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第二章
《名前 5》
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「セイラ様、レラ、何をなさっているんですか?」
「あら、ミラ。」
「ミラ、見てわからない?」
「……片付けをなさるはずなのに、逆に汚していらっしゃる?」
「……。」
「……。」
ミラの言葉に二人は顔を見合わせ、そして、机の上を見て納得する。
「精霊王の皆さんの名前を考えていたのよ。」
「そうなのですか?」
そう言って、ミラはそっと机の端に置かれていたポットを掴み、セイラの空いていたカップにお茶のお代わりを煎れる。
「ミラも協力していただける?」
「…いいのですか?」
「ええ、勿論、お二方の名前は決まったのだけど、ミラにはウンディーネの名前を考えていただきたいの。」
「わたしでよろしければ。」
「ありがとう。」
セイラは笑顔でそう返すと、そっと、ミラの前に例の漢字の書かれた紙を見せた。
「こちらは?」
「「漢字」と言って、私が知っている文字なの。」
「奇妙な文字ですね。」
「そうね。」
「こちらはどういう意味なんですか?」
ミラは「水」と書かれた字を指す。
「これは水ね。」
「この一つの字で表しているんですね。」
「ええ、ミラの直感で教えて欲しいの。」
ミラは紙を見ながら唇に指をあてる。
「難しいものですね。」
「あの、無理はしなくてもいいのよ。」
ミラの言葉にセイラは申し訳なさそうに眉を八の字にする。
「えっ、いえ、決して無理はしていません、ですが、あまりにも責任重大で……他の方は参考にしたいので、どのような名前にされたのかお聞きしてもよろしいですか?」
「ええ、まずサラマンダーが緋焔(ひえん)。
シルフは碧嵐(へきらん)よ。」
「どういう意味なんですか?」
「「緋」は赤色の種類を表す文字ね。「焔」は炎を表す言葉。
「碧」は青っぽい緑色かしら、「嵐」は嵐を表すわ。」
「……そうなんですね。」
「ええ。」
そう言うとミラはジッと自分の手元に書かれている文字を見る。
“青”
“蒼”
“藍”
“水”
“雫”
“海”
“川”
“河”
“雨”
“泉”
“湖”
“池”
「…セイラ様、この文字は?」
「「蒼」これは青を表す言葉の一つで「あお」とも「そう」とも読めるわね。」
「…でしらた、こちらは?」
「「青」は、青色の事、「あお」、「せい」とも読むわ。」
「…こちらはとこちらは?」
「「海」は海ね読み方は「うみ」や「かい」、「雨」は雨ね読み方は「あめ」とか「う」ね。」
「セイラ様、海って何ですか?」
「そうね、塩水で出来た湖よりも大きな水のたまり場?」
「うーん。」
レラは今一人理解できないのか首を傾げている。
「ミラ質問は?」
「そうですね、泉という文字はありますか?」
「「泉」ね読み方は「いずみ」や「せん」ね。」
「でしたら、これはどうですか?」
ミラはセイラの文字の手本を見ながら二つの字を重ねる。
「「蒼泉」と書いて「そうせん」です。」
「いいわね。」
「ありがとうございます、はじめは「青雨」で「せいう」もいいと思ったんですけど、あの方は泉の方がいいのではないかと思ったんです。」
「そうね、ミラ、ありがとうね。」
「いえ、セイラ様、もし、よろしければわたしにこの文字を教えていただけませんか?」
「いいわよ、はじめから皆に教えようと思っていたの。」
「ありがとうございます。」
ミラはニッコリと微笑む。
「絶対に覚えて見せますね。」
「ミラは呑み込みが早そうだから楽しみだわ。」
楽しそうな二人に対し、レラは「やばい、ミラのスパルタ勉強会が始まるかも…」と若干顔を青くさせていたのだが、二人ともその事に気づかなかった。
「あら、ミラ。」
「ミラ、見てわからない?」
「……片付けをなさるはずなのに、逆に汚していらっしゃる?」
「……。」
「……。」
ミラの言葉に二人は顔を見合わせ、そして、机の上を見て納得する。
「精霊王の皆さんの名前を考えていたのよ。」
「そうなのですか?」
そう言って、ミラはそっと机の端に置かれていたポットを掴み、セイラの空いていたカップにお茶のお代わりを煎れる。
「ミラも協力していただける?」
「…いいのですか?」
「ええ、勿論、お二方の名前は決まったのだけど、ミラにはウンディーネの名前を考えていただきたいの。」
「わたしでよろしければ。」
「ありがとう。」
セイラは笑顔でそう返すと、そっと、ミラの前に例の漢字の書かれた紙を見せた。
「こちらは?」
「「漢字」と言って、私が知っている文字なの。」
「奇妙な文字ですね。」
「そうね。」
「こちらはどういう意味なんですか?」
ミラは「水」と書かれた字を指す。
「これは水ね。」
「この一つの字で表しているんですね。」
「ええ、ミラの直感で教えて欲しいの。」
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「あの、無理はしなくてもいいのよ。」
ミラの言葉にセイラは申し訳なさそうに眉を八の字にする。
「えっ、いえ、決して無理はしていません、ですが、あまりにも責任重大で……他の方は参考にしたいので、どのような名前にされたのかお聞きしてもよろしいですか?」
「ええ、まずサラマンダーが緋焔(ひえん)。
シルフは碧嵐(へきらん)よ。」
「どういう意味なんですか?」
「「緋」は赤色の種類を表す文字ね。「焔」は炎を表す言葉。
「碧」は青っぽい緑色かしら、「嵐」は嵐を表すわ。」
「……そうなんですね。」
「ええ。」
そう言うとミラはジッと自分の手元に書かれている文字を見る。
“青”
“蒼”
“藍”
“水”
“雫”
“海”
“川”
“河”
“雨”
“泉”
“湖”
“池”
「…セイラ様、この文字は?」
「「蒼」これは青を表す言葉の一つで「あお」とも「そう」とも読めるわね。」
「…でしらた、こちらは?」
「「青」は、青色の事、「あお」、「せい」とも読むわ。」
「…こちらはとこちらは?」
「「海」は海ね読み方は「うみ」や「かい」、「雨」は雨ね読み方は「あめ」とか「う」ね。」
「セイラ様、海って何ですか?」
「そうね、塩水で出来た湖よりも大きな水のたまり場?」
「うーん。」
レラは今一人理解できないのか首を傾げている。
「ミラ質問は?」
「そうですね、泉という文字はありますか?」
「「泉」ね読み方は「いずみ」や「せん」ね。」
「でしたら、これはどうですか?」
ミラはセイラの文字の手本を見ながら二つの字を重ねる。
「「蒼泉」と書いて「そうせん」です。」
「いいわね。」
「ありがとうございます、はじめは「青雨」で「せいう」もいいと思ったんですけど、あの方は泉の方がいいのではないかと思ったんです。」
「そうね、ミラ、ありがとうね。」
「いえ、セイラ様、もし、よろしければわたしにこの文字を教えていただけませんか?」
「いいわよ、はじめから皆に教えようと思っていたの。」
「ありがとうございます。」
ミラはニッコリと微笑む。
「絶対に覚えて見せますね。」
「ミラは呑み込みが早そうだから楽しみだわ。」
楽しそうな二人に対し、レラは「やばい、ミラのスパルタ勉強会が始まるかも…」と若干顔を青くさせていたのだが、二人ともその事に気づかなかった。
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