163 / 171
第五章 旅立ち
都合よくいかないこと
しおりを挟む
木々が燃えた臭い。そしてわずかに漂ってくる鉄の臭いが混じっている。間に合ったのは間に合ったのだが、リュミエは血だらけで地面に片膝をついていた。どうやら、あの時リュミエがかけた一部始終返されているようだ
「リュミエさん‼」
「ビス様⁉来てはダメです。これは罠です」
罠?リュミエに向い何か攻撃を仕掛けようとするラオダム。何か妙だ、遠くから見えた時からあの姿だった気がする。リュミエの視線が俺から上へと移った。必死に何か合図を送るように・・・しまった‼俺はリュミエに向い走り出そうとしたら目の前にラオダムが現れた
「“ルシクル”・・・飛んで火にいる夏の虫とはこのことだな。わざわざ殺されにやってくるとは。まあ、手間が省けて吾輩は良かったのだが」
体に得体のしれない何かがのしかかってきて、リュミエと同じ格好になり、対面する形になっている。そして、目の前に仁王立ちしているラオダムの肩には梟らしきものがいた。あいつが知らせたのか
「かかかっ、滑稽だな。逃げる時間を稼ぎ、逃げおおせると豪語したのにも関わらず、自分も捕まり、挙句の果てに逃がした相手が戻ってくるとは」
「くっ」
ラオザムの言葉が刺さる。俺の行動は間違っていたのか・・・違う。間違いじゃなく正解にしなければいけないのだ。この最悪な状況で
「それにしても、ここまで吾輩を邪魔してくれたのだ。苦しませずに殺すのは癪だな・・・そうだ。こうしよう、片方を痛めつけそれを片方に見せつける。いい音が聞けそうだ」
今思いついたかの如く言葉を発しているが、俺が来る前から決めていたのだろう。そして、ラオダムは俺とリュミエのちょうど真ん中のところに立つ。それも、俺たちの視界を遮らないように
「下衆が・・・攻撃するなら私にしなさい‼」
「!?俺を攻撃しろ‼」
「攻撃を受けたいとは、二人ともドМか。安心しろ、交互にしてやるから。そうだな、最初は・・・リュミエお前からだ‼“エクプロ”」
「っ‼」
小さな爆発がリュミエを襲う。あの弱い攻撃で俺たちをなぶり殺す気だ。俺も今にでも叫びたかったが、リュミエも我慢しているのだ、俺が声を出すわけにはいかない。そうすることはラオダムの思うつぼだから
「つまらない。まあ、いつまで耐えられるか見ものだな。今度はビスお前だ。“エクプロ”」
唇を噛み締め、声が出ないように必死で耐える。肌が焼け体の内部にまで熱が襲い掛かってくる。これではいつまで持つか・・・ラオダムに気付かれないように体の内部だけ治そう。その間に策を考えるのだ
「お前もか。ふん。まあ、いい。その内声を出すだろう」
「リュミエさん‼」
「ビス様⁉来てはダメです。これは罠です」
罠?リュミエに向い何か攻撃を仕掛けようとするラオダム。何か妙だ、遠くから見えた時からあの姿だった気がする。リュミエの視線が俺から上へと移った。必死に何か合図を送るように・・・しまった‼俺はリュミエに向い走り出そうとしたら目の前にラオダムが現れた
「“ルシクル”・・・飛んで火にいる夏の虫とはこのことだな。わざわざ殺されにやってくるとは。まあ、手間が省けて吾輩は良かったのだが」
体に得体のしれない何かがのしかかってきて、リュミエと同じ格好になり、対面する形になっている。そして、目の前に仁王立ちしているラオダムの肩には梟らしきものがいた。あいつが知らせたのか
「かかかっ、滑稽だな。逃げる時間を稼ぎ、逃げおおせると豪語したのにも関わらず、自分も捕まり、挙句の果てに逃がした相手が戻ってくるとは」
「くっ」
ラオザムの言葉が刺さる。俺の行動は間違っていたのか・・・違う。間違いじゃなく正解にしなければいけないのだ。この最悪な状況で
「それにしても、ここまで吾輩を邪魔してくれたのだ。苦しませずに殺すのは癪だな・・・そうだ。こうしよう、片方を痛めつけそれを片方に見せつける。いい音が聞けそうだ」
今思いついたかの如く言葉を発しているが、俺が来る前から決めていたのだろう。そして、ラオダムは俺とリュミエのちょうど真ん中のところに立つ。それも、俺たちの視界を遮らないように
「下衆が・・・攻撃するなら私にしなさい‼」
「!?俺を攻撃しろ‼」
「攻撃を受けたいとは、二人ともドМか。安心しろ、交互にしてやるから。そうだな、最初は・・・リュミエお前からだ‼“エクプロ”」
「っ‼」
小さな爆発がリュミエを襲う。あの弱い攻撃で俺たちをなぶり殺す気だ。俺も今にでも叫びたかったが、リュミエも我慢しているのだ、俺が声を出すわけにはいかない。そうすることはラオダムの思うつぼだから
「つまらない。まあ、いつまで耐えられるか見ものだな。今度はビスお前だ。“エクプロ”」
唇を噛み締め、声が出ないように必死で耐える。肌が焼け体の内部にまで熱が襲い掛かってくる。これではいつまで持つか・・・ラオダムに気付かれないように体の内部だけ治そう。その間に策を考えるのだ
「お前もか。ふん。まあ、いい。その内声を出すだろう」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【完結済】悪役令嬢の妹様
紫
ファンタジー
星守 真珠深(ほしもり ますみ)は社畜お局様街道をひた走る日本人女性。
そんな彼女が現在嵌っているのが『マジカルナイト・ミラクルドリーム』というベタな乙女ゲームに悪役令嬢として登場するアイシア・フォン・ラステリノーア公爵令嬢。
ぶっちゃけて言うと、ヒロイン、攻略対象共にどちらかと言えば嫌悪感しかない。しかし、何とかアイシアの断罪回避ルートはないものかと、探しに探してとうとう全ルート開き終えたのだが、全ては無駄な努力に終わってしまった。
やり場のない気持ちを抱え、気分転換にコンビニに行こうとしたら、気づけば悪楽令嬢アイシアの妹として転生していた。
―――アイシアお姉様は私が守る!
最推し悪役令嬢、アイシアお姉様の断罪回避転生ライフを今ここに開始する!
※長編版をご希望下さり、本当にありがとうございます<(_ _)>
既に書き終えた物な為、激しく拙いですが特に手直し他はしていません。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※小説家になろう様にも掲載させていただいています。
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる