官能小説家の執筆旅行

市樺チカ

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奉仕※

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右手で頬を優しく撫で、そのまま耳へと滑らせる。
耳たぶを優しく摘まみながら、口内の左手を緩く動かした。

「さあ、舌を出して」

人差し指と中指を軽く折り曲げて間に舌を挟み、ゆっくりと引っ張り出す。
口を開けて舌を突き出す形になった所で指を伸ばし、奥を刺激しないように慎重に指を絡ませた。
先端に指の股を合わせてみたり、表と裏から挟み込んで優しく擦り合わせたりと、様々に動かして様子を見る。

「―ぁ、はっ…ぁ」

吐息に低く甘い声が交じりだした。
目元は涙でしとどに濡れ、口元からはこぼれた唾液が首を伝って床へと流れる。

「君、今とても、ぐちゃぐちゃだね」
「―っあ」

耳たぶを弄んでいた右手を軟骨の方へ滑らせる。
大小の窪みや溝の全てに指を這わせて、弄ぶ。
同時に耳穴へ口元を寄せた。

…くちゅ、ちゅぷ、ぴちゃ…

口を薄く開けて遅く舌を動かし、わざと水音を立てる。
時折静かなため息のようにはぁ、と熱い吐息をかけながら、弄ぶ手を耳裏を通じて首筋へと滑らせた。

「鎖骨が丁度、境界線だね」

地肌と墨色の境目をすすす、となぞる。
境目のすぐ上にある鎖骨の溝を指の腹でゆっくりと撫でた。

舌に絡めている指を外し、手のひらを舌先に軽く当てる。

「疲れたので、今度は熊井君が動かして。ご自由に、どうぞ」

低い声で囁くと、耳穴に吐息を吹き掛けてから顔を離した。
熊井の顔を見るとすっかり蕩けきっていて、目の前の指に自ら吸い付いていた。

「―んむ、…じゅ、っ」

唾液をだらだらと溢しながら口の中で必死に舌を絡める。
真田は口角を上げて微笑むと、再び耳元へ顔を寄せた。

「先ほどから、手持ち無沙汰ではないかな?…触りたい所があれば、好きにして良いよ」

ほら、と呟いて再び顔を離した。
熊井は指を舐めしゃぶりながら、ゆっくりと右手を自らの股ぐらへと伸ばす。

普段慰める時とは比較にならないほど太く、熱く、そして震えている。
軽く握っただけで、あまりの衝撃に腰が揺れた。

「んちゅ、ふっ…あっぁ」

自身を握る右手をそのままに、反対の手のひらで先から溢れる露を先端全体に伸ばす。
くちゅりと音を立ててぬるつきが増し、動きやすくなった。

「…っ、…ッ」

舌の動きが止まり、指をくわえている口が脱力して開いていく。
気付いた熊井は、指を逃がすまいと軽く歯をたててかじりついた。

「―ぁ、ふ、ぅ…うぅ…」

すっかりぬるついた左手のひらを先端に当てたまま、幹をわざと激しく動かしながら扱き上げる。

「っ、ぅ―ッ、ふっ、―ッ」

幹を上下する刺激と先端が擦れる刺激とが合わさり、息が詰まる程の快感の波に襲われた。
思わず歯に力が入り、がりりと指を噛んでしまった。
あ、と思うもあまりの快感に手が止まらない。

「う、―ッ…、ぅ―ッッ」

大粒の涙を溢しながら、最後に大きく腰が突き上げられ、自らの左手に大量の精を放った。
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