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第18話 欲しいアイテム指示
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赤く点滅するディスプレイをなんとか指で弾けば、出てきたのは宅配の『飲み物メニュー』だった。
ひと通りのカスタマイズが出来るそうだが、サイドメニューは選べずに『ドリンクテイクアウト』のみしか選べない。
そして、『配達お願いします』と小さく書かれているのは日本語だった。
「……暗号? 救難信号?」
にしては、ひどく優しい手順ときた。これは奈月に『依頼』されたディスプレイのひとつにしても……地図に記された目的地は、ここから離れていたとしたら。
虚弱ゆえに、運転免許すら持っていないし……自転車すらまともに乗っていない奈月の移動手段は、徒歩か交通機関。この極寒で後者が働いている自信はないが、何もしないよりはと這いずりながらも茂みを出てみた。
「……あれ?」
吹雪いているわけではない。
相変わらず寒いが、天候は至って良好。雪もちらつく程度。
地面の雪も、履いていた長靴が軽く埋まるくらいしか積もっていない。
目を擦って見渡しても、少し奥に電飾のある並木街が見えかけている。つまり、勝手に不安感を抱えて、勝手に盛大に生命の危機を感じた『ように』思っただけだった。
並行世界なのだから、四季や天候が一律で同じなわけがない。改めて、単純な思考回路で恥ずかしいと思うことにしておいた。
「んー……じゃあ、この場所に『宅配依頼』?を俺が受けた??」
しかして、この並行世界に来たばかりなために、勝手がよくわからないのはともかく。
宅配依頼をするメニューが『限定』なのが珍しい。何か意味があるにしても不思議な感覚だと思っていると、脳内がどこかの奈月の中でいじくった形跡を感知した。
ぐにゃりと意識が蕩け、その場で倒れ込むのを堪えたが。この極寒で倒れては、逆に『ここの奈月』の肉体が終わってしまうのを恐れた。
現実側はともかく、ひとつでも欠けてはアンドロイド手術が終わっていたとしても……魂の共有が出来るとはまだ確信がなかったため。
膝をついて、貧血のような痛みを堪え。
脳に届く『映像信号』をディスプレイに起こせないか、スライドで展開してみたのだが。映ったのは、大きなコンテナサイズのトレーラーだった。
「まだ……そこ、には」
行けない、と本能的に何かが訴えるような信号を受けた後に……奈月は意識を保てずに落ちた。
だが、次に目が覚めた時には痛みなどがなく、ぼんやりとしているだけだった。現実側に戻ったかと思えばてる覗き込まれた顔を見た途端、ひっくり返るくらいに驚いた。
「おーい? いつまで、ダイブしてんだ? レンタル時間過ぎんぞ??」
ひとつ前の世界で、友人関係でもあった『仁王雅博』。またの再会かと思ったけれど、自分の目にかけていたゴーグルを見て思い出した。
まだ、あの並行世界から本格的に移動していないことに。
シェルターの開発に取り掛かる前の、シュミレーターのコンテナに入ったのは『奈月』そのものだったのだ。
「……ごめん。めっちゃ、のめり込んでた」
「ま。VRMMOもあんまりだって聞いてたし? なげーと思ってたけど」
「うん。ひとまず、大丈夫。出よっか」
「おう」
あまりにも、リアルに特化したシュミレーションではあったが。地球崩壊と共に、救援物資を届けるのが奈月以外にも出るのならば。
あの雪国で済むような光景も、きっと嘘ではないだろう。あとは帰宅するだけだったので、雅博と別れてから宗ちゃんを起動することにした。
並行世界で共通するデバイスとして、奈月が宗ちゃんをAI特化のそれに設定するためだ。
ひと通りのカスタマイズが出来るそうだが、サイドメニューは選べずに『ドリンクテイクアウト』のみしか選べない。
そして、『配達お願いします』と小さく書かれているのは日本語だった。
「……暗号? 救難信号?」
にしては、ひどく優しい手順ときた。これは奈月に『依頼』されたディスプレイのひとつにしても……地図に記された目的地は、ここから離れていたとしたら。
虚弱ゆえに、運転免許すら持っていないし……自転車すらまともに乗っていない奈月の移動手段は、徒歩か交通機関。この極寒で後者が働いている自信はないが、何もしないよりはと這いずりながらも茂みを出てみた。
「……あれ?」
吹雪いているわけではない。
相変わらず寒いが、天候は至って良好。雪もちらつく程度。
地面の雪も、履いていた長靴が軽く埋まるくらいしか積もっていない。
目を擦って見渡しても、少し奥に電飾のある並木街が見えかけている。つまり、勝手に不安感を抱えて、勝手に盛大に生命の危機を感じた『ように』思っただけだった。
並行世界なのだから、四季や天候が一律で同じなわけがない。改めて、単純な思考回路で恥ずかしいと思うことにしておいた。
「んー……じゃあ、この場所に『宅配依頼』?を俺が受けた??」
しかして、この並行世界に来たばかりなために、勝手がよくわからないのはともかく。
宅配依頼をするメニューが『限定』なのが珍しい。何か意味があるにしても不思議な感覚だと思っていると、脳内がどこかの奈月の中でいじくった形跡を感知した。
ぐにゃりと意識が蕩け、その場で倒れ込むのを堪えたが。この極寒で倒れては、逆に『ここの奈月』の肉体が終わってしまうのを恐れた。
現実側はともかく、ひとつでも欠けてはアンドロイド手術が終わっていたとしても……魂の共有が出来るとはまだ確信がなかったため。
膝をついて、貧血のような痛みを堪え。
脳に届く『映像信号』をディスプレイに起こせないか、スライドで展開してみたのだが。映ったのは、大きなコンテナサイズのトレーラーだった。
「まだ……そこ、には」
行けない、と本能的に何かが訴えるような信号を受けた後に……奈月は意識を保てずに落ちた。
だが、次に目が覚めた時には痛みなどがなく、ぼんやりとしているだけだった。現実側に戻ったかと思えばてる覗き込まれた顔を見た途端、ひっくり返るくらいに驚いた。
「おーい? いつまで、ダイブしてんだ? レンタル時間過ぎんぞ??」
ひとつ前の世界で、友人関係でもあった『仁王雅博』。またの再会かと思ったけれど、自分の目にかけていたゴーグルを見て思い出した。
まだ、あの並行世界から本格的に移動していないことに。
シェルターの開発に取り掛かる前の、シュミレーターのコンテナに入ったのは『奈月』そのものだったのだ。
「……ごめん。めっちゃ、のめり込んでた」
「ま。VRMMOもあんまりだって聞いてたし? なげーと思ってたけど」
「うん。ひとまず、大丈夫。出よっか」
「おう」
あまりにも、リアルに特化したシュミレーションではあったが。地球崩壊と共に、救援物資を届けるのが奈月以外にも出るのならば。
あの雪国で済むような光景も、きっと嘘ではないだろう。あとは帰宅するだけだったので、雅博と別れてから宗ちゃんを起動することにした。
並行世界で共通するデバイスとして、奈月が宗ちゃんをAI特化のそれに設定するためだ。
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