アナスタシス・フルム

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第1章 初めてのダンジョン

ラッキー?

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部屋で寛いでいるとレクスが話しかけてくる。


「ロガ臭いよ。お風呂入ってきたら?」


レクスに言われたのは癪だが、確かに汗だくで気持ち悪かった。


「そうだな。ご飯食べる前に風呂言ってくるよ。ヒルさんが呼びに来たら遅れるって言っといてくれ。」


「うん。わかったよ。」


そう言いながら、大好物のジャーキーを頬張っていた。脱衣所に着き服を脱ぎ始める。そして、脱ぎ終わり風呂に続く扉に手を掛けた時ふと最悪な場面を想像する。


「まさかな。」


そんなことは早々ないと扉を思いっきり開ける。煙が立ち込める風呂には・・・誰もいなかった。


「ほらな、誰もいない。」


安堵というか残念というか複雑な感情が入り混じっている。べっ、別に期待してたわけじゃないぞ‼シャワーを浴び終わりお風呂に浸かる。


「はあ、気持ちいい。」


だらんと体の力が抜けてくる。やっぱり風呂に浸かるのはいいな。
10分ぐらい経っただろうか。体も温まったしそろそろ出ようかと思い立ち上がり片足を出そうとした時ガラガラと扉が開くことが聞こえてくる。




「あっ。そういうパターン?」


「きゃあああああああ‼」


どこにそんなものがあったのかと思うぐらいにいろんなものが飛んでくる。時には刃物らしきものも飛んできた。


「な、何で?」


驚きすぎて変な声が出てしまった。それにこれはまずい。逃げ場がない。永遠に続きそうなこの状況はいつ終わるのだろうか。命の危険を感じながらその場をどう切り抜けるか考えていた。




俺たちは今食堂にいる。ものすごい不穏な空気が流れている。あの後、エミンが大声を聞きつけやってきてくれて事なきを得た。俺も幸いにもディタの攻撃をすべて避けることができた。火事場の馬鹿力的なやつだろうか。一方ディタは終始ムスッと膨れっ面になっている。そこにヒルさんがやってくる。


「いやー。ごめんね。すっかり言うの忘れていたよ。ウチお風呂一個しかないだ。今度からは時間を決めて使うようにしようね。」


ディタはその言葉に重い口を開いた。


「はあ、まあいいです。確認せずお風呂に入った私も悪いですし。・・・ロガ見てないでしょうね。」


「み、見てない。見てないよ。」


見ていたとしてもここでは絶対に言えない。


「じゃあ、いいわ。早くご飯食べましょう。」


「そうだね。今持ってくるからちょっと待っててね。」


ヒルさんが台所に向かっていく。手持ち無沙汰で周りを見回すとレクスはまジャーキーを頬張っている。あの状況でよく呑気にジャーキー食えるな。まあ、いつものことだからあんまり気にしないけど。

功労者のエミンはリンゴを頬張っていた。鼻をうまく使いパクパク食べていた。ものすごく美味しそうに。どうやらエミンはリンゴが大好物のようだ。今度美味しそうなリンゴをあげなければ。そうこうしているとヒルさんが戻ってくる豪華な料理とともに。


「はい。お待たせ。食べて食べて。まだ料理はあるからね。」


「ほ、本当にいいんですか?」


ディタは困惑している。宿泊料とか話を聞いているのかわからないが、それを抜きにしても建物の質と料理の質のアンバランスさに誰でも戸惑うだろう。


「ん?もちろん。ほら冷めちゃうから早く食べて。その代わり、ね。」


「わかりました。」


俺たちはご飯を食べながらダンジョンでのことを話した。一部省略して。
今日の食卓は笑いで包まれている。時々悲鳴じみた声も聞こえてくるが。
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