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第五章 旅立ち
コロコロ変わる位置
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いつものように魔物が闊歩している。ただ一つだけ違う点があるが、魔物たちはそれぞれの意思を持ち襲ってくる。あの時のように道案内をするような動きは見せていない。まあ、そりゃそうか。もう道案内をする人物がいるのだから。それでも、邪魔をしてくることに変わりはないのだが。というか邪魔の限度を超え、殺意じみたものがヒシヒシと感じられる
「アシオンこれからどこに向かうんだ?」
「ん?ああ、デネメ洞窟だ」
「デネメ洞窟?聞いたことありませんね、ねえビスさん」
「あ、ああ。そうだな」
変わらない隊列で進んでいる。意図的にそうなったわけではない。まあ、道案内役としてアシオンが前に出ているのは当然と言えば当然なのだが。ソエルは相変わらず負けたくないようだ。何が勝ち負けなのかわからないけれど。二人は追い越せ追い越されと徐々にスピードが上がっていく
「おい、二人とも飛ばし過ぎだ。それじゃセフォンたちがばてる、ペース配分を考えろ‼」
「あー!?なんだって⁉」
大声で叫ぶも遠すぎて聞こえないらしい。魔物もいることだし飛ばすことも悪くないんだが、さすがに距離が離れすぎている。それにどれくらい道のりがあるのかわからないのだ。ただ、このままだとはぐれかねない
「はあ、メイユ、パヴィ少し飛ばすぞ」
「ええ」
「ふぇぇ」
「セフォンよろしく頼む」
徐々に距離が縮まっていく。魔物を蹴散らしながら進んでいるので、あまり距離を縮められるか不安だったが、その心配はないようだ。なぜそうなったのか、それはこの聞こえてくる声で理解した
「お前、そんな近く走るんじゃねえよ。危ねぇだろ」
「それは気のせいですよ。それよりアシオンさん馬に乗るの下手くそなんじゃないですか」
「なっ⁉」
「二人ともそこまでにしろ。周りを見ろ。魔物に囲まれてるぞ」
「ほら見ろ、お前のせいでビスに追いつかれたじゃねえか」
「だから人のせいにしないでくださいよ」
アシオンのやつ追いつかせない気でいたのか。冗談、で言っていると思いたいが。まあ、メイユが後ろにいるからのことなのだろうけどな。ソエルはアシオンの暴走を止めようとしていたとも思えるのだがそれだけではない気がする。というか俺よりも魔物に集中してほしい
「はあ、おい、アシオン。そんなだったら先頭メイユに変わってもらうぞ」
「えっ、嫌ですわ」
「オレも嫌だね」
メイユに断られた。でも、よくよく考えたらメイユが先頭はないなと思い直す。それにしてもそこまで間髪入れず拒否しなくてもいいのではないだろうか。まあ、アシオンとメイユの“嫌”という同じ言葉でもそのなかに含まれる意味が違うのはよくわかるのだが
「ほ、ほらソエル。アシオンのこと気にせず、周りを気にしろ、な」
「はい、ビスさん」
「パヴィも援護頼むよ」
「ふぇぇ、わかりました」
あっ、こっちは言うこと聞くのね、よかったそうじゃなきゃ心が折れそうだったよ。いっそのこと全部アシオンに任してみようかな。そうしたほうが楽そうだ
「なんだ、ビス。こっちをじっと見て。そんなに見られると照れるぞ」
「・・・いいから魔物を倒せ」
全部任せることは大変危険なことだと思う。まあ、いちいち声をかけてられないしな、大体任せておいても大丈夫だろう。今言ったことにはすぐ反応してくれたし。俺の言ったことに反応したのか、ソエルを見て動き出したのかは有耶無耶にしておこう。今度は倒した数で競おうとしていると思うのは気のせいだろう
「カヴァグロム」
「なっ⁉」
「な、何が起こったんですか⁉」
「ふぇぇ、雷が飛び跳ねましたぁ」
「ほら、さっさと行くぞ」
焼け焦げた魔物たちを尻目に俺は前に進む。アシオンとソエルは唖然としているのか立ち止まっており、最初と真逆の位置になった
「お、おい。待てよ、先頭はオレだ」
「さすがです、ビスさん。・・・ってちょっと待ってくださいよー」
「アシオンこれからどこに向かうんだ?」
「ん?ああ、デネメ洞窟だ」
「デネメ洞窟?聞いたことありませんね、ねえビスさん」
「あ、ああ。そうだな」
変わらない隊列で進んでいる。意図的にそうなったわけではない。まあ、道案内役としてアシオンが前に出ているのは当然と言えば当然なのだが。ソエルは相変わらず負けたくないようだ。何が勝ち負けなのかわからないけれど。二人は追い越せ追い越されと徐々にスピードが上がっていく
「おい、二人とも飛ばし過ぎだ。それじゃセフォンたちがばてる、ペース配分を考えろ‼」
「あー!?なんだって⁉」
大声で叫ぶも遠すぎて聞こえないらしい。魔物もいることだし飛ばすことも悪くないんだが、さすがに距離が離れすぎている。それにどれくらい道のりがあるのかわからないのだ。ただ、このままだとはぐれかねない
「はあ、メイユ、パヴィ少し飛ばすぞ」
「ええ」
「ふぇぇ」
「セフォンよろしく頼む」
徐々に距離が縮まっていく。魔物を蹴散らしながら進んでいるので、あまり距離を縮められるか不安だったが、その心配はないようだ。なぜそうなったのか、それはこの聞こえてくる声で理解した
「お前、そんな近く走るんじゃねえよ。危ねぇだろ」
「それは気のせいですよ。それよりアシオンさん馬に乗るの下手くそなんじゃないですか」
「なっ⁉」
「二人ともそこまでにしろ。周りを見ろ。魔物に囲まれてるぞ」
「ほら見ろ、お前のせいでビスに追いつかれたじゃねえか」
「だから人のせいにしないでくださいよ」
アシオンのやつ追いつかせない気でいたのか。冗談、で言っていると思いたいが。まあ、メイユが後ろにいるからのことなのだろうけどな。ソエルはアシオンの暴走を止めようとしていたとも思えるのだがそれだけではない気がする。というか俺よりも魔物に集中してほしい
「はあ、おい、アシオン。そんなだったら先頭メイユに変わってもらうぞ」
「えっ、嫌ですわ」
「オレも嫌だね」
メイユに断られた。でも、よくよく考えたらメイユが先頭はないなと思い直す。それにしてもそこまで間髪入れず拒否しなくてもいいのではないだろうか。まあ、アシオンとメイユの“嫌”という同じ言葉でもそのなかに含まれる意味が違うのはよくわかるのだが
「ほ、ほらソエル。アシオンのこと気にせず、周りを気にしろ、な」
「はい、ビスさん」
「パヴィも援護頼むよ」
「ふぇぇ、わかりました」
あっ、こっちは言うこと聞くのね、よかったそうじゃなきゃ心が折れそうだったよ。いっそのこと全部アシオンに任してみようかな。そうしたほうが楽そうだ
「なんだ、ビス。こっちをじっと見て。そんなに見られると照れるぞ」
「・・・いいから魔物を倒せ」
全部任せることは大変危険なことだと思う。まあ、いちいち声をかけてられないしな、大体任せておいても大丈夫だろう。今言ったことにはすぐ反応してくれたし。俺の言ったことに反応したのか、ソエルを見て動き出したのかは有耶無耶にしておこう。今度は倒した数で競おうとしていると思うのは気のせいだろう
「カヴァグロム」
「なっ⁉」
「な、何が起こったんですか⁉」
「ふぇぇ、雷が飛び跳ねましたぁ」
「ほら、さっさと行くぞ」
焼け焦げた魔物たちを尻目に俺は前に進む。アシオンとソエルは唖然としているのか立ち止まっており、最初と真逆の位置になった
「お、おい。待てよ、先頭はオレだ」
「さすがです、ビスさん。・・・ってちょっと待ってくださいよー」
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