私モブ(幽霊)だよねっ!

弥生 桜香

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北斗サイド

イベント不発? 1

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 この学校には普通の学校にはない授業がある、それは能力を有していて、なおかつ自覚がある人物だけが受けれる授業があった。

 ただ、能力は多種多様な為、個人的な授業はあまりなく、どんな能力の奴でも同じ内容の授業を受けることになっていた。

 まあ、基本のコントロールは一致している所もあるのかだから仕方ないかもしれないが。

 そして、今その授業が行われている。

 正直に言えば俺の能力とは大きくかけ離れてい為、退屈だ。

「この薬草はよく似ており、一般の人では見わけがつかない、しかし、癒しの能力、植物の能力を持つものと、光の能力を持つものはそれを可視する事が出来る。」

 教師の話しなんて右から左に抜ける。

 まあ、教科書や配られたプリントにも書いてあるので、テストは何とかあるだろう、むしろ、俺が気になるのはスピカだ。

 彼女は食い入るようにこの授業を見ている、いつも、いつも目を輝かせて本当に可愛い。

「そして、彼らが言う方の光っている方は煎じれば薬草になるが、光っていない方を煎じてしまうと、一瞬で気化し痺れてしまうので注意が必要となる。」

 物珍しそうに俺の教科書を覗き込む彼女に俺頬が自然と緩む。

「それでは実際に煎じてみようと思う。」

 目の前の教師が薬草を手に持って、すり鉢に入れた瞬間、悲鳴のような声がスピカの口から漏れる。

「えっ!ちょっと、そっちは違うっ!」

 違う?

 何が?

 薬草が?

 ちょっと待て、さっきあの気容姿は何て言った?

『一瞬で気化し痺れてしまうので注意が必要となる。』

 そう言わなかったか?

 一瞬にして理解した俺は立ち上がる。

「どうした、赤塚。」

 立ち上がった時に思ったより勢いがよかったのか、椅子が大きな音を立ててしまったが、幸いにもそのお陰で教師の手が止まった。

「その薬草はあっているのでしょうか?」

 俺は鋭い目で睨めば、教師は平然としたような顔に見えるが、俺から見れば蛇に睨まれたカエルのような顔をしている。

「ああ、印があるからな。」

 俺はスピカの方を一瞥すると、彼女は真剣な目で俺に訴える。

「そっちは光っていないよ、煎じちゃ駄目っ!」

 光って見えるってお前……。

 だけど、今はそれで口論する余裕なんてない、もし、彼女が言っている事が本当なら大惨事。

 まあ、スピカの事は端から疑っていない。でも、彼女が言っている事がマジで起こってしまったかなりマズイ。

「………。」

 握り拳を作って訴えるように俺を見る彼女に俺は腹を括る。
 これで、一発で分かる、彼女に能力(ちから)があるのかどうか。
 手に熱を込め、俺はスピカの手を引く。

「赤塚、何をしているんだ。」

 突然俺が席を立ち、教壇に向かってきたので、教師が驚いている。
 でも、今は時間がない。

「……スピカ、俺に力を貸せ。」
「えっ?ちょ、どうやって。」

 証明するんなら簡単だ。こいつの力を借りれば。

 俺は薬草を掴み、そして、彼女は俺の方に触れると優しい何かが流れ込んでくる。

 それは爽やかな草の香りの匂いがしているような気がした。

「流石、スピカだな。」

 やはり、彼女は本物だった、俺の手元には発光した薬草がある。

「えっ?」
「嘘だろう。」
「ちょっと。」

 教室中に驚きの渦が巻き起こる。

「………赤塚。」
「何ですか。」
「……後で職員室に着なさい。」
「……はぁ。」

 分かっていた、分かっていたけど、面倒な事になった。

 そう思っていたら、スピカが抱きしめて来た。

 本当に可愛い奴。

「……分かりました。」

 俺は教師にそう言い、席に戻る。
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