今世ではのんびりしたいのですが…無理ですか…

弥生 桜香

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第二章

《〇〇の秋 2》

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「はぁ…、腹減った。」
「とうとうボケましたか。」
「……。」

 セイラたちはギルドのクエストの一環として近くの公園の落ち葉掃きをしていた。
 かなりの葉が地面に落ちており、ミラとカルムはせかせかと掃き一か所にまとめ、セイラとレラは二人が集めた落ち葉を袋に入れていた。

「ミラ、しかたないよ、そろそろお昼だし。」
「セイラ様はこいつに甘いです。」
「そ、そうかな?」

 じとー、とミラはセイラを見つめる。

「わたしも、お腹すいたな~。」
「レラまで。」

 腹ペコ二人組が空腹を訴えたので、セイラは苦笑する。

「それじゃ、ちょっと準備をするからカルム手伝ってくれる?」
「何をするんだ?」
「焼き芋よ。」

 三人はキョトンとした顔でセイラを見る。

「セイラ様、ここには台所なんてありませんよ。」
「当たり前よ。」
「どうやって調理するんだ?」
「ここでよ。」
「ここですか、でも…。」
「もう、三人ともそんな事じゃ野宿とかできないわよ。」

 セイラは腰に手を当て、ため息を零す。

「……セイラって意外と野生児なのか?」
「まさか…。」
「で、でも。」
「もう、三人とも聞こえているわよっ!」

 セイラは頬を膨らましながらも、落ち葉を一か所に集め、この仕事のお礼としてもらっているサツマイモをカバンから取り出す。

「ほら、カルム、火をつけて。」
「火事にならねぇか?」
「カルムが火加減を間違えなければね、嫌なら私がやるけど?」
「いや、俺がする。」

 火加減を間違えればセイラが火傷すると思ったカルムは指先から火をともし、落ち葉に火を移す。
 程よく乾燥しているので、火はセイラの理想通りに燃える。
 セイラは火加減を確認してからサツマイモを火の中にくべる。

「後は焼けるのを待つだけ。」
「意外に簡単なんだな。」
「焼き芋だからねえ、栗とかも美味しいけど、栗はちゃんと処理をしないと跳ねるから危ないから勝手にやらない事ね。」

 セイラはそのまま入れかねない二人を見る。

「何で、俺を見るんだよ。」
「そうですよ。」
「あなたたち二人ならやりかねませんからね。」

 ミラもセイラの意見に同じなのかジトリと二人を見ていた。

「さて、手を洗って、お弁当を先に食べましょう。」
「ん?焼き芋だけじゃないのか?」
「私やミラなら十分だけど、カルムとレラは足らないよね?」
「「……。」」

 二人は互いと火の中のサツマイモを見てコクリと頷いた。

「さあ、ミラ手を洗ってあげて。」
「はい。」

 ミラはピンポイントで二人の手に水の玉を作りその手を洗う。

「凄いわね、日に日に上達しているわね。」
「まだまだです、今はもう少し離れたところで、手のひらだけを覆うようにできるのを目指していますので。」
「…もう、変なところまでこだわるのね。」

 セイラは苦笑しながらミラを見る。

「セイラ様~、今日のお弁当は何ですか?」
「今日はサンドイッチよ。」
「えー、お野菜入ってますか?」
「当たり前でしょう。」

 若干顔を顰めるレラにセイラは微苦笑しながら、お弁当を広げる。
 天気も良く、空気も美味しいので、格段にお弁当が美味しくなるだろうとセイラは思いながら、お弁当箱を開ける。

「へー、ベーコンが入っている。」
「どうしたんですか?」
「カルムのお父様から頂いたのよ。」

 セイラがそう言うとカルムは顔を顰める。

「なんか、食欲の秋だから、と作られたそうよ。」
「……本当にあいつは。」
「あら、そっくりですね。」
「ああ?」
「食い意地が張って、本当によく似ていますね。」

 クスリと笑うミラにカルムは眉間の皴を深く刻む。

「似てねぇよ。」

 カルムはむすっとしたままセイラのサンドイッチを一つ取る。

「似てると思うけどな。」

 悪意のないレラの言葉にカルムは黙って彼女を睨む。

「まあまあ、三人ともおしゃべりしないで食べてみて、今日のは自信作なのだから。」
「普通のサンドイッチに見えますけど?」

 コテリと首を傾げるレラにセイラはニッコリと笑う。

「それは食べてからのお楽しみよ。」

 セイラはそう言うと可愛らしくウインクをする。
 三人は互いに顔を見合わせ、そして、一口サンドイッチをかじる。
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