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第五章
第五章「文化祭」43
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ずんずんと進んでいく碧は人が多いのに、まるで避けられるかのように道が開いている事に首を傾げる。
碧は実際に道を開けられている事に気づいてはいない。
「おい、どこまで行く気だ。」
かなり進んでから樹に声を掛けられ、碧は自分の疑問を霧散させる。
「人気が少ない場所。」
「……。」
無言になった樹に碧は訝しむ。
「どうしたんだよ?」
「お前はどうしてそこまで無計画なんだよ。」
「あん?」
「どうせ、適当に進んでいるだろ。」
「……。」
図星を指された碧は気まずそうに目を逸らす。
「……はぁ。」
樹は溜息を零し碧の手首を掴む。
「行くぞ。」
「へぁ?」
素っ頓狂な碧を無視して樹は上の階へと目指す。
三階まで上がると人気は少なく、すれ違う人も忙しそうにしており、樹たちを一瞥するだけで自分の事に集中している。
「何でだ?」
「三年は屋台とかがメインだからな、だから、基本的に人は立ち寄らないと聞いてたからな。」
「誰の情報だよ。」
「従兄だ。」
「……やっぱダチとかの情報じゃないんだな。」
何故かホッとしたような顔をする碧に樹の眉が上がる。
「どういう意味だ。」
「だってさ、お前友達すくねぇだろう。」
「……。」
バッサリと切り捨てる碧に樹は言い返そうとするが、残念ながら彼は心を許せる友達という者はいなかった。
強いて言いうなら互いに利害関係を持った知人ならいるのだがーー。
「そういや、お前のダチって、どういう奴がいるんだ?」
首を傾げる碧に腹が立った樹は碧の腕を強く引っ張った。
樹はただ碧を驚かせようと思っただけだった。
しかし、二人は失念していた碧がまだ白雪姫の衣装を着ていた事に。
普段の服装だったら多分碧は踏ん張る事が出来たのだろうが、残念ながら彼が履いているのは少しヒールのある靴だった。
普通に歩くくらいならば碧も慣れていた。
だけど、急に踏ん張るほどには慣れていない彼はそのまま床に向かって体を傾けた。
「えっ?」
「おい。」
碧は受け身を取ろうとするが、いつまで経っても予想している痛みがなかった。
「ん?」
いつの間にか瞑っていたので、瞼を押し上げ自分の現状を確認する。
サラリと視界の端で金色の糸…ウイッグが揺れている。
そして、今気づいたのだが、腹に暖かい何か食い込んでいる。
碧は顔をめぐらせると、不機嫌そうな眼と視線がぶつかる。
「てめぇ。」
「んあ?」
「さっさと態勢を整えろ、重いだろうが。」
「あっ。」
碧はようやく自分が樹に体を支えてもらっている事を悟る。
「ははは、サンキュ。」
無理やりこけさせられそうになったので、碧は謝りたくはなかったが、かと言って樹に助けられたのは事実なので感謝の言葉を口にする。
「ふん。」
鼻を鳴らし、そっぽを向く樹だが、流石に自分が悪いと思っているのか碧に対してしっかりと手を差し伸べ碧の体を支えてくれていた。
「そういや、どこまで行くんだ?」
何となく気恥ずかしいのか視線を彷徨わせながら碧は樹に尋ねる。
「屋上。」
「ん?あそこって鍵がかかっているんじゃ。」
「合鍵。」
「……。」
目の前にさらされる銀色の個体に碧の目が点になる。
「何でお前がこんなもんを持っているんだよ。」
「従兄。」
「お前の従兄って何もんだよ。」
「……。」
何故か目を逸らされる碧は首を傾げる。
「どうかしたんだ?」
「いや、何でもない。」
「変な奴。」
「行くぞ。」
「はいはい。」
碧も樹も気づいていないいつの間にか普通に話せている事をーー。
碧は実際に道を開けられている事に気づいてはいない。
「おい、どこまで行く気だ。」
かなり進んでから樹に声を掛けられ、碧は自分の疑問を霧散させる。
「人気が少ない場所。」
「……。」
無言になった樹に碧は訝しむ。
「どうしたんだよ?」
「お前はどうしてそこまで無計画なんだよ。」
「あん?」
「どうせ、適当に進んでいるだろ。」
「……。」
図星を指された碧は気まずそうに目を逸らす。
「……はぁ。」
樹は溜息を零し碧の手首を掴む。
「行くぞ。」
「へぁ?」
素っ頓狂な碧を無視して樹は上の階へと目指す。
三階まで上がると人気は少なく、すれ違う人も忙しそうにしており、樹たちを一瞥するだけで自分の事に集中している。
「何でだ?」
「三年は屋台とかがメインだからな、だから、基本的に人は立ち寄らないと聞いてたからな。」
「誰の情報だよ。」
「従兄だ。」
「……やっぱダチとかの情報じゃないんだな。」
何故かホッとしたような顔をする碧に樹の眉が上がる。
「どういう意味だ。」
「だってさ、お前友達すくねぇだろう。」
「……。」
バッサリと切り捨てる碧に樹は言い返そうとするが、残念ながら彼は心を許せる友達という者はいなかった。
強いて言いうなら互いに利害関係を持った知人ならいるのだがーー。
「そういや、お前のダチって、どういう奴がいるんだ?」
首を傾げる碧に腹が立った樹は碧の腕を強く引っ張った。
樹はただ碧を驚かせようと思っただけだった。
しかし、二人は失念していた碧がまだ白雪姫の衣装を着ていた事に。
普段の服装だったら多分碧は踏ん張る事が出来たのだろうが、残念ながら彼が履いているのは少しヒールのある靴だった。
普通に歩くくらいならば碧も慣れていた。
だけど、急に踏ん張るほどには慣れていない彼はそのまま床に向かって体を傾けた。
「えっ?」
「おい。」
碧は受け身を取ろうとするが、いつまで経っても予想している痛みがなかった。
「ん?」
いつの間にか瞑っていたので、瞼を押し上げ自分の現状を確認する。
サラリと視界の端で金色の糸…ウイッグが揺れている。
そして、今気づいたのだが、腹に暖かい何か食い込んでいる。
碧は顔をめぐらせると、不機嫌そうな眼と視線がぶつかる。
「てめぇ。」
「んあ?」
「さっさと態勢を整えろ、重いだろうが。」
「あっ。」
碧はようやく自分が樹に体を支えてもらっている事を悟る。
「ははは、サンキュ。」
無理やりこけさせられそうになったので、碧は謝りたくはなかったが、かと言って樹に助けられたのは事実なので感謝の言葉を口にする。
「ふん。」
鼻を鳴らし、そっぽを向く樹だが、流石に自分が悪いと思っているのか碧に対してしっかりと手を差し伸べ碧の体を支えてくれていた。
「そういや、どこまで行くんだ?」
何となく気恥ずかしいのか視線を彷徨わせながら碧は樹に尋ねる。
「屋上。」
「ん?あそこって鍵がかかっているんじゃ。」
「合鍵。」
「……。」
目の前にさらされる銀色の個体に碧の目が点になる。
「何でお前がこんなもんを持っているんだよ。」
「従兄。」
「お前の従兄って何もんだよ。」
「……。」
何故か目を逸らされる碧は首を傾げる。
「どうかしたんだ?」
「いや、何でもない。」
「変な奴。」
「行くぞ。」
「はいはい。」
碧も樹も気づいていないいつの間にか普通に話せている事をーー。
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