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第七章
第七章「ハロウィン」14
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涼也はその光景を見て唖然とした。
その光景とは。
碧と
樹が
にこやかに
腕を組みながら
あいさつ回りをしている
「とうとう頭いかれたのか?」
「なーに失礼な事言っているんだよ。」
「……。」
聞き覚えのある声に涼也がそちらに顔を向けると案の定そこには碧と樹の二人がそこにいた。
「よお、遅かったな。」
「……。」
笑顔だった碧が一瞬顔を崩す。
「分かってて言っているだろう。」
「当たり前だろう。」
「……。」
「おいおい、人の嫁さん虐めるなよ。」
「お前がそんなにノリがいいとは知らなかったな。」
碧と涼也の間に樹が割り込み、涼也は思わず突っ込みを入れてしまった。
「どうせ、そんな意図があったんだろう。」
「明らかにな。」
「だったら、乗ってやった方が親切だろう。」
「黒歴史になるのにか?」
「どうせ、今年に入ってもう積み重ねまくってるからな。」
「……ああ。」
涼也の言葉に碧が遠い目をしながら言ったものだから、涼也は本気で不憫に思いながら彼を見た。
「そうだったな。」
「だろう。」
「そういや、いいのか猫被らないで。」
「何か涼也の前だと猫被るのが馬鹿らしく思えてな。」
「そうか。」
「おい、次回るぞ。」
「……。」
樹の言葉に碧は艶やかに微笑む。
「ええ、旦那様。」
ほっそりとした女性と見まごう程の指が樹の腕に絡まる。
「それでは、わたくしたちは行きますわね。」
「おっ、おお、頑張れ。」
「行くぞ。」
「はい。」
まるで本当の仲のいい夫婦のように二人は次に向かった。
「す、すげーな。」
まるで一枚の幸せそうな花嫁と花婿に見える二人だが、実際は二人とも男で、どちらかといえば仲はあまりよくはないだろう。
「そう思っているのは涼ちゃんだけだと思うよ。」
「うえっ!」
「……なんだかその驚き方傷つくな~。」
いつの間にか現れた雪美に涼也は顔を引きつらせる。
「いつの間に…。」
「さっきから見てたよ。」
「マジかよ。」
ニッコリと笑っている雪美に涼也は本当に気づかなかったので、少しショックを受けている。
「最近、勘が鋭くなったかなとか思っていたが…。」
「まだまだ、甘いね。」
カラカラと笑っている雪美に涼也は少しその言葉が突き刺さる。
「マジかよ。」
「ふふふ、もっと精進しなさい。」
「つーか、雪姉は何者なんだよ。」
「わたし?わたしは腐女子よ。」
「ぶっ!」
胸を張って言う雪美に思わず涼也は吹き出す。
「どうしたの?」
「どうしたのじゃねぇよ、つーか、堂々とそんな事を口にするな。」
「えー、いいじゃない。」
「よくねぇよ。」
訳が分からないというような顔をする雪美に涼也は軽く彼女を睨む。
「恥ずかしいじゃねぇか。」
「何がよ、観察だって立派な趣味じゃない。」
「観察ってなんだよ、そのカメラは何だよ盗撮は犯罪だ。」
「えっ、してないわよ、内緒撮りはしているけど。」
雪美は手に持っていたカメラをサッと後ろに隠すが、残念ながら全く隠せていない。
「盗撮だろうっ!」
「いいえ、ちょっと、取ろうと思ったところにいい感じのカップルがいるから撮っただけよ。」
「無断だろう。」
「ええ、無断よ。」
「開き直るな。」
「いいじゃない、これも大切な思い出なんだし。」
「何処がだよ。」
「大丈夫、大丈夫、悪用はしない。」
「……。」
雪美の言葉に嘘はない、嘘はない事は涼也だって分かっているが。
「悪用は…って、それ以外は?」
「……。」
涼也の言葉に雪美はあからさまに目を逸らす。
「ネタとか言うんじゃねぇよな。」
涼也の言葉に雪美はへたくそな口笛を吹く。
「……おい。」
「えへへ。」
笑って誤魔化そうとする雪美にとうとう涼也は切れる。
「前々から思っていたけど。」
「何よ、涼ちゃん。」
「人様に迷惑をかけるな。」
「かけてないわよ。」
「かけているだろう、明らか、つーか、信者を増やすな。」
「信者って何よ、可愛い後輩ちゃんじゃない。」
「分かっててやっているのかっ!」
「何の事かしら?」
本気で分かっていないのか雪美は首を傾げる。
「マジかよ。」
「何よ。」
「はー、頼むから、これ以上信者を増やすなよ。」
「信者ないって言っているわよね、これ以上言うと本気で怒るわよ。」
「……。」
涼也は何か言いたげだが、諦めた。
「頼むから腐った奴らを増殖させるのはやめてくれ。」
「何でよ、わたしの趣味の理解者に会っているだけでしょ。」
「……。」
明らかにこの従姉の所為で増殖していると知っている涼也は口を開きたくなるが、残念ながらその自覚のない雪美に説明する気力は今の涼也には残っていなかった。
そして、もし、この光景を京也が見ていたのなら二人は間違いなく血が繋がっているよ、と言っていただろう。
無自覚だが、涼也もまた他人に影響を及ぼすところがあり、それに関しては無自覚なのだった。
「本当にどうにかしてくれ。」
涼也は天を仰ぐ。
残念ながら彼の願いを叶える神様はこの世界にはいなかった。
その光景とは。
碧と
樹が
にこやかに
腕を組みながら
あいさつ回りをしている
「とうとう頭いかれたのか?」
「なーに失礼な事言っているんだよ。」
「……。」
聞き覚えのある声に涼也がそちらに顔を向けると案の定そこには碧と樹の二人がそこにいた。
「よお、遅かったな。」
「……。」
笑顔だった碧が一瞬顔を崩す。
「分かってて言っているだろう。」
「当たり前だろう。」
「……。」
「おいおい、人の嫁さん虐めるなよ。」
「お前がそんなにノリがいいとは知らなかったな。」
碧と涼也の間に樹が割り込み、涼也は思わず突っ込みを入れてしまった。
「どうせ、そんな意図があったんだろう。」
「明らかにな。」
「だったら、乗ってやった方が親切だろう。」
「黒歴史になるのにか?」
「どうせ、今年に入ってもう積み重ねまくってるからな。」
「……ああ。」
涼也の言葉に碧が遠い目をしながら言ったものだから、涼也は本気で不憫に思いながら彼を見た。
「そうだったな。」
「だろう。」
「そういや、いいのか猫被らないで。」
「何か涼也の前だと猫被るのが馬鹿らしく思えてな。」
「そうか。」
「おい、次回るぞ。」
「……。」
樹の言葉に碧は艶やかに微笑む。
「ええ、旦那様。」
ほっそりとした女性と見まごう程の指が樹の腕に絡まる。
「それでは、わたくしたちは行きますわね。」
「おっ、おお、頑張れ。」
「行くぞ。」
「はい。」
まるで本当の仲のいい夫婦のように二人は次に向かった。
「す、すげーな。」
まるで一枚の幸せそうな花嫁と花婿に見える二人だが、実際は二人とも男で、どちらかといえば仲はあまりよくはないだろう。
「そう思っているのは涼ちゃんだけだと思うよ。」
「うえっ!」
「……なんだかその驚き方傷つくな~。」
いつの間にか現れた雪美に涼也は顔を引きつらせる。
「いつの間に…。」
「さっきから見てたよ。」
「マジかよ。」
ニッコリと笑っている雪美に涼也は本当に気づかなかったので、少しショックを受けている。
「最近、勘が鋭くなったかなとか思っていたが…。」
「まだまだ、甘いね。」
カラカラと笑っている雪美に涼也は少しその言葉が突き刺さる。
「マジかよ。」
「ふふふ、もっと精進しなさい。」
「つーか、雪姉は何者なんだよ。」
「わたし?わたしは腐女子よ。」
「ぶっ!」
胸を張って言う雪美に思わず涼也は吹き出す。
「どうしたの?」
「どうしたのじゃねぇよ、つーか、堂々とそんな事を口にするな。」
「えー、いいじゃない。」
「よくねぇよ。」
訳が分からないというような顔をする雪美に涼也は軽く彼女を睨む。
「恥ずかしいじゃねぇか。」
「何がよ、観察だって立派な趣味じゃない。」
「観察ってなんだよ、そのカメラは何だよ盗撮は犯罪だ。」
「えっ、してないわよ、内緒撮りはしているけど。」
雪美は手に持っていたカメラをサッと後ろに隠すが、残念ながら全く隠せていない。
「盗撮だろうっ!」
「いいえ、ちょっと、取ろうと思ったところにいい感じのカップルがいるから撮っただけよ。」
「無断だろう。」
「ええ、無断よ。」
「開き直るな。」
「いいじゃない、これも大切な思い出なんだし。」
「何処がだよ。」
「大丈夫、大丈夫、悪用はしない。」
「……。」
雪美の言葉に嘘はない、嘘はない事は涼也だって分かっているが。
「悪用は…って、それ以外は?」
「……。」
涼也の言葉に雪美はあからさまに目を逸らす。
「ネタとか言うんじゃねぇよな。」
涼也の言葉に雪美はへたくそな口笛を吹く。
「……おい。」
「えへへ。」
笑って誤魔化そうとする雪美にとうとう涼也は切れる。
「前々から思っていたけど。」
「何よ、涼ちゃん。」
「人様に迷惑をかけるな。」
「かけてないわよ。」
「かけているだろう、明らか、つーか、信者を増やすな。」
「信者って何よ、可愛い後輩ちゃんじゃない。」
「分かっててやっているのかっ!」
「何の事かしら?」
本気で分かっていないのか雪美は首を傾げる。
「マジかよ。」
「何よ。」
「はー、頼むから、これ以上信者を増やすなよ。」
「信者ないって言っているわよね、これ以上言うと本気で怒るわよ。」
「……。」
涼也は何か言いたげだが、諦めた。
「頼むから腐った奴らを増殖させるのはやめてくれ。」
「何でよ、わたしの趣味の理解者に会っているだけでしょ。」
「……。」
明らかにこの従姉の所為で増殖していると知っている涼也は口を開きたくなるが、残念ながらその自覚のない雪美に説明する気力は今の涼也には残っていなかった。
そして、もし、この光景を京也が見ていたのなら二人は間違いなく血が繋がっているよ、と言っていただろう。
無自覚だが、涼也もまた他人に影響を及ぼすところがあり、それに関しては無自覚なのだった。
「本当にどうにかしてくれ。」
涼也は天を仰ぐ。
残念ながら彼の願いを叶える神様はこの世界にはいなかった。
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