10 / 98
第1章 初めてのダンジョン
騒がしさは続く
しおりを挟む
振り返るとそこには同い年ぐらいの女の子がいた。
しかし、何で俺の名前知ってるんだ。
「誰だっけ?」
「ほら、同じクラスだったディタ・グラセだよ。忘れたの?」
レクスが教えてくれる。そういえば見覚えがあるような。
あのポニーテールの髪の毛。それにこの声。先生に花束を渡してたやつか。
「ああ、あいつか。」
「”ああ、あいつか”じゃないわよ。クラスメイトの名前と顔すら覚えてないの?
はあ、あなたは相変わらずね。」
「そりゃどうも。」
「褒めてないわよ。」
確かにこんな奴もいた。それにこいつは何かと俺に食って掛かってきた。
俺は何もしていないのに。クラスでは2番目ぐらいには覚えている方だと思う。
「まあ、いいわ。それよりあなたダンジョンいくつ攻略したの?」
「まだ、ひとつも。」
ディタは勝ち誇った顔をしている。
「まだ攻略していないの?遅いわね。私たちはもう3つも攻略したわよ。」
辺りを見渡すと、何人か側でたむろしていた。それにあのお調子者もいた。
おそらく噂になっていたのはこいつらのことなんだろう。
「へぇ。そうなんだ。すごいな。」
「何よ。その気持ちの籠っていない言葉は。」
いや、俺は普通に言ったつもりなんだけどな。
そういう風に聞こえたか。気に食わなかったらしい。
「それにしてもあのダンジョンに挑もうとしている人が、まだ一つもダンジョン攻略していないなんてね。あのダンジョンなんて夢のまた夢ね。」
馬鹿にしているような、それでいて残念がるような声。
ただ、俺はその言葉自体にイラついた。
「おい。それ以上言ったらただじゃおかないからな。」
自分でも驚くほどにドスの効いた声が出していた。
よっぽどさっきの言葉に腹が立ったらしい。自然と言葉を発していた。
「な、何よ。」
ディタは俺の声にたじろいでいる。
さっきまでの威勢はなんだったのかと思うほどだ。
面倒臭いし、この空気を変えるか。指を空中に滑らす。
「フウァール」
はあ、風が気持ちいい。色々なものが舞い始める。そう、色々なものが。
俺は視線を下に向ける。砂埃が目に入るとまずいからね。
「キャー‼あんた何するのよ‼」
「あっ。縞々だ。見てよ、ロガ。縞々だよ。」
ふむ、縞々か、これも悪くない。
風も止み顔をあげると、顔を真っ赤にして歯を食いしばっているディタの姿があった。
「んんんんっ。」
何だか俺を殴らんばかりにこっちを睨みつけ近づいてくる。
すると、別の者の声が聞こえてくる。
「おい、何遊んでるんだよ。そろそろ行くぞ。」
あのお調子者がディタを呼んでいたのだ。寸でのところでディタは振り返って答えた。どうやらあの拳の餌食にならずに済んだみたい。
「はっ。・・・う、うん。今行く。」
こいつらの力関係は明らかだった。ディタはこちらに視線を戻す。
表情がコロコロ変わるやつだな。
「ふん。あんたなんか一生ダンジョン攻略できないわよ。ベーだ。」
捨て台詞を履いてあいつらの元に戻っていった。
はあ、何なんだよ、あいつ。俺のこと嫌いなら話かけなければいいのに。
面倒臭いやつだな。
嵐が去ったみたいに辺りは静けさに包まれている。
まあ、小雨程度の音は聞こえてくるが。
「ロガ、大丈夫?」
「何が?それよりダンジョンに向かうぞ。はやく行かないと日が暮れちまう。」
ただ、あいつらが言った方向が気になる。
同じダンジョンを挑むことにならなければいいが。
しかし、何で俺の名前知ってるんだ。
「誰だっけ?」
「ほら、同じクラスだったディタ・グラセだよ。忘れたの?」
レクスが教えてくれる。そういえば見覚えがあるような。
あのポニーテールの髪の毛。それにこの声。先生に花束を渡してたやつか。
「ああ、あいつか。」
「”ああ、あいつか”じゃないわよ。クラスメイトの名前と顔すら覚えてないの?
はあ、あなたは相変わらずね。」
「そりゃどうも。」
「褒めてないわよ。」
確かにこんな奴もいた。それにこいつは何かと俺に食って掛かってきた。
俺は何もしていないのに。クラスでは2番目ぐらいには覚えている方だと思う。
「まあ、いいわ。それよりあなたダンジョンいくつ攻略したの?」
「まだ、ひとつも。」
ディタは勝ち誇った顔をしている。
「まだ攻略していないの?遅いわね。私たちはもう3つも攻略したわよ。」
辺りを見渡すと、何人か側でたむろしていた。それにあのお調子者もいた。
おそらく噂になっていたのはこいつらのことなんだろう。
「へぇ。そうなんだ。すごいな。」
「何よ。その気持ちの籠っていない言葉は。」
いや、俺は普通に言ったつもりなんだけどな。
そういう風に聞こえたか。気に食わなかったらしい。
「それにしてもあのダンジョンに挑もうとしている人が、まだ一つもダンジョン攻略していないなんてね。あのダンジョンなんて夢のまた夢ね。」
馬鹿にしているような、それでいて残念がるような声。
ただ、俺はその言葉自体にイラついた。
「おい。それ以上言ったらただじゃおかないからな。」
自分でも驚くほどにドスの効いた声が出していた。
よっぽどさっきの言葉に腹が立ったらしい。自然と言葉を発していた。
「な、何よ。」
ディタは俺の声にたじろいでいる。
さっきまでの威勢はなんだったのかと思うほどだ。
面倒臭いし、この空気を変えるか。指を空中に滑らす。
「フウァール」
はあ、風が気持ちいい。色々なものが舞い始める。そう、色々なものが。
俺は視線を下に向ける。砂埃が目に入るとまずいからね。
「キャー‼あんた何するのよ‼」
「あっ。縞々だ。見てよ、ロガ。縞々だよ。」
ふむ、縞々か、これも悪くない。
風も止み顔をあげると、顔を真っ赤にして歯を食いしばっているディタの姿があった。
「んんんんっ。」
何だか俺を殴らんばかりにこっちを睨みつけ近づいてくる。
すると、別の者の声が聞こえてくる。
「おい、何遊んでるんだよ。そろそろ行くぞ。」
あのお調子者がディタを呼んでいたのだ。寸でのところでディタは振り返って答えた。どうやらあの拳の餌食にならずに済んだみたい。
「はっ。・・・う、うん。今行く。」
こいつらの力関係は明らかだった。ディタはこちらに視線を戻す。
表情がコロコロ変わるやつだな。
「ふん。あんたなんか一生ダンジョン攻略できないわよ。ベーだ。」
捨て台詞を履いてあいつらの元に戻っていった。
はあ、何なんだよ、あいつ。俺のこと嫌いなら話かけなければいいのに。
面倒臭いやつだな。
嵐が去ったみたいに辺りは静けさに包まれている。
まあ、小雨程度の音は聞こえてくるが。
「ロガ、大丈夫?」
「何が?それよりダンジョンに向かうぞ。はやく行かないと日が暮れちまう。」
ただ、あいつらが言った方向が気になる。
同じダンジョンを挑むことにならなければいいが。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
規格外の魔法少女は『遊び』と称して魔獣討伐行ってます! 〜王子の機転が国家を救う!?〜
婚后 清羅
ファンタジー
子供たちはただ遊んでいるだけなのに?王子の機転が国家を救う!?痛快ファンタジー!
平和な田舎町コレットに住む少女キスティーは、全属性の魔法を極めた規格外の魔力を持っていた。しかし彼女にとって魔法は「家事があっという間に終わってしまい、毎日の楽しみを奪うもの」でしかなく、その力を使うのはもっぱら幼馴染のアリシア(精密な無詠唱魔法の使い手)、ギルバート(規格外の強靭な肉体の持ち主)との「遊び」の中だけだった。
そんな彼女たちの前に、視察団として身分を隠した第三王子レイエスが現れる。王子は、三人が国家級の脅威である魔獣たちを、ただの「遊び」の延長で、一撃のもとに仕留める光景を目の当たりにし、驚愕する。この国の常識を遥かに超えた彼女たちの力は、本人たちにとってはあくまで「日常の遊び」に過ぎなかったのだ。
王子に同行している騎士団長は、自らの部隊が命懸けで挑む難敵を、遊び感覚で仕留める彼女たちの振る舞いに、常に顔を青ざめさせ、胃を痛め、絶叫に近いツッコミを入れ続ける。
レイエスは確信する。各地で活発化する魔獣の脅威を退け、王国の平和を守る鍵は彼女たちの力にあると。しかし、義務や名誉に興味がない自由奔放な彼女たちを、騎士団などの堅苦しい枠に閉じ込めることは不可能だ。そこでレイエスは、一石二鳥の妙案を思いつく。それは、彼女たちを「働かせる」のではなく、討伐対象がいる危険地帯へ「遊び」という名目で誘い出すことだった。
レイエスは親たちへの根回しを完璧に済ませ、再び三人の前に現れる。「褒美に海へ遊びに行こう」という誘いに、三人は、王子様が自分たちを騙して捕まえようとしてるのではないかと疑うが、結局未知なる冒険という名のピクニックへと旅立つことになる。
こうして、規格外の力を持つ三人と、彼女たちを「遊び」で導き、その力を正しく制御しようとする王子の奇妙な旅が始まる。彼女たちが無邪気に遊ぶたび、王国を脅かす難敵は露知らずのうちに駆逐されていく。自覚なき救世主たちのドタバタな日常が、世界の運命を静かに、そして豪快に変えていくのである。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【2025カドカワBOOKS10周年記念長編コンテスト中間選考通過作品】
・規格外の魔法少女は『遊び』と称して魔獣討伐行ってます!?
神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>
ラララキヲ
ファンタジー
フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。
それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。
彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。
そしてフライアルド聖国の歴史は動く。
『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……
神「プンスコ(`3´)」
!!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!!
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇ちょっと【恋愛】もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる