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第二章
54 《メイヤ》
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あいつが敵に剣を刺した。
とどめを刺せたはずなのに、終わった気がしない。
見落としているのか?
いや、そういうのではない。
まだ、本当に終わってないんだ。
「気を緩めるなっ!」
ルナは分かっている、だけど、他の連中に対しておれは怒鳴る。
完全に気を緩ませいるこいつらならばこのまま不用意に近寄ったりして自ら死に行っただろう。
だけど、それは許さない。
部外者が勝手に入り込んでほしくないのは俺もそう思うし、絶対にあいつも許さないからだ。
だから、俺は何があってもこいつらを死なせない。
これは完全に私情だ。こいつらの命を救いたいんじゃない、こいつらに死なれて邪魔されるのが嫌なのだ。
穢されるのが嫌なんだ。
なあ、もう一人の俺、どうか、お前の心のままにいけばいい。
一人の旅路は寂しいだろう、だったら、お前くらいはついて行くのがいいだろう、あの子は怒るかもしれない。
でも、内心ではそれほど怒ってないだろう、だって、彼女だから。
本当は寂しがり屋で。
頑固で。
何でも隠すのが得意で。
でも、可愛いあいつ。
それはあの子も同じだろう、だから、お前はあの子に惹かれた。
俺と同じだ。
最後の餞に少しくらいは手を貸してやろう。
俺は剣を抜く。
その瞬間、敵の男の体が浮かび上がる。
何か言っているが、全無視だ。
男の禍々し空気に触発され、魔物が生み出される。
お約束のような展開に俺はこっそりとため息を零す。
剣に炎を纏い一閃する。
あいつと俺の視線が絡み合う。
俺の言いたい事が分かったのか、あいつは迷うことなく、男を追いかける。
さて、俺は梅雨払いをするか。
そう考えていると、ルナが援護の矢を放つ。
ああ、これがあれば百人力だ。
後始末と後の事を考えればここでドロンと消えた方が楽だけど、そうもいかないのが悲しい。
さて、この物語のエピローグは間近だ。
愛する人を失った王子様はその命と引き換えに悪を倒す。
残された者たちにどんなものが待ち構えているかなんて考えなくても分かる。
それをこいつらがどうにか出来るだろうか?
とどめを刺せたはずなのに、終わった気がしない。
見落としているのか?
いや、そういうのではない。
まだ、本当に終わってないんだ。
「気を緩めるなっ!」
ルナは分かっている、だけど、他の連中に対しておれは怒鳴る。
完全に気を緩ませいるこいつらならばこのまま不用意に近寄ったりして自ら死に行っただろう。
だけど、それは許さない。
部外者が勝手に入り込んでほしくないのは俺もそう思うし、絶対にあいつも許さないからだ。
だから、俺は何があってもこいつらを死なせない。
これは完全に私情だ。こいつらの命を救いたいんじゃない、こいつらに死なれて邪魔されるのが嫌なのだ。
穢されるのが嫌なんだ。
なあ、もう一人の俺、どうか、お前の心のままにいけばいい。
一人の旅路は寂しいだろう、だったら、お前くらいはついて行くのがいいだろう、あの子は怒るかもしれない。
でも、内心ではそれほど怒ってないだろう、だって、彼女だから。
本当は寂しがり屋で。
頑固で。
何でも隠すのが得意で。
でも、可愛いあいつ。
それはあの子も同じだろう、だから、お前はあの子に惹かれた。
俺と同じだ。
最後の餞に少しくらいは手を貸してやろう。
俺は剣を抜く。
その瞬間、敵の男の体が浮かび上がる。
何か言っているが、全無視だ。
男の禍々し空気に触発され、魔物が生み出される。
お約束のような展開に俺はこっそりとため息を零す。
剣に炎を纏い一閃する。
あいつと俺の視線が絡み合う。
俺の言いたい事が分かったのか、あいつは迷うことなく、男を追いかける。
さて、俺は梅雨払いをするか。
そう考えていると、ルナが援護の矢を放つ。
ああ、これがあれば百人力だ。
後始末と後の事を考えればここでドロンと消えた方が楽だけど、そうもいかないのが悲しい。
さて、この物語のエピローグは間近だ。
愛する人を失った王子様はその命と引き換えに悪を倒す。
残された者たちにどんなものが待ち構えているかなんて考えなくても分かる。
それをこいつらがどうにか出来るだろうか?
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