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caso─カーソ
「あなた、どうなさったの?」
「カーソ、あの悪魔の子がここに来るんだ。すぐに皆と避難していておくれ」
「そんな。あの子が……でもあなた、あの子だって、私たちと同じ……」
「ああ、君は優しいな。だが、あいつは恐ろしい獣人たちを連れてくるんだ。きっと襲われる。だから、逃げるんだ」
「そんな……あなたは?」
「俺は、悪魔を倒す。心配しなくても、すぐに迎えに行くから安心して待っていてくれ」
「ああ、あなた。どうかご無事で……」
私は、いつものように夫に声をかける。甘えすぎず、出しゃばりすぎず、従順で夫を愛する貞淑な妻。それが、私のイメージだ。子供のころから、妻にするには私のような女がいいとみんなが言っていた。
目の前にいる夫だって、出会ったころは私に夢中だった。指先が触れる、そんなことですら、恥ずかしくて嬉しくてくすぐったくなるような、幸せな若くて淡い恋。
そんな幸せを、ある日あの女が奪った。
※※※※
『ねぇ、カーソ。まーたラブレターをもらったの?』
『ええ。私には好きな方がいるから困っちゃうんだけど……』
『困る困るって、結局はありがとうって笑って受け取るのよねー。好きな人がいるからって、受け取らなければいいのに』
『だって、この手紙を書いて渡すのって、すごく勇気がいったと思うの。それに、お断りしたら恥をかかせるし。だから、突き返すなんて……。でも、これどうしよう……』
『自分で貰ったんだから、自分で返すなり読むなりして結論を出せばいいんじゃない? お断りするなり、いっそ、お付き合いするなり』
『結論……でも私、あの人のことを何も知らないの。だから、決めるなんて……困ったわ……』
『カーソのその気持ち、私にはよくわからないわ。受け取ってもらったら期待しちゃうじゃない。それに、そのあとはっきりお断りもしないから、相手がOKされたと勘違いするのも当然だわ。この間は、思いつめた男の人が付きまとうようになったじゃない。あとで拗れきってから、私に助けを求めるんだから……』
私には、とても美しくて頼れる親友がいた。その子の瞳は、太陽のように自信に満ち溢れてきらきら輝いていて眩しい。胸を張り、まっすぐ前を向く彼女は、私みたいにうじうじしていない。クラスの子たちにも人気者だ。
マインは、ラブレターをもらっても、その気がないからと受け取りもしない。
彼女のいうのも尤もだ、とも思う。だけど、それはそれで相手の立場も考えてないし、好きだという気持ちを簡単に踏みつぶすような酷いことなんだと思う。
そんなだから、男の子たちに、気が強くて、頭の良さを鼻にかける嫌な女だって言われるのだ。本当は、とても思いやりのある優しい子なのに、男の子たちに勘違いされてかわいそうだと思っていた。
私には、密かに慕う方がいた。その方はとても人気者で、私は陰から見つめるだけで心が温まるほど幸せだった。でも切なくて。一目見てもらえれば、声をかけてもらえれば、なんて、大勢の女の子たちの後ろにいる私には到底不可能なことを夢見ていた。
『君、カーソさん。落としましたよ』
でも、奇跡が起こった。あの方が、私を見つけ出して声をかけてきてくれたのだ。しかも、前から気になってたって照れて微笑みながら。落としたハンカチを渡してくれる時、指先が少しだけ触れた。
そのことが切っ掛けで、私はパイ様とお付き合いすることになる。だから、嬉しくてすぐにマインに知らせた。
『え、パイ様と? ……カーソ、あなたが好きなのって彼だったの?』
そういえば、私の気持ちを教えたことはなかった。コクリと頷くと、あの子は、思った通り、まるで自分のことのように喜んでくれた。
『あのね、カーソ。えーと……、パイ様と、お付き合い、してるの? いつから?』
『ええ。ハンカチを拾っていただいて。実はね、彼ったら私の名前を知っていたの。その時に、彼の気持ちを知ったわ。勿論、すぐにオッケーよ。それ以来、デートするようになって。ふふふ、彼ったらとても恥ずかしがりやだから、手に触れるくらいの関係なのだけど』
『手に触れる……』
『今時、珍しく純情な方よね。私としては、もっと発展してもいいのに。でも、それくらい、私のことを大事にしてくれてるのかなって』
浮かれ切っていた私は、いつになく歯切れの悪い彼女に気が付かなかった。そして、パイ様のために作ったクッキーを渡そうと、彼を探していると、ふたりが裏庭で話し込んでいるのを見かけた。
『だから、浮気してるんでしょ? 私言ったわよね。浮気するような男はごめんだって。二股なんて最低。別れましょ』
『ちょっと待て。俺は浮気なんかしてない。それに、どうして、今彼女の名前が出るんだ』
『え? でも、カーソがあなたに告白されて、それから何度もデートしてるって……』
『あれか……一度落としたハンカチを拾ってあげてから、やたらと近づいてくるんだ。君の友達だし、かわいいと思うけどそれだけだ。俺は、俺が好きなのは君だけだ。信じてくれ』
『パイ様……』
ふたりが抱きしめあい、そしてあろうことか目の前でキスをした。それから、どうやって自室に戻ったのか覚えていない。
翌日、ふたりから、ずっと前から付き合っていることを教えられた。
『その、勘違いさせたみたいで。ごめん。でも、俺達来年には結婚するんだ。もうお互いの親族にも紹介している』
『カーソ、あなたがこの人を好きだなんて知らなくて……ごめんなさい』
私は、ふたりが何を言っているのかわからなかった。でも、周囲には誰もいないのに、皆がこっちを見て指をさして、私を嘲笑っているような気がして、ふたりを祝福するしかなかった。
『やだ、そうだったの? 私ったらてっきり。私のほうこそごめんなさい。やだわ、マインったら。私がパイ様を好きなんて、そんな。ほら、皆と同じように、ファンみたいなものだから。それに、本当に好きな人は別にいるの。だから、そんな気にしないで? ね?』
私は、そんな嘘を言ってふたりを安心させた。そうでなければ、私は友達を失うし、パイ様と二度と会えなくなる。そんなこと、耐えられるはずがなかったから。
それからは、心にふたをして、どんどん幸せに向かっていくふたりと笑顔で接した。
私の恋人を、いつの間にか奪って自分のものにしていた彼女がとても憎かった。そんな私を、内心嘲笑っていた彼女の花嫁姿を、心の中で血の涙を流して祝福した。
だというのに、マインはパイ様に似ても似つかない白い髪の女の子を産んだ。
『マイン……。……かわいい女の子ね。ふふふ、抱っこしていい?』
『カーソ、来てくれたのね。あなたは、この子が白い髪なのに、抱っこしてくれるのね。あなただけよ……ありがとう、カーソ』
『白い髪だから、なんだっていうのよ。そんな都市伝説じみたことを信じるなんて、じじばば世代くらいでしょ。今時、ナンセンスだわ。ほら、とってもかわいいじゃない。もう目が開いてるのね。あなたにそっくりな、太陽がそこにあるかのよう。きっと、あなたのように優しい子になるわ』
『カーソ……』
私の恋人を奪った女に、天罰が下ったのだ。そう思った。
マインは、強がって心にもないことを言っていたけれど、あんな白い髪の悪魔、かわいがれるはずがない。案の定、パイ様やご親族全員に、あの女は浮気して作ったんだろうと、白い髪の悪魔を受け入れられることはなかった。
『パイ様……』
『カーソ……俺は……あいつは俺を裏切っていたんだ……』
『そんな、マインに限って、あなたを裏切るだなんて……でも、そういえば、あの子はあの人にも似ているかなって。あ、こんな時にごめんなさい。そんなことないわよね。さっき言ったことは忘れて!』
『カーソ、君は優しいな……。マインとずっと一緒だった君には、心当たりの男がいるんだね。あの子、あの白い子が何よりの証拠さ。きっと、その男との子なんだろう。でも、結婚してから産まれたから、公には俺の子になってしまう。最初から、間違っていた。カーソ、君を選んでいたら。そうすれば、今頃は……』
『パイ様……』
それからは、マインの男の話を、聞かれたときにそっと伝えた。マインの叔父のところにいる、白に近い銀色の髪の弟子の話を。
『仲がいいなって思っていたの。でも、まさかパイ様を裏切るような仲だったなんて』
『ラドレス様の弟子……そういえば、マインはそこに、身内だが弟子として出入りしていた』
『きっと、そこでふたりは……』
聞きたくなさそうで、でも全部聞きたがったから、あの男がどれほど素晴らしい魔法使いなのか、あの男がどれほど素敵で優しい青年なのか。甘い蜜のように、その言葉を囁くごとに、彼は私のほうに堕ちてきた。
それから、私は彼と一緒に過ごすことになる。彼にそっくりな、まるで薔薇のような美しい子も授かった。本来あるべき侯爵家にも住むことになった。
白い髪を持って産まれたというだけで、何の罪もない子供を捨てて自分ひとりだけ逃亡したかつての親友。
パイ様の子供でもないのに、あれほど育ててやった恩も忘れて義娘も逃亡した。しかも、野蛮な獣人の国に。あの親にしてこの子ありとはよく言ったものだ。
でも、そんな不義理を働いた義娘のことも心配ではある。今頃は、獣人たちに酷い目にあってやしないだろうか、と。産まれてきた親を間違えた気の毒な子を思い出すと、胸が苦しくなる。
私は、愛しい人の指示通り、皆を連れて侯爵家から安全な場所に離れた。
casoーカーソ:不倫
「カーソ、あの悪魔の子がここに来るんだ。すぐに皆と避難していておくれ」
「そんな。あの子が……でもあなた、あの子だって、私たちと同じ……」
「ああ、君は優しいな。だが、あいつは恐ろしい獣人たちを連れてくるんだ。きっと襲われる。だから、逃げるんだ」
「そんな……あなたは?」
「俺は、悪魔を倒す。心配しなくても、すぐに迎えに行くから安心して待っていてくれ」
「ああ、あなた。どうかご無事で……」
私は、いつものように夫に声をかける。甘えすぎず、出しゃばりすぎず、従順で夫を愛する貞淑な妻。それが、私のイメージだ。子供のころから、妻にするには私のような女がいいとみんなが言っていた。
目の前にいる夫だって、出会ったころは私に夢中だった。指先が触れる、そんなことですら、恥ずかしくて嬉しくてくすぐったくなるような、幸せな若くて淡い恋。
そんな幸せを、ある日あの女が奪った。
※※※※
『ねぇ、カーソ。まーたラブレターをもらったの?』
『ええ。私には好きな方がいるから困っちゃうんだけど……』
『困る困るって、結局はありがとうって笑って受け取るのよねー。好きな人がいるからって、受け取らなければいいのに』
『だって、この手紙を書いて渡すのって、すごく勇気がいったと思うの。それに、お断りしたら恥をかかせるし。だから、突き返すなんて……。でも、これどうしよう……』
『自分で貰ったんだから、自分で返すなり読むなりして結論を出せばいいんじゃない? お断りするなり、いっそ、お付き合いするなり』
『結論……でも私、あの人のことを何も知らないの。だから、決めるなんて……困ったわ……』
『カーソのその気持ち、私にはよくわからないわ。受け取ってもらったら期待しちゃうじゃない。それに、そのあとはっきりお断りもしないから、相手がOKされたと勘違いするのも当然だわ。この間は、思いつめた男の人が付きまとうようになったじゃない。あとで拗れきってから、私に助けを求めるんだから……』
私には、とても美しくて頼れる親友がいた。その子の瞳は、太陽のように自信に満ち溢れてきらきら輝いていて眩しい。胸を張り、まっすぐ前を向く彼女は、私みたいにうじうじしていない。クラスの子たちにも人気者だ。
マインは、ラブレターをもらっても、その気がないからと受け取りもしない。
彼女のいうのも尤もだ、とも思う。だけど、それはそれで相手の立場も考えてないし、好きだという気持ちを簡単に踏みつぶすような酷いことなんだと思う。
そんなだから、男の子たちに、気が強くて、頭の良さを鼻にかける嫌な女だって言われるのだ。本当は、とても思いやりのある優しい子なのに、男の子たちに勘違いされてかわいそうだと思っていた。
私には、密かに慕う方がいた。その方はとても人気者で、私は陰から見つめるだけで心が温まるほど幸せだった。でも切なくて。一目見てもらえれば、声をかけてもらえれば、なんて、大勢の女の子たちの後ろにいる私には到底不可能なことを夢見ていた。
『君、カーソさん。落としましたよ』
でも、奇跡が起こった。あの方が、私を見つけ出して声をかけてきてくれたのだ。しかも、前から気になってたって照れて微笑みながら。落としたハンカチを渡してくれる時、指先が少しだけ触れた。
そのことが切っ掛けで、私はパイ様とお付き合いすることになる。だから、嬉しくてすぐにマインに知らせた。
『え、パイ様と? ……カーソ、あなたが好きなのって彼だったの?』
そういえば、私の気持ちを教えたことはなかった。コクリと頷くと、あの子は、思った通り、まるで自分のことのように喜んでくれた。
『あのね、カーソ。えーと……、パイ様と、お付き合い、してるの? いつから?』
『ええ。ハンカチを拾っていただいて。実はね、彼ったら私の名前を知っていたの。その時に、彼の気持ちを知ったわ。勿論、すぐにオッケーよ。それ以来、デートするようになって。ふふふ、彼ったらとても恥ずかしがりやだから、手に触れるくらいの関係なのだけど』
『手に触れる……』
『今時、珍しく純情な方よね。私としては、もっと発展してもいいのに。でも、それくらい、私のことを大事にしてくれてるのかなって』
浮かれ切っていた私は、いつになく歯切れの悪い彼女に気が付かなかった。そして、パイ様のために作ったクッキーを渡そうと、彼を探していると、ふたりが裏庭で話し込んでいるのを見かけた。
『だから、浮気してるんでしょ? 私言ったわよね。浮気するような男はごめんだって。二股なんて最低。別れましょ』
『ちょっと待て。俺は浮気なんかしてない。それに、どうして、今彼女の名前が出るんだ』
『え? でも、カーソがあなたに告白されて、それから何度もデートしてるって……』
『あれか……一度落としたハンカチを拾ってあげてから、やたらと近づいてくるんだ。君の友達だし、かわいいと思うけどそれだけだ。俺は、俺が好きなのは君だけだ。信じてくれ』
『パイ様……』
ふたりが抱きしめあい、そしてあろうことか目の前でキスをした。それから、どうやって自室に戻ったのか覚えていない。
翌日、ふたりから、ずっと前から付き合っていることを教えられた。
『その、勘違いさせたみたいで。ごめん。でも、俺達来年には結婚するんだ。もうお互いの親族にも紹介している』
『カーソ、あなたがこの人を好きだなんて知らなくて……ごめんなさい』
私は、ふたりが何を言っているのかわからなかった。でも、周囲には誰もいないのに、皆がこっちを見て指をさして、私を嘲笑っているような気がして、ふたりを祝福するしかなかった。
『やだ、そうだったの? 私ったらてっきり。私のほうこそごめんなさい。やだわ、マインったら。私がパイ様を好きなんて、そんな。ほら、皆と同じように、ファンみたいなものだから。それに、本当に好きな人は別にいるの。だから、そんな気にしないで? ね?』
私は、そんな嘘を言ってふたりを安心させた。そうでなければ、私は友達を失うし、パイ様と二度と会えなくなる。そんなこと、耐えられるはずがなかったから。
それからは、心にふたをして、どんどん幸せに向かっていくふたりと笑顔で接した。
私の恋人を、いつの間にか奪って自分のものにしていた彼女がとても憎かった。そんな私を、内心嘲笑っていた彼女の花嫁姿を、心の中で血の涙を流して祝福した。
だというのに、マインはパイ様に似ても似つかない白い髪の女の子を産んだ。
『マイン……。……かわいい女の子ね。ふふふ、抱っこしていい?』
『カーソ、来てくれたのね。あなたは、この子が白い髪なのに、抱っこしてくれるのね。あなただけよ……ありがとう、カーソ』
『白い髪だから、なんだっていうのよ。そんな都市伝説じみたことを信じるなんて、じじばば世代くらいでしょ。今時、ナンセンスだわ。ほら、とってもかわいいじゃない。もう目が開いてるのね。あなたにそっくりな、太陽がそこにあるかのよう。きっと、あなたのように優しい子になるわ』
『カーソ……』
私の恋人を奪った女に、天罰が下ったのだ。そう思った。
マインは、強がって心にもないことを言っていたけれど、あんな白い髪の悪魔、かわいがれるはずがない。案の定、パイ様やご親族全員に、あの女は浮気して作ったんだろうと、白い髪の悪魔を受け入れられることはなかった。
『パイ様……』
『カーソ……俺は……あいつは俺を裏切っていたんだ……』
『そんな、マインに限って、あなたを裏切るだなんて……でも、そういえば、あの子はあの人にも似ているかなって。あ、こんな時にごめんなさい。そんなことないわよね。さっき言ったことは忘れて!』
『カーソ、君は優しいな……。マインとずっと一緒だった君には、心当たりの男がいるんだね。あの子、あの白い子が何よりの証拠さ。きっと、その男との子なんだろう。でも、結婚してから産まれたから、公には俺の子になってしまう。最初から、間違っていた。カーソ、君を選んでいたら。そうすれば、今頃は……』
『パイ様……』
それからは、マインの男の話を、聞かれたときにそっと伝えた。マインの叔父のところにいる、白に近い銀色の髪の弟子の話を。
『仲がいいなって思っていたの。でも、まさかパイ様を裏切るような仲だったなんて』
『ラドレス様の弟子……そういえば、マインはそこに、身内だが弟子として出入りしていた』
『きっと、そこでふたりは……』
聞きたくなさそうで、でも全部聞きたがったから、あの男がどれほど素晴らしい魔法使いなのか、あの男がどれほど素敵で優しい青年なのか。甘い蜜のように、その言葉を囁くごとに、彼は私のほうに堕ちてきた。
それから、私は彼と一緒に過ごすことになる。彼にそっくりな、まるで薔薇のような美しい子も授かった。本来あるべき侯爵家にも住むことになった。
白い髪を持って産まれたというだけで、何の罪もない子供を捨てて自分ひとりだけ逃亡したかつての親友。
パイ様の子供でもないのに、あれほど育ててやった恩も忘れて義娘も逃亡した。しかも、野蛮な獣人の国に。あの親にしてこの子ありとはよく言ったものだ。
でも、そんな不義理を働いた義娘のことも心配ではある。今頃は、獣人たちに酷い目にあってやしないだろうか、と。産まれてきた親を間違えた気の毒な子を思い出すと、胸が苦しくなる。
私は、愛しい人の指示通り、皆を連れて侯爵家から安全な場所に離れた。
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