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第五章
第五章「文化祭」36
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「きゃー、雪美さん。」
「可愛い。」
「綺麗。」
「肌白い。」
「うわー、化粧品何使っているんですか?」
「その体形の意地方法って何ですか?」
「彼氏いるんですか?」
「あの本読みました、続きはないんですか?」
「イケメン×天然よかったです、是非シリーズに。」
女子に囲まれる雪美に対し、涼也は彼女らに囲まれないように壁に逃げ込む。
「うへー、すげー。」
「ああ、天国だ。」
「阿保。」
壁際に避難すればいつものメンバーが揃い、涼也は何となく安心する。
「あいつ、女に囲まれて何が嬉しいんだかな。」
「えー、目の保養だろう。」
「……。」
涼也はあの会話の後半部分を聞けばどこが保養になるのかと、怪訝な顔をする。
「はー、羨ましい。」
「……。」
涼也はふとこの馬鹿と同じように騒ぎそうな碧を見ると、彼はどこか表情を硬くしていた。
「碧、どうしたんだ?」
「あー、いやー、その。」
歯切れの悪い彼に涼也は本気で心配になる。
「大丈夫か、腹が痛いようなら薬持っているから飲むか?」
「いや、腹が痛てーとかじゃなくって。」
「なら、何なんだ?」
「……人多すぎじゃねぇか?」
「……。」
青くなった顔、その言葉に涼也は何となく気づいた。
「なーに、お前緊張してんのか?」
「……し、しない方が変じゃねぇかよ。」
僅かに上ずった声に涼也は、こいつは別の事を考えていた事を悟る。
「………はぁ、ようやく、人前で女装する恐ろしさに気づいたか。」
「………。」
馬鹿な友人は気づかなかった事にもう一人の友人は気づいたようで二人には聞こえないようにそう呟いていた。
「さーて、涼ちゃん。」
「涼ちゃん言うな、雪美。」
流石にクラスメートの前で愛称で呼ばれるのは恥ずかしかったので、涼也は顔を赤くさせながら怒鳴る。
「涼ちゃんはいつまで経っても涼ちゃんよ。」
「……諦めろ、姉というのはああいうもんだ。」
どこか悟った様子を見せる友人に涼也はそう言えば、こいつには年の離れた姉が居る事を思い出した。
「お前も苦労しているんだな。」
「まあな。」
「……互いに不憫だな。」
「ああ。」
「もう、涼ちゃんハウスっ!」
「犬じゃないから。」
涼也は怒鳴ってから渋々雪美の荷物を持って彼女の近くに寄る。
「何なんだよ。」
「それ、広げて頂戴。」
「ん?」
涼也は首を僅かに傾げながら荷物を開ける。
そして、目の前に広がるは様々な化粧品の山だった。
「何だよ、これ。」
「キサキさんが提供してくれたのよ。」
「マジかよ。」
何処に金をかけているのだと涼也は呆れながらこの化粧品の使われる先を思い憐れむ。
「さーて、今日のヒロインはどの子かな?」
綺麗な笑みを浮かべながら得物を探す雌豹に涼也は背中から冷たい汗が流れ落ちる。
「雪美さーん。」
「この子でーす。」
いつの間にか碧の後ろに回り込んだ女子二人はがっちりと碧の腕を掴んでいた。
「へ?あ?いつの間に……。」
「へー……いいわね。」
舌なめずりする雪美は完全にターゲットをロックオンした狩人だった。
「あー。」
涼也は額を押さえ、哀れな仔羊に心の中で合掌する。
「え、あ、ああああああああ、ぎゃあああああああああああっ!」
哀れな仔羊である碧の悲鳴が教室中に響き渡るが、残念ながら彼に逃亡の手助けをする人物はここにはいなかった。
「可愛い。」
「綺麗。」
「肌白い。」
「うわー、化粧品何使っているんですか?」
「その体形の意地方法って何ですか?」
「彼氏いるんですか?」
「あの本読みました、続きはないんですか?」
「イケメン×天然よかったです、是非シリーズに。」
女子に囲まれる雪美に対し、涼也は彼女らに囲まれないように壁に逃げ込む。
「うへー、すげー。」
「ああ、天国だ。」
「阿保。」
壁際に避難すればいつものメンバーが揃い、涼也は何となく安心する。
「あいつ、女に囲まれて何が嬉しいんだかな。」
「えー、目の保養だろう。」
「……。」
涼也はあの会話の後半部分を聞けばどこが保養になるのかと、怪訝な顔をする。
「はー、羨ましい。」
「……。」
涼也はふとこの馬鹿と同じように騒ぎそうな碧を見ると、彼はどこか表情を硬くしていた。
「碧、どうしたんだ?」
「あー、いやー、その。」
歯切れの悪い彼に涼也は本気で心配になる。
「大丈夫か、腹が痛いようなら薬持っているから飲むか?」
「いや、腹が痛てーとかじゃなくって。」
「なら、何なんだ?」
「……人多すぎじゃねぇか?」
「……。」
青くなった顔、その言葉に涼也は何となく気づいた。
「なーに、お前緊張してんのか?」
「……し、しない方が変じゃねぇかよ。」
僅かに上ずった声に涼也は、こいつは別の事を考えていた事を悟る。
「………はぁ、ようやく、人前で女装する恐ろしさに気づいたか。」
「………。」
馬鹿な友人は気づかなかった事にもう一人の友人は気づいたようで二人には聞こえないようにそう呟いていた。
「さーて、涼ちゃん。」
「涼ちゃん言うな、雪美。」
流石にクラスメートの前で愛称で呼ばれるのは恥ずかしかったので、涼也は顔を赤くさせながら怒鳴る。
「涼ちゃんはいつまで経っても涼ちゃんよ。」
「……諦めろ、姉というのはああいうもんだ。」
どこか悟った様子を見せる友人に涼也はそう言えば、こいつには年の離れた姉が居る事を思い出した。
「お前も苦労しているんだな。」
「まあな。」
「……互いに不憫だな。」
「ああ。」
「もう、涼ちゃんハウスっ!」
「犬じゃないから。」
涼也は怒鳴ってから渋々雪美の荷物を持って彼女の近くに寄る。
「何なんだよ。」
「それ、広げて頂戴。」
「ん?」
涼也は首を僅かに傾げながら荷物を開ける。
そして、目の前に広がるは様々な化粧品の山だった。
「何だよ、これ。」
「キサキさんが提供してくれたのよ。」
「マジかよ。」
何処に金をかけているのだと涼也は呆れながらこの化粧品の使われる先を思い憐れむ。
「さーて、今日のヒロインはどの子かな?」
綺麗な笑みを浮かべながら得物を探す雌豹に涼也は背中から冷たい汗が流れ落ちる。
「雪美さーん。」
「この子でーす。」
いつの間にか碧の後ろに回り込んだ女子二人はがっちりと碧の腕を掴んでいた。
「へ?あ?いつの間に……。」
「へー……いいわね。」
舌なめずりする雪美は完全にターゲットをロックオンした狩人だった。
「あー。」
涼也は額を押さえ、哀れな仔羊に心の中で合掌する。
「え、あ、ああああああああ、ぎゃあああああああああああっ!」
哀れな仔羊である碧の悲鳴が教室中に響き渡るが、残念ながら彼に逃亡の手助けをする人物はここにはいなかった。
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