134 / 136
第二章
助っ人
しおりを挟む
「な――。」
「ひっ!」
クォーツが何か言いかけるが、それの圧で言葉を失い、目を大きく見開いている。
コーラルは悲鳴を上げ、口をパクパク上げている。
「……。」
相手の威圧に飲まれている二人に私はジッと私たちを見ていた存在に声をかける。
「金剛。」
「へいへい、お姫さん。」
『もっとシャンとせんか。』
相変わらずの二人に私は首を竦める。
「嵐牙さん、そちらの二人をお願いいたします。」
金剛は私と共にこれを仕留めましょう。」
「うぇ…、シャドードラゴンかよ。」
「そんなに嫌な相手かしら?」
「お姫さんは反則級の存在だから何とも追わないのかもしれないけど、普通の人間だったら裸足で逃げ出す存在だぞ。」
「…ワイバーンに毛が生えたような存在だと思いますけどね。」
「そんな事を言えるのはお姫さんだけだぞ。」
「……。」
私はちらりと嵐牙を見れば彼は苦笑をしていた。
『某は何も言えぬ。』
「ほーらな。」
「五月蠅いです。」
剣を構え、剣に力を込めようとして、止めた。
「ん?」
力の流れを感じ取ったのか、金剛は首を傾げる。
「お姫さん、何で力を込めるのを止めたんだ?」
「嫌な音がしもので。」
「んー、あー、確かに駄目だなー、というか、その剣結構な粗悪品だな。」
「支給品ですからね。」
「あー、確かに一般人よりもちょいできる奴なら十分かもしれねぇけど、お姫さんには完全にあってないわ。」
「ですよね。」
「そんなんじゃ、いつ壊れてもおかしくないだろうな。」
「何となします。」
私は剣に直接力を込めるのではなく、剣の周りに力を纏わせる。
「器用だな、だけど、それだと切れないじゃねぇか?」
「大丈夫です、力を振動させて切れやすくしています。」
「本当にお姫さんは規格外だな。」
金剛は軽口を叩きながらシャドードラゴンの攻撃を紙一重で避けていく。
「私はそのような大したものじゃありませんと何度か言っているはずなのですけれども。」
「だーかーら、それはお姫さんの思い違いだって。」
「そんなはずはありません。」
「あるある。」
しつこい金剛に私はため息を零し、そして、軽く地面を蹴り上げてシャドードラゴンの首の高さまで飛び上がる。
「はっ!」
一閃首を刎ねるために剣を振るうが、それを本能的に危ないと完治したシャドードラゴンはしっぽで私を振り払うように襲い掛かる。
「ちっ、そう簡単には狩らせてはくれませんか。」
舌打ちをしながら風を使いしっぽからの直接攻撃は逃れるが、風圧が私に襲い掛かる。
「くっ…。」
想定以上のそれに私はうめき声を漏らす。
「お姫さん一人で頑張るのはいいけど、オレがいる事を忘れて欲しくないな。」
「でしたら、ちゃんと働いてください。」
「えー、こんなにも頑張っているのに……なっ!」
金剛はいつの間にか張り巡らせた縄を引きシャドードラゴンの足を拘束しようとするが、するりと縄がシャドードラゴンの足をすり抜ける。
「ありゃ?」
「貴方は馬鹿ですか?」
『馬鹿だ。』
このシャドードラゴンは名の通り影で出てきている。
なのに彼は何の対策もしてない縄を使おうとしたのだ、せっかく時間を稼いだのに一体何をやっているのだろう。
「シャドードラゴンには物理攻撃が聞きません。」
「マジで?」
「ええ、何の為に私が剣に光を付与しようとしてたか分かってなかったのですか。」
「あー、そう言えば、じっちゃんの小難しい話であったような。」
『……しっかりと長老に話を付けぬといけぬな。』
「えー、やだやだ、せっかくの自由がなくなるじゃん。」
『なくなってしまって構わぬだろう、』
「ひっでーっ!」
『そんなんでやっていたら命がいくつあっても足らぬであろう。』
「大丈夫、大丈夫。」
『……そうやって己の力を過信して死んでいった者たちを何にも見てきた。』
「んなの、他は他、オレはオレだろう?全然大丈夫だろう。」
「……そんなんだから、十の小娘に負けるんですよ。」
金剛の言葉に私は思わずため息を零す。
「それはお姫さんが特別だからさ。」
『それはそうかもしれぬが。』
「否定してください、私はいつだって誰よりも弱いんです。」
「だーかーら、弱かったらワイバーンとかを一人で倒せないからな。」
「いいえ、一人前の人でしたら朝飯前ですよ、だって、酒場のおじ様たちもよく言ってましたもの。」
「いや、それは、ただの見栄だろう。」
「いいえ、きっと本当の事ですそんな事を言ったらあの方々を貶している事になるんですから。」
金剛は遠い目をして嵐牙を見た。
「なあ、このお姫さんの認識って変じゃねぇ?」
『言うな。』
「何で自己評価はメッチャ低い癖に、他に対しては何でこんなに高いんだよ、めっちゃ狂ってる。」
「私が狂っている、変なのは昔からですよ。」
金剛の言葉に私は口角を上げる。
「私は……。」
化け物なのだから。
最近は感じていなかった心臓が冷える。
全身が凍り付く。
そうだ、私は…一人で生きていなくてはいない。
他人に頼るなんてダメだ。
私は化け物、人とは相いれない存在。
そうだ、何を配慮する必要があったんだろう。
簡単な事。
さあ、一気にイキマショウ。
「ひっ!」
クォーツが何か言いかけるが、それの圧で言葉を失い、目を大きく見開いている。
コーラルは悲鳴を上げ、口をパクパク上げている。
「……。」
相手の威圧に飲まれている二人に私はジッと私たちを見ていた存在に声をかける。
「金剛。」
「へいへい、お姫さん。」
『もっとシャンとせんか。』
相変わらずの二人に私は首を竦める。
「嵐牙さん、そちらの二人をお願いいたします。」
金剛は私と共にこれを仕留めましょう。」
「うぇ…、シャドードラゴンかよ。」
「そんなに嫌な相手かしら?」
「お姫さんは反則級の存在だから何とも追わないのかもしれないけど、普通の人間だったら裸足で逃げ出す存在だぞ。」
「…ワイバーンに毛が生えたような存在だと思いますけどね。」
「そんな事を言えるのはお姫さんだけだぞ。」
「……。」
私はちらりと嵐牙を見れば彼は苦笑をしていた。
『某は何も言えぬ。』
「ほーらな。」
「五月蠅いです。」
剣を構え、剣に力を込めようとして、止めた。
「ん?」
力の流れを感じ取ったのか、金剛は首を傾げる。
「お姫さん、何で力を込めるのを止めたんだ?」
「嫌な音がしもので。」
「んー、あー、確かに駄目だなー、というか、その剣結構な粗悪品だな。」
「支給品ですからね。」
「あー、確かに一般人よりもちょいできる奴なら十分かもしれねぇけど、お姫さんには完全にあってないわ。」
「ですよね。」
「そんなんじゃ、いつ壊れてもおかしくないだろうな。」
「何となします。」
私は剣に直接力を込めるのではなく、剣の周りに力を纏わせる。
「器用だな、だけど、それだと切れないじゃねぇか?」
「大丈夫です、力を振動させて切れやすくしています。」
「本当にお姫さんは規格外だな。」
金剛は軽口を叩きながらシャドードラゴンの攻撃を紙一重で避けていく。
「私はそのような大したものじゃありませんと何度か言っているはずなのですけれども。」
「だーかーら、それはお姫さんの思い違いだって。」
「そんなはずはありません。」
「あるある。」
しつこい金剛に私はため息を零し、そして、軽く地面を蹴り上げてシャドードラゴンの首の高さまで飛び上がる。
「はっ!」
一閃首を刎ねるために剣を振るうが、それを本能的に危ないと完治したシャドードラゴンはしっぽで私を振り払うように襲い掛かる。
「ちっ、そう簡単には狩らせてはくれませんか。」
舌打ちをしながら風を使いしっぽからの直接攻撃は逃れるが、風圧が私に襲い掛かる。
「くっ…。」
想定以上のそれに私はうめき声を漏らす。
「お姫さん一人で頑張るのはいいけど、オレがいる事を忘れて欲しくないな。」
「でしたら、ちゃんと働いてください。」
「えー、こんなにも頑張っているのに……なっ!」
金剛はいつの間にか張り巡らせた縄を引きシャドードラゴンの足を拘束しようとするが、するりと縄がシャドードラゴンの足をすり抜ける。
「ありゃ?」
「貴方は馬鹿ですか?」
『馬鹿だ。』
このシャドードラゴンは名の通り影で出てきている。
なのに彼は何の対策もしてない縄を使おうとしたのだ、せっかく時間を稼いだのに一体何をやっているのだろう。
「シャドードラゴンには物理攻撃が聞きません。」
「マジで?」
「ええ、何の為に私が剣に光を付与しようとしてたか分かってなかったのですか。」
「あー、そう言えば、じっちゃんの小難しい話であったような。」
『……しっかりと長老に話を付けぬといけぬな。』
「えー、やだやだ、せっかくの自由がなくなるじゃん。」
『なくなってしまって構わぬだろう、』
「ひっでーっ!」
『そんなんでやっていたら命がいくつあっても足らぬであろう。』
「大丈夫、大丈夫。」
『……そうやって己の力を過信して死んでいった者たちを何にも見てきた。』
「んなの、他は他、オレはオレだろう?全然大丈夫だろう。」
「……そんなんだから、十の小娘に負けるんですよ。」
金剛の言葉に私は思わずため息を零す。
「それはお姫さんが特別だからさ。」
『それはそうかもしれぬが。』
「否定してください、私はいつだって誰よりも弱いんです。」
「だーかーら、弱かったらワイバーンとかを一人で倒せないからな。」
「いいえ、一人前の人でしたら朝飯前ですよ、だって、酒場のおじ様たちもよく言ってましたもの。」
「いや、それは、ただの見栄だろう。」
「いいえ、きっと本当の事ですそんな事を言ったらあの方々を貶している事になるんですから。」
金剛は遠い目をして嵐牙を見た。
「なあ、このお姫さんの認識って変じゃねぇ?」
『言うな。』
「何で自己評価はメッチャ低い癖に、他に対しては何でこんなに高いんだよ、めっちゃ狂ってる。」
「私が狂っている、変なのは昔からですよ。」
金剛の言葉に私は口角を上げる。
「私は……。」
化け物なのだから。
最近は感じていなかった心臓が冷える。
全身が凍り付く。
そうだ、私は…一人で生きていなくてはいない。
他人に頼るなんてダメだ。
私は化け物、人とは相いれない存在。
そうだ、何を配慮する必要があったんだろう。
簡単な事。
さあ、一気にイキマショウ。
0
あなたにおすすめの小説
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした
藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると
土地を蝕む邪気となって現れる。
それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。
派手な奇跡は起こらない。
けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。
――その役目を、誰一人として理解しないまま。
奇跡が少なくなった。
役に立たない聖女はいらない。
そう言われ、私は静かに国を追放された。
もう、祈る理由はない。
邪気を生み出す原因に目を向けず、
後始末だけを押し付ける国を守る理由も。
聖女がいなくなった国で、
少しずつ異変が起こり始める。
けれど彼らは、最後まで気づかなかった。
私がなぜ祈らなくなったのかを。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない
三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。
お妃さま誕生物語
すみれ
ファンタジー
シーリアは公爵令嬢で王太子の婚約者だったが、婚約破棄をされる。それは、シーリアを見染めた商人リヒトール・マクレンジーが裏で糸をひくものだった。リヒトールはシーリアを手に入れるために貴族を没落させ、爵位を得るだけでなく、国さえも手に入れようとする。そしてシーリアもお妃教育で、世界はきれいごとだけではないと知っていた。
小説家になろうサイトで連載していたものを漢字等微修正して公開しております。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
没落領地の転生令嬢ですが、領地を立て直していたら序列一位の騎士に婿入りされました
藤原遊
ファンタジー
魔力不足、財政難、人手不足。
逃げ場のない没落領地を託された転生令嬢は、
“立て直す”以外の選択肢を持たなかった。
領地経営、改革、そして予想外の縁。
没落から始まる再建の先で、彼女が選ぶ未来とは──。
※完結まで予約投稿しました。安心してお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる