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第一章 出会い
騒めき
しおりを挟む朝食を食べ終わると、ディグニは出発の準備をしに二階に向かう。
僕も行こうとしたが、ディグニに「お前は下で待っててくれ。」
と言われてしまった。下で待っていると苦しそうなハウが現れた。
「おはよう。」というハウの声はガラガラして聞こえづらい。
ハウはトイレに吸い込まれて行く。そこから聞きたくない音が漏れ出てくる。
リベは台所で溜息をついている。
大人になってお酒を飲んでも、絶対にああならないようにしようと決意した。
リベの手伝いをしようかなと思って台所の方を見たがすでにいなくなっていた。 下にいてもすることがないので、外に出て黒馬のところに向かう。
「おはよう。」
黒馬に挨拶をすると、
ヒヒーンと挨拶を返してくれているみたいに鳴いていた。
黒馬の頭を撫でながら僕は告げる。
「そうだ。君の名前決まったよ。
ディグニがきたら教えるから、それまで楽しみに待っててね。」
馬がペロペロ舐めてくる。早く教えてよ。
といいた気に。教えるまで止めそうにない。
「うわっ。わかった。わかったから。」
僕は仕方なく耳元で教えてあげる。黒馬は嬉しそうに頬擦りしてくる。
「気に入ってくれたみたいで嬉しいよ。」
そうやってじゃれているとディグニ小がやってくる。
「ここにいたか。探したぞ。なんか楽しそうだな。」
「名前が決まったから、教えてあげていたんだ。」
「おっ。名前決まったのか。俺にも教えてくれよ。」
僕はさっきのお返しをした。
「どうしようかな。さっき嘘を言ったからなぁ。」
ディグニは一瞬固まっていたが、何かを堪えるように謝ってくる。
「さっきはすまなかった。だから教えてくれよ。な。」
堪えているのが気になるが僕は教えてあげた。
「この子の名前は・・・”セフォン”だよ。」
勿体つけてそう告げた。
―――――――――――――――――
行く途中、多くの人に声をかけられる。もちろんディグニが。
昨日はセフォンが飛ばして走っていたのと人通りが少ないところを
通っていたためかそこまで気にはならなかった。ディグニの人気が伺えた。
「通るところ間違ったか。こんなに人がいるなんて。
それに傭兵の数が多い。妙だな。」
ディグニがそう呟く。
昨日の倍近く時間がかかって城に着く。城門にルトさんがいた。
「おはようございます。」
「おはようございます。何かあったんですか。街が騒々しくて。」
「ええ。ちょっと厄介なことがおきまして。
また後でお話しますので今は移動をお願いします。
ディグニ様は玉座に。ビス様は城の入り口でシェーン様がお待ちです。」
セフォンに一時のお別れを告げ、城へと進む。
入り口に着くとシェーンとペルフェットさんが待っていた。
「ごきげんよう。ビス、ディグニ。やっと来たわね。」
遅いことに怒っているのかシェーンは腕組みしながら仁王立ちしている。
言葉とポーズにギャップがありすぎる。
「遅くなってごめん。」
「あら、別に怒ってないわよ。時間は決めていなかったわけだし。」
どうやら怒ってはなかったらしい。あのポーズは癖なのだろうか。
「シェーン様はビス様が来られるのが待ち遠しくて
一時間も前からここにいらっしゃるんですよ。」
一時間も前から⁉ペルフェットさんからシェーンに視線を移すと、
すでに進行方向を向いていた。
「ほら、早く図書室行くわよ。」
本当に怒ってないか不安になる。そういえば人数が減っている。
「あれ、ディグニとルトさんは?」
「とっくに玉座に向かったわよ。」
いつの間に。足を止めているとシェーンはスタスタ足を進めていた。
慌てて後を追う。なんだか全体的に昨日より速い。
何かを考えないように慌ただしくしているような感じがする。
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