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幽霊少女サイド

文化祭が始まった

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「……。」

 机に寝そべる死体が一つあった。

「大丈夫?」
「……。」

 私は恐る恐る声をかけるが、死体――北斗はうんともすんとも返事を返さない。

「……。」

 完徹が四日、そして、今日は文化祭当日。
 緊張の糸が切れても可笑しくはないけれども、こうも静かにされると少し怖かった。

「北斗?」
「……。」

 うーん、今日は生徒だけで楽しむ前日祭。
 明日は保護者や他校が来る本日祭。
 そして、最終日は生徒会役員による。
 三日間かけてのお祭りだけれど、北斗は当日まで持たなかった。
 幸いにも北斗のクラスは展示を選んだために北斗は店番も免除されて一日寝る事は可能だった。

 でも…。
 私は北斗の前に置かれている彼の携帯を見て、困った顔をするしか出来なかった。
 鳴り続ける携帯には次々とメッセージが浮かんでは次へと変わる。
 多分二十は超えたと思う。

「ほーくーと、そろそろ、起きて。」

 そうじゃないと電話が鳴りそう。
 と思っていたら。

 うん、鳴り始めたね。

 カタカタと動く携帯を見つめながら私は呆れる。
 駄目だこりゃと肩を竦め、大人しく北斗が起きるのを待つことにした。

 そして、北斗がようやく動き出した時にはメッセージが五十件。
 電話が六十件たまっていた。

 そして、それに北斗は恐怖で顔をこわばらせているけれども、私はちゃんと起こそうとした。
 だけど、起きなかった北斗に非があるので、私は素知らぬ顔をする。
 お姉さんの連絡はどうやら明日行くから案内しなさいという連絡だった。
 可哀そうな北斗の明日の運命は決まっていた。

 私はそっと合掌をする。
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