ヒレイスト物語

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第三章 変化

緊張感のある食事

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稽古も終わり今夕食を取っている。俺は今とても緊張していた。
目の前にシェーンが座っているかじゃない。前とは違う風景。そ
う王様が一緒の食卓にいるのだ。いつになってもなれない。
いつもではないが、時間がある時は一緒の食卓にいるようになったのだ。

「ビス、どうだった。久しぶりにいったハウの宿は?」

「はい。前の宿と変わらない程度になっていました。」

「おう、それは良かった。」

そして、静寂に包まれる。気まずい。どうするべきか。
いつも固く口を閉ざしていたシェーンが口を開いた。何だか嫌な予感がする。
今日は厄日だろうかと思うぐらい嫌な予感しかない。


「はあ、お父様お仕事はいいんですか?」

「まだあるが。それがどうかしたか?」

「そうでしたか。いえただ、王様とあろうお方が仕事をほっぽってこんなところで呑気に食事を取っているなんてと思っただけです。気にしないでください。」

いや、気にしない方が難しいだろ。
俺に言われたわけでもないのにグサっと来たぞ。
それに娘にそんなこと言われたら・・・。
やっぱり、王様は泣きそうな顔になっている。

「んん。王様。急用でお話したい案件が。」

それを見かねたのかルトさんが割って入ってきた。

「そ、そうか。それは残念だ。食事の途中に済まない。
私は失礼する。ビスもゆっくり食事を楽しんでくれ。」

「あら、そうでしたか?それは残念ですね。」

王様はシェーンの言葉を無視、いや反応できず食堂を去っていく。
去っていく王様の背中は哀愁が漂っていた。ルトさんはフォローが大変だろうと思ったが、これに関してはそんなことをしないと思い出す。
逆に追い打ちをかけるはずだ。王様が不便で仕方ない。
そう思っているとルトさんがこちらに向かってきて耳打ちをしてきた。
そして俺の答えを待たず去っていった。





こっちの親子も絶賛喧嘩中であった。
5年前からずっと。良くなるどころか余計悪くなっていっているように感じる。
それを気にしてなのかわからないがシェーンと一緒に食事を取るようにしているみたいだ。まあ、王様とシェーンの会話はあまりないし、あったとしてもシェーンのそっけない言葉ですぐ終わってしまう。気まずいなんてものではない。逃げ出したいくらいだ。一人部屋で食事を取ろうともした。でも、シェーンはそれを許してはくれなかった。


「ビスあなた、早く慣れなさいよ。」

「慣れたくないですよ。あれの雰囲気は。
それに今朝も味わったばかりなんですよ。・・・もう沢山です。」

「あら、そうなの?それは災難だったわね。」

そう思うならどうにかしてくれと思ったが、口には出さない。何を言っても無駄だと分かっているから。ディグニがいた頃は、ディグニが何とかしようと尽力したがどうにもできなかった。あれをそばで見てきたのだ。諦めも肝心である。




食事も終わり食堂から移動しようとした時シェーンに声を掛けられた。
「そうだ、このあと久しぶりに一緒に図書室行かない?
新しい本も今朝入ってきたみたいだし。どう?」


それは気になる。でも、先約がある。残念だけど断るしかなさそうだ。


「申し訳ありません。この後用事がありまして・・・」


「そう。それは仕方ないわね。じゃあ、ここで。」


シェーンは一人で食堂を去っていった。
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