私モブ(幽霊)だよねっ!

弥生 桜香

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幽霊少女サイド

一歩引いてイベントを見た

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「……。」
「なあ。」
「……。」
「あれは、何の茶番だ?」
「……。」

 うん、なんかイベントで見たことあるよね、あの光景。
 私たちの目の前で、行われている寸劇に私たちは半眼になりながらそれを見ていた。

「あの、先輩、一緒に来てくれませんか?」
「ああ、勿論だ。」

 可愛らしい女生徒が、イケメンに対してお願いする。
 確か、今の競技は借り物だったはずだ。

「確か、好感度が高い人が選ばれるんだっけ。」
「あっそ。」
「というか、あの子が、ヒロインか。」

 サラサラな長い髪。

 大きな瞳。

 美人と言うよりは可愛い系の女の子だった。

 ズキリ

「――っ!」
「スピカ?」

 急に頭が痛くなった。
 北斗は私を心配してくれるけど、その痛みは一瞬だったので、すぐに、笑ってごまかす。

「何でもないよ。」
「本当か?」
「うん。」
「……。」

 まだ訝しむ北斗に本当なのにな、と少し呆れる。

「あっ、ゴールした。」

 いつの間にかヒロインの子はゴールしている、うん、一位だ。

「バ会長、一位か、最下位だったらよかったのに。」
「あっ、あの人会長なんだ。」

 私は気づかなかったけど、そういえば面影があるかも。

「…………ふーん。」

 何となく気に食わなかった。
 ゲームではカッコイイとか思った気もするけど、現実のあの人は大嫌いだった。
 何せ人に迷惑をかける。
 北斗がどんなけ苦労しているのか知っているのか。
 絶対にあの人は気づいていない。
 だから、私は北斗の苦労を分かろうとしないあの人が大嫌いだった。

「スピカ?」
「ねー、北斗、薬って過ぎれば毒になるというけど、どう思う?」
「どうって…。」

 私の発言に北斗は頬を引きつらせる。

「少しくらいやってもいいかな?」
「お前、マジ何を考えているんだ。」
「うーん、アレが使えなくなればいいなー、なんて。」

 うん、いいかもしれない。
 どうせ、あんな屑を親に持つなんて、子供がかわいそうじゃないか。
 うーん、どうすれば、いいかな。
 私はジッと自分の手を見るが、いい方法が思いつかない。
 もっとちゃんと勉強すればできるかな?

「す、スピカさん…。」

 名前を呼ばれてみれば、何故か北斗はその顔を青ざめていた。

「どうしたの?」
「どうしたのじゃねぇよ。」

 北斗の言いたい事が分からない。

「やらねぇよな。」
「方法が分からないからね。」
「……。」

 私の言葉を聞いた北斗は胸をなでおろしている。

 解せない。

「お前は本当に何もするな。」
「えー。」
「いいな。」
「はーい。」
「……。」

 北斗は疑わしそうに私を見るが、私だって分からないものは分からないんだから、それに調べようにも出来ないし。

 あーあ、でも、あの野郎をどうにかする方法があれば実行してやるんだけどな。

 そうこうしているうちに、お昼がやってきた。

 私は忘れていた、運動会のイベントには借り物競争、好感度が高い人が分かるイベントと好感度が低いキャラの救済措置としてお昼のイベントがあるという事を――。
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