、手が届かない? ならば、その果実をもぎ取るだけだ~今宵、俺の上で美しく踊れ

にじくす まさしよ

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今宵、俺の上で美しく踊れ⑥ R18

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 イヴォンヌが痛みで長く息を止めた。痛みというよりも物凄い圧迫感と苦しみが彼女を襲う。下から見上げていたサヴァイヴは、彼女のその姿におろおろとするばかりだった。
 彼女の体内に入ったそこは、気持ちがいいと言うよりも、きつく締め上げられて痛いほど。けれど、その熱とうねるかのような膣の粘膜の柔らかさ、何よりもとうとう彼女と深く交わった事で大きく膨らんだ。

「いたっ! お、っきく、し、ないでぇっ!」

「ヴィ、ヴィー! 大丈夫か?」

「大丈夫、な、わけないでしょ! 小さくしてよっ!」

 顔を真っ赤にしながら、怒ったかのように見下ろして言う彼女の目尻に涙が浮かび、真っ赤にそまった目元が色っぽく、かわいいとさえ感じてしまう。

「む、むりだっ!」

 ともすれば、もっと大きくふくらみそうになるのを堪えていた。動きたくてたまらないけれど、彼女の痛そうな姿にぐっと堪える。

「…………、はぁ、はぁ」

  根元まで入れた彼の熱杭は、彼女の奥深くを無理に押し上げている。初めての彼女にとってはとても負担であるが、お互いに気付かない。ぴったりとくっついたまま、イヴォンヌはサヴァイヴの大きな胸板に頬を寄せるかのように倒れ込んだ。

 すかさず、初夜を自分と共に過ごすために、痛みをこらえて自身を入れてくれた健気で愛しい妻を抱きしめて、慰めるように頭を擦る。徐々に落ち着いて来たのか、彼女の秘壺の中がやわやわと彼を程よく包み始めた。

「ヴィー、ごめん。こんなことさせて……好きだ」
「…………、謝るくらいなら、最初にきちんとしてください」
「ごめん……」

 涙がぽろりと流れ落ちた頬をそっと指でなぞりながら、サヴァイヴはますますイヴォンヌに対してのめり込んでいった。

「……? ヴァイス? なんで大きいままなの? 最期まで入れたのだから、これで終わりで、小さくなって、あとは眠るのでしょう?」

 いつまで経っても張り詰めた大きさを保つ夫に、初々しい妻が真剣に問う。

「……」

 なんとなく、どういう閨教育を受けたのかを察したサヴァイヴはどうしようと悩んだ。動きたい、動きたくてたまらないし、奥に吐き出して自分の物だと刻み付けたい。しかし、破瓜をしたばかりの彼女にそんな事をしていいものなのだろうか?

「ヴァイス?」

「ヴィー、子種を放たなければ俺のは収まらない……」

 辛うじてそう言うと、イヴォンヌは目を見開いた。

「では、今すぐ放って下さいな」

と、なんとも無茶を言った。かわいくて無垢な妻のおねだりに応えたいが、いくら中が気持ちいいとはいえこの状態では無理だ。

「刺激しないと出ないんだ」

 言葉を選びながらそう応えていくサヴァイヴの言葉に、きょとんとイヴォンヌが見下ろした。

「刺激?」

 どうやってと聞きそうな勢いだ。いっそ、このまま突き上げてしまおうか思いあぐねた。

「あのな、ヴィー。今日は痛いだろう? 刺激を求めるのなら、擦らないとダメなんだ。だから、明日でも、明後日でも。これからはいつだって一緒なのだから、急がずに、痛みが無くなってから俺のを受けてくれないか?」

「擦る……? は?」

 イヴォンヌは、彼の言葉を聞き、想像してみた。擦るというと、今の状態を出し入れしなければならないと、ゆっくり思考が三週ほど回った後、悲鳴を上げそうになった。

「ひ……。そ、そんなの……。今でも痛いのに……、無理よっ!」

「これで道は出来たから、明日からはそう痛まない、はずだ。言ってみれば傷が出来ているという事なのだから、3,4日でほとんど治っていくと思う」

「で、でも。初夜なのだから、夫のを頂かないと終われないのでしょう?」

 情けなく涙がぽろぽろと落ちるイヴォンヌの腰を大きな手で持つと、ゆっくり自身を引き抜いた。互いの股間についた粘液の中に、幾筋かの鮮血が混じっている。

「俺は今日にこだわらないから。そりゃ、俺だって愛するヴィーの中に放ちたい。だけど、それよりも、ヴィーが痛いって泣くほうが嫌だ」

「ヴァイス……」

 イヴォンヌは、挿入前までの怒りを忘れて、彼のそんな優しい言葉を聞き感激した。きゅんっと胸が熱くなる。

「ヴィー、それに、さっき怒っただろ? 俺が慣れてないから痛くさせてごめん」
「……」

 折角の感動が、またもや先ほどの無神経発言を思い出して塗り替えられる。怒ってないと否定はしなかった。まさか、また他の女で練習してくるとでも言うのかと、聞いてもいないのに想像した彼の言葉でふつふつと怒りが沸く。数日後に領地に帰るカッサンドラたちについていって、新婚早々だが家出でもしようかなと考えた。

「俺さ、ヴィーを好きだって気づいてから、ヴィー以外に触れたくなくて。他のやつらみたいに練習してこなかった。したいと思わなかったし。誘われても断ってたんだけど……。でも、やっぱりヴィー以外はいらないんだ」

「ヴァイス……」

「情けないけど、その。だから、俺がヴィーに痛かったり辛かったりさせてしまうかもしれないけど、俺はずっとヴィーだけがいい。こんな情けなくて満足させられないどころか、痛い思いだけをさせてごめん。だけど、俺がこんなんでも怒らないで欲しい。きっと上手になるから」

「ヴァイス……!」

 どうやら、怒った理由を勘違いしているようだが、一番望んでいた事を自ら告白したサヴァイヴにイヴォンヌは感動して上からぎゅっと抱き着いた。

 先ほどまで泣いていたのに、満面の笑顔で抱き着かれ、頬や唇にキスを落とされた。
  サヴァイヴは、何が何やらわけがわからない。それでも、機嫌をなおして幸せそうにしている妻を見て安堵したのだった。


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