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幽霊少女サイド
バトンタッチ
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春が来た。
桜の花がまるで私たちを出迎えるかのように咲き乱れていた。
去年の今頃、私は生死をさ迷って、半生霊としてこの学園をさ迷っていた。
まあ、去年の私はそもそも自分の名前も分かっていなかったけど。
それがまさか来年には一年生ではなく二年生としてこの場所に立つとは思っていなかった。
「――っ!」
「ご、ごめん…なさいっ!」
ボーとしていたのが悪かったのか、後ろから衝撃が走り、見れば新入生らしき子がぼさぼさの髪で謝ってきた。
「おい、何やっているんだっ!」
「あ、嵐(あらし)。」
「この馬鹿、先にやる事があるだろうがっ!」
どうやらぶつかったこの知り合いの男の子がぶつかった女の子の頭をがしりと掴んで勢いよく私に頭を下げさせた。
「痛いっ!痛いっ!痛いっ!」
「すみません、この馬鹿が突っ込んでしまって、怪我はありませんか?」
「私は大丈夫だから、あの、その、その子痛がっているから、離した方が…。」
「……。」
彼は彼女を一瞥して、そして、かなり不服そうに手を離した。
「よかったな、流依(るい)。」
「嵐のバカ力…。」
流依と呼ばれた少女は涙目で彼を睨む。
「ふふふ、ほら、急がないと遅刻するよ?」
仲のいい二人に私は思わず笑いを零すが、現実を考えればこれ以上引き留めるのは彼女たちもそうだけれども、自分もまずいので指摘する。
「ヤベ。」
「えっ?」
「本当にすみませんでしたっ!」
彼は彼女の手を取り、走り出すが、すぐに私を思い出したのか、頭を下げてまた走るスピードを上げた。
「元気だな~。」
この体は走るにはまだ無理だから私はゆっくりと校舎に向かって歩き出す。
生徒会役員の北斗は今は講堂で準備をしているので、このことは後で話そう、きっと彼は顔を顰めて私の体を心配するだろう。
私はここでふと足を止める。
あれ?さっきの男の子どこかで…。
うんうんと唸っていると、ようやく思い出す。
「あっ、セカンドの新キャラに似ている。」
まだパッケージしか見てないけれども、先ほどの彼はパッケージ描かれていた人物によく似ていた。
私は表情を強張らせ立ち去った彼らの行く末が良き方向に向くように願う。
この時の私は全くの他人ごとに思っていた。だけど、すぐに思い知らされる。
私の彼はあのゲームの攻略キャラなので巻き込まれない訳がなかったのだ。
桜の花がまるで私たちを出迎えるかのように咲き乱れていた。
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「――っ!」
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