ヒレイスト物語

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第五章 旅立ち

吸い込みと吐き出し

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今俺たちは、ルミラクムの前に来ている。二日経ち、ここの周辺は直りつつあった。まあ、まだ戦いの傷跡は生々しく残っているが。エルフたちは他の場所よりもここを真っ先に直し始めたのだ。魔法で体が直っているとは言っても、家族、恋人、友人が亡くなり心に傷がついているはずなのに、何事もなかったかのように振る舞いながら。そして、二日経ちやっと亡くなった人たちの弔いを行っている


「地に帰り、生命の糧とならんことを。そして芽吹き給え、美しき生命よ」


俺たちが残った理由は、少しでも復興の手伝いをし、亡くなった人達の弔いをすること。俺もそれを望んだが一番望んだのはソエルだった。それを反対する者は仲間のなかには誰一人いなかった。そう、仲間のなかには・・・レスプケやサジュたちは俺たちに早く去って欲しいようだった

別に俺たちに負の感情を向けているわけではなく、逆にこれ以上迷惑をかけられないとこの里から出ることを促された。ただ、俺が”戦いの傷を癒すために少しの間滞在させてください”と言うとそれ以上何も言い返してこなかった

いや言い返せなかったのだろう。その理由なんて簡単にわかる、だからその言葉を発したのだから。それにここに滞在したい理由はそれだけではない。時間が必要だと思ったからだ、答えを出す時間が。ただ、それはもう必要ないことがそいつの目を見てわかった。そろそろ出発するか


「ふぁぁ」

「アシオン、欠伸をするものじゃないわ」

「わりぃ、昨日ちょっと張り切り過ぎてな、寝不足で」


何だか誤解の生みそうな言いぐさだが、別に変な意味はないのだろう。昨日アシオンは遅くまで里の整備を行っていたのだから。だからと言って欠伸をしていい理由にはならないのだが


「俺もしたくてしてるわけじゃないぞ。ふぁぁぁ」

「はあ、もういいわ」


こちらに気付いたのかサジュがアシオンを見て何かを訴えかけている。”お静かにお願いします”と言わんばかりに睨みつけていた。後でお説教じみたものがあるに違いない。まあ、これに関してはアシオンが悪いのでどうしようもない

当の本人はそれに気づいてないようだ。それにしても、こういうことに一番噛み付いてきそうなソエルが何も言わずに黙っている。悲しみにくれているのか、それともアシオンの働きを認めてのことか。いや目を閉じ、弔うことに集中してそれどころではないのだろう。ソエルが一瞬こちらを見た気がする、後が怖いな、この式が終わったらお説教が始まりそうだ。二人からの説教長くなりそうだな。まあ、そうなったら俺はしれっと席をはずそう
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