ヒレイスト物語

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第三章 変化

母強し

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リベさんがやってきたのだ。なんだか疑心を抱いた表情をしている。


「リベさん⁉いつの間に。」


「ちゃんとノックしたわよ。それより剣なんか出して。まさか⁉」


「リベさん落ち着いて。ただ、手入れをしていただけだよ。深い意味はないよ。」


「そ、そう。それならいいんだけれど。」


そうは言うものの完全にはその疑心を取り払うことは出来ていないようだった。俺は念を押した。


「はあ、本当に深い意味はないからね。」


リベは二度目の言葉には反応しなかった。それよりも気になることがあるみたいだ。


「ベルとモルテはどこに行ったの?ベルはそろそろ寝る時間なんだけど。」


「ああ、それなら今モルテと一緒にお風呂に入ってるよ。」


その言葉を聞いてリベは安堵したみたいだった。


「そう、それならよかった。ああ、あとベルは今日ここで寝かせるから。」


「ん?ああ、わかりました。」


リベはまた表情を変えて俺に問いかけてくる。神妙な面持ちで。


「この後、ハウと話す気なんでしょ。モルテと一緒に。」


「ええ、結果はどうなるかわかりませんが最善を尽くします。・・・そんな顔しなくても大丈夫ですよ。今朝みたいなことには絶対になりませんから。モルテもいますしね。」


それでも、リベの表情は変わらなかった。


「私はいた方がいい?それともいない方が・・・」


リベは言葉を出すに連れ視線が下がっていた。悩ましいところだ。男だけの方が話しやすいところもある。ただ、今朝はリベに助けられた事実もあるしいて欲しい気持ちもある。


「ちょっと考えさせてくれますか?」


リベは驚きの表情をこちらに向けてきた。外してくれと即答されるとでも思っていたのか。


「いいけど。時間はないわよ。」


「ええ、わかっています。ベルが寝るまで考えさせてください。」


それまでに気持ちを落ち着かせて答えを出すつもりだ。なんだかこの判断次第でうまくいくかどうか決まってしまうように感じられた。間違えればずっと平行線のままで決着は着かないと思う。それだけは避けなければいけない。冷静に判断しなければ。


「わかったわ。」


リベはそう答えてくれた。そんなやり取りをしていると、風呂場からドタドタ音がしてくる。


「あー、やっぱりお母さんだ。」


「ちょっと待って、ベル。髪をまだ乾かしてないよ。」


ベルとモルテが風呂から上がってきたのだ。モルテの言う通りベルの髪の毛が濡れたままだった。


「あら、ベル。モルテお兄ちゃんと一緒にお風呂入ってたの?よかったわね。」


「うん。お風呂でモルテお兄ちゃんと遊んでたんだ。あのねあのね、モルテお兄ちゃんの指から水が出てくるんだ。それにね・・・」


「そうなの?すごいわね。お母さんもベルの話もっと聞きたいな。でもその前に髪乾かさないとね。」


「うん、わかった。」


そういってまたお風呂場に向かっていった。母は強しだな。モルテでも敵わないようだ。
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