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第五章 旅立ち
衝き動かすモノ
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その理由が“セヘルス”という岩のせいだというのか。それにしても、あの岩パヴィが持っていたものと似ていないかと。そう思ってパヴィの方を見ようと振り返るとそこにパヴィウの姿はなかった。
辺りを見渡すとパヴィはすでにあの岩の近くにいた。想像でしかないがおそらくパヴィは目を輝かせながらあの岩に近づいたのだろう。それか目を据えて、あの岩に吸い込まれるように向かっていったのかどちらかだ。そしてパヴィは岩に手を伸ばした
「おい、パヴィ何をしている⁉」
「大丈夫ですよ。誰もあの岩には指一本も触れられませんから」
「え?どういうことですか」
「いたっ、ふぇぇぇ」
突然パヴィが声をあげた。サジュが言った言葉に気を取られ何が起きたのかわからなかった。ただ、その様子はすぐに見ることができた
「いたたた、やめでくださいぃ」
パヴィは岩のそばから離れた。なぜなら木の根や木の枝が鞭のようにしなりパヴィに襲い掛かっているからだ
「パヴィ大丈夫ですか⁉」
「おい、むやみに近づくな」
パヴィに近づこうとするソエルの腕を掴むアシオン。それでも、ソエルはパヴィの元へ行こうと藻掻いている。あれでは腕が抜けてしまいそうだ
「なぜ邪魔をするんですか、離してください‼」
「いいから行くな。お前も攻撃されたいのか」
「いいんです。今度こそ、今度こそは、僕が完璧に守って見せるんです」
「アシオン、言葉が足りないのよ。大丈夫ですよ、あの岩からある程度離れれば攻撃は止みますから。敵意がなければですが・・・ほら」
メイユの言う通りパヴィがあの岩からある程度距離を取ると木の攻撃が止んだ。守っているというのはこういうことか。確かにあれじゃむやみに近づけないな
「本当だ。もう離してもらってもいいですか?」
「けっ、お礼もなしかよ。ほらよ」
アシオンはソエルの腕を投げるように離した。だが、ソエルはそのことを気にせずパヴィの元へと向かっていく。それも全速力で。俺も駆け寄ろうかと思ったが、何か近づいてはいけない空気感があった
「パヴィ大丈夫ですか?」
「ふぇぇ、大丈夫ですぅ」
「大丈夫じゃないです。腕から血が出てるじゃないですか‼」
「ただの切り傷ですぅ。大袈裟ですよぉ。それに私の魔法で治りますからぁ」
その言葉を聞いて安心する。まあ、パヴィならすぐ治せるだろう
「ヒール」
「・・・もう」
パヴィが自分自身に回復魔法をかけようとしたら、すでにソエルが回復魔法をかけていたアシオンはその光景があまり気に食わなかったようで、臍を曲げているようだった。今話しかけるのは得策ではないか。まあ、気にしなくても機嫌はすぐ戻るだろう
「メイユ、よくわかったな」
「そりゃ一回経験すればそうなりますわ」
そういうとメイユはアシオンの背中をじっと見ていた。それにどっちがどうなったのかも何となくわかる気がする
「ああ、そういうことか」
「ふぉふぉふぉ、にぎやかな人たちじゃの」
「すみません」
「いいのじゃよ。若者はそうでなくはの。それより、ええと、確かビスさんじゃったかの、相談があるんじゃが良いか?」
辺りを見渡すとパヴィはすでにあの岩の近くにいた。想像でしかないがおそらくパヴィは目を輝かせながらあの岩に近づいたのだろう。それか目を据えて、あの岩に吸い込まれるように向かっていったのかどちらかだ。そしてパヴィは岩に手を伸ばした
「おい、パヴィ何をしている⁉」
「大丈夫ですよ。誰もあの岩には指一本も触れられませんから」
「え?どういうことですか」
「いたっ、ふぇぇぇ」
突然パヴィが声をあげた。サジュが言った言葉に気を取られ何が起きたのかわからなかった。ただ、その様子はすぐに見ることができた
「いたたた、やめでくださいぃ」
パヴィは岩のそばから離れた。なぜなら木の根や木の枝が鞭のようにしなりパヴィに襲い掛かっているからだ
「パヴィ大丈夫ですか⁉」
「おい、むやみに近づくな」
パヴィに近づこうとするソエルの腕を掴むアシオン。それでも、ソエルはパヴィの元へ行こうと藻掻いている。あれでは腕が抜けてしまいそうだ
「なぜ邪魔をするんですか、離してください‼」
「いいから行くな。お前も攻撃されたいのか」
「いいんです。今度こそ、今度こそは、僕が完璧に守って見せるんです」
「アシオン、言葉が足りないのよ。大丈夫ですよ、あの岩からある程度離れれば攻撃は止みますから。敵意がなければですが・・・ほら」
メイユの言う通りパヴィがあの岩からある程度距離を取ると木の攻撃が止んだ。守っているというのはこういうことか。確かにあれじゃむやみに近づけないな
「本当だ。もう離してもらってもいいですか?」
「けっ、お礼もなしかよ。ほらよ」
アシオンはソエルの腕を投げるように離した。だが、ソエルはそのことを気にせずパヴィの元へと向かっていく。それも全速力で。俺も駆け寄ろうかと思ったが、何か近づいてはいけない空気感があった
「パヴィ大丈夫ですか?」
「ふぇぇ、大丈夫ですぅ」
「大丈夫じゃないです。腕から血が出てるじゃないですか‼」
「ただの切り傷ですぅ。大袈裟ですよぉ。それに私の魔法で治りますからぁ」
その言葉を聞いて安心する。まあ、パヴィならすぐ治せるだろう
「ヒール」
「・・・もう」
パヴィが自分自身に回復魔法をかけようとしたら、すでにソエルが回復魔法をかけていたアシオンはその光景があまり気に食わなかったようで、臍を曲げているようだった。今話しかけるのは得策ではないか。まあ、気にしなくても機嫌はすぐ戻るだろう
「メイユ、よくわかったな」
「そりゃ一回経験すればそうなりますわ」
そういうとメイユはアシオンの背中をじっと見ていた。それにどっちがどうなったのかも何となくわかる気がする
「ああ、そういうことか」
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