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第15話 認識の『誤差』
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並行世界側で、こちらの『奈月』は楽しく過ごせているのだろうか。
魂の共有から、『自我の制御』だけを省いておかないと『記憶混濁』『自我過敏』『感覚過敏』などの弊害が生じるため……今、アンドロイド手術を受けている肉体の上にはホログラムのようなVRの映像が可視できるように設置されていた。
そのホログラムは、こちらの奈月とそこまで差のない青年体ではあるものの。初めて、可視となった瞬間には随分と驚かれていた。
外見の風貌が、穏やかよりは少しキツめの印象を受けたのかもしれない。と勝手に認識している。そもそも、ここにいるのは並行世界の奈月ではないのだ。
『ははは。向こうでは『まちゃ』の俺が肉体貸しているって聞いたら……奈月は驚くだけですまんだろうなあ?』
どの並行世界の『奈月』を軸にしても。周囲への影響をゼロにするのは不可能へ傾く方が大きい。だから、並行世界側でも選出を慎重に行って加担しているのだ。
最悪『地球崩壊』があっても、避難の形態を改善するのに他の並行世界側の知識を借り受ける。その提案を、どこの『奈月』がしたかは雅博にも実はわかっていない。
あくまで、奈月の提案側のために自分の肉体を貸し与えただけに過ぎない。
記憶も、肉体も、関係性すら貸し与えて。あちらの雅博の肉体には向こうの奈月が宿っているという認識の誤差を使っているなど……パラドックスの原理では御法度そのものだが。
『……全てを壊してでも、後に語り継ぐためか。奈月らしい』
並行世界側では半数以上は実現している『プラネット計画』を、こちら側では人災や天災が多過ぎて技術革命が全く追いついていない。
ここの奈月が跳んでいるあちらでも、その計画はほとんど完了しているというのに。ここはゼロの段階に等しい。胸糞悪い気分になるが、親友が肉体をひとつ差し出しても構わないと言い出した理由がこれではっきりした。
こちらの時間流では、障害が多過ぎて開発が間に合わないし。政治家関連ははっきり言って腐ってる。卵を放置して腐った硫黄臭を放つのと同じくらいだ。
『了解。俺のプラネットの情報……奈月の例の端末に挟み込んでおく。海馬あたりの濁りくらいはVRでも清掃出来っから、そこは親友としてさせてくれ』
誰かが頷いたかもしれない。泣きすする声が聞こえたとしても、受け流す。これは人理を覆す計画であれ、人類史以上に『地球』の循環内に邪魔な存在を引き離すための救済措置だ。
星は、どうしたって壊れてしまう。
資源も有限に過ぎない。電波障害は、VR維持関係上最悪だが……多少は目を瞑るしかない。宇宙ステーションとて、この計画を知る者はいないらしい。報せれば、最悪被害を素人に横流しするだけだからだ。
『……すまんな。一番劣悪な環境任せっぱなしで』
モザイク処理したいくらい、この奈月の身体にもう体毛などは存在せずに、ギリギリ義肢などの切り替え段階でアンドロイド手術を受けさせているだけ。
この奈月は最悪で最初の……生存者として地球に残すから、冷凍保存だけでは虚弱も治らない。そのために、本人は同意したと共有部分の記憶から覗き見れた。
『……叶えたい願いがこれだとしても。120年分、向こうを泣かすなよな?』
誰への言葉を告げても、雅博の方もそれは同じ。
一旦、映像を切るようにスタッフに指示し、自身はぬるりと侵入するように奈月の脳に入り込んだ。
魂の共有から、『自我の制御』だけを省いておかないと『記憶混濁』『自我過敏』『感覚過敏』などの弊害が生じるため……今、アンドロイド手術を受けている肉体の上にはホログラムのようなVRの映像が可視できるように設置されていた。
そのホログラムは、こちらの奈月とそこまで差のない青年体ではあるものの。初めて、可視となった瞬間には随分と驚かれていた。
外見の風貌が、穏やかよりは少しキツめの印象を受けたのかもしれない。と勝手に認識している。そもそも、ここにいるのは並行世界の奈月ではないのだ。
『ははは。向こうでは『まちゃ』の俺が肉体貸しているって聞いたら……奈月は驚くだけですまんだろうなあ?』
どの並行世界の『奈月』を軸にしても。周囲への影響をゼロにするのは不可能へ傾く方が大きい。だから、並行世界側でも選出を慎重に行って加担しているのだ。
最悪『地球崩壊』があっても、避難の形態を改善するのに他の並行世界側の知識を借り受ける。その提案を、どこの『奈月』がしたかは雅博にも実はわかっていない。
あくまで、奈月の提案側のために自分の肉体を貸し与えただけに過ぎない。
記憶も、肉体も、関係性すら貸し与えて。あちらの雅博の肉体には向こうの奈月が宿っているという認識の誤差を使っているなど……パラドックスの原理では御法度そのものだが。
『……全てを壊してでも、後に語り継ぐためか。奈月らしい』
並行世界側では半数以上は実現している『プラネット計画』を、こちら側では人災や天災が多過ぎて技術革命が全く追いついていない。
ここの奈月が跳んでいるあちらでも、その計画はほとんど完了しているというのに。ここはゼロの段階に等しい。胸糞悪い気分になるが、親友が肉体をひとつ差し出しても構わないと言い出した理由がこれではっきりした。
こちらの時間流では、障害が多過ぎて開発が間に合わないし。政治家関連ははっきり言って腐ってる。卵を放置して腐った硫黄臭を放つのと同じくらいだ。
『了解。俺のプラネットの情報……奈月の例の端末に挟み込んでおく。海馬あたりの濁りくらいはVRでも清掃出来っから、そこは親友としてさせてくれ』
誰かが頷いたかもしれない。泣きすする声が聞こえたとしても、受け流す。これは人理を覆す計画であれ、人類史以上に『地球』の循環内に邪魔な存在を引き離すための救済措置だ。
星は、どうしたって壊れてしまう。
資源も有限に過ぎない。電波障害は、VR維持関係上最悪だが……多少は目を瞑るしかない。宇宙ステーションとて、この計画を知る者はいないらしい。報せれば、最悪被害を素人に横流しするだけだからだ。
『……すまんな。一番劣悪な環境任せっぱなしで』
モザイク処理したいくらい、この奈月の身体にもう体毛などは存在せずに、ギリギリ義肢などの切り替え段階でアンドロイド手術を受けさせているだけ。
この奈月は最悪で最初の……生存者として地球に残すから、冷凍保存だけでは虚弱も治らない。そのために、本人は同意したと共有部分の記憶から覗き見れた。
『……叶えたい願いがこれだとしても。120年分、向こうを泣かすなよな?』
誰への言葉を告げても、雅博の方もそれは同じ。
一旦、映像を切るようにスタッフに指示し、自身はぬるりと侵入するように奈月の脳に入り込んだ。
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