48 / 73
第48話 月峰紗夜との
しおりを挟む
ブラックかカフェラテのどちらがいいか聞けば、ブラックと言われたので渡してやった。少し温めから熱いくらいの温度になったら、少し水を抜くのに栓を開け。
奈月は濡れてもいいが、なんとなくぴっちりした浴衣からでも見える体のラインを直視出来ず……風呂場の椅子に座ることにした。
「……色々聞きたいけど。俺は加東奈月で、君は月峰紗夜だよね?」
「うん。それはその通り……中学以来? こうして会うの」
沸かし直しのボタンを押し、じゃばじゃばとお湯が沸いてくるが浴衣は脱がないままだった。流石に重くとも脱ぐ雰囲気にはなれないからだろう。
ホットのブラックだが、とっくに冷めているのかでごくごく煽る姿は少し男っぽいが顔もなにもかも女性そのまま。
おそらく、今までの並行世界でも『近く』にいたのは彼女なのか。まちゃでも藍葉でもメメでもなく、もっと他。
『誰でもない存在』。の中に混じっていたら、見つかりもしない。
それが最後の最後で、一番長く滞在していた並行世界でパートナーになりかけた相手だろう。苗字はそのままに名前だけいじった『月峰咲夜』と設定して。
「うん、中学以来……だ」
最初にダイブしたと『見せかけ』られた校舎裏の水道汚染。
あれはちょうど、紗夜と桑の実を食べに行こうと裏庭を通ってみた光景そのまま。つまりは、半分くらいタイムリープさせられていたのだ。奈月の肉体が手術開始と同時に……意識は別で動くように。
依頼を受けた父親も母親にも真意を告げず、目の前の彼女が『提案した』のかも今聞かないとわからないが。少なくとも、現状では情報が足りない。
態とにしないと混濁して、『消滅』に至ってしまうから避ける必要があった。それを、天災という『大災害』で……ここまでの環境保護程度で済むようにしたのは。
間違いなく、多くの代価を同時に支払った紗夜のおかげだ。裏工作をどこまでしたのか、これから話してもらいたい。お互い、一瞬でも死にかけた上で得た『現在』なのだから。
「えー? どこから話せばいい? つか、部屋大丈夫だった?」
「……めちゃくちゃになってたけど。なんで、外があんな氷河期手前??」
「環境汚染からの仕返しだよ。けど、ほんのちょっと視点をずらせば、『あの世』とかも共有出来たの。私が先に法則とかに気づいたから……二十歳の今日まで、ずっと意識を切り離してた。精神障がい者にして、支援を受けた人間ってことでずーっと君が健常者になれる方法探してたんだよ」
「え、待って? 紗夜もなんか持病あったの??」
「ADHDがグレーだけどあってねぇ? けど、おかげでクリエイター側の副業もらえたし、大学も休学してたけど。藍葉ちゃんとこのシゲくんのためにも頑張ってたんだよー? ただ厄介なのは、限界まで頑張ると食事も服薬も忘れるから……半分くらいタイムリープしてた」
「おい!! 俺もひとのこと言えないけど、会話頑張ろう!! なんか要点めちゃくちゃ!!」
「ごめん~。ま、生きるか死ぬかなら、奈月くん助けたいがずっとあったもん。依頼来た時、即承諾したし」
「……ありがと」
奈月も大概会話に不十分なところがあったが、相手も不足が多いのなら補えばいい。とりあえず、次の話し合いの前に腹が減ったのでカフェラテを煽ってから非常食を探すことにした。
奈月は濡れてもいいが、なんとなくぴっちりした浴衣からでも見える体のラインを直視出来ず……風呂場の椅子に座ることにした。
「……色々聞きたいけど。俺は加東奈月で、君は月峰紗夜だよね?」
「うん。それはその通り……中学以来? こうして会うの」
沸かし直しのボタンを押し、じゃばじゃばとお湯が沸いてくるが浴衣は脱がないままだった。流石に重くとも脱ぐ雰囲気にはなれないからだろう。
ホットのブラックだが、とっくに冷めているのかでごくごく煽る姿は少し男っぽいが顔もなにもかも女性そのまま。
おそらく、今までの並行世界でも『近く』にいたのは彼女なのか。まちゃでも藍葉でもメメでもなく、もっと他。
『誰でもない存在』。の中に混じっていたら、見つかりもしない。
それが最後の最後で、一番長く滞在していた並行世界でパートナーになりかけた相手だろう。苗字はそのままに名前だけいじった『月峰咲夜』と設定して。
「うん、中学以来……だ」
最初にダイブしたと『見せかけ』られた校舎裏の水道汚染。
あれはちょうど、紗夜と桑の実を食べに行こうと裏庭を通ってみた光景そのまま。つまりは、半分くらいタイムリープさせられていたのだ。奈月の肉体が手術開始と同時に……意識は別で動くように。
依頼を受けた父親も母親にも真意を告げず、目の前の彼女が『提案した』のかも今聞かないとわからないが。少なくとも、現状では情報が足りない。
態とにしないと混濁して、『消滅』に至ってしまうから避ける必要があった。それを、天災という『大災害』で……ここまでの環境保護程度で済むようにしたのは。
間違いなく、多くの代価を同時に支払った紗夜のおかげだ。裏工作をどこまでしたのか、これから話してもらいたい。お互い、一瞬でも死にかけた上で得た『現在』なのだから。
「えー? どこから話せばいい? つか、部屋大丈夫だった?」
「……めちゃくちゃになってたけど。なんで、外があんな氷河期手前??」
「環境汚染からの仕返しだよ。けど、ほんのちょっと視点をずらせば、『あの世』とかも共有出来たの。私が先に法則とかに気づいたから……二十歳の今日まで、ずっと意識を切り離してた。精神障がい者にして、支援を受けた人間ってことでずーっと君が健常者になれる方法探してたんだよ」
「え、待って? 紗夜もなんか持病あったの??」
「ADHDがグレーだけどあってねぇ? けど、おかげでクリエイター側の副業もらえたし、大学も休学してたけど。藍葉ちゃんとこのシゲくんのためにも頑張ってたんだよー? ただ厄介なのは、限界まで頑張ると食事も服薬も忘れるから……半分くらいタイムリープしてた」
「おい!! 俺もひとのこと言えないけど、会話頑張ろう!! なんか要点めちゃくちゃ!!」
「ごめん~。ま、生きるか死ぬかなら、奈月くん助けたいがずっとあったもん。依頼来た時、即承諾したし」
「……ありがと」
奈月も大概会話に不十分なところがあったが、相手も不足が多いのなら補えばいい。とりあえず、次の話し合いの前に腹が減ったのでカフェラテを煽ってから非常食を探すことにした。
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
戦闘狂の水晶使い、最強の更に先へ
真輪月
ファンタジー
お気に入り登録をよろしくお願いします!
感想待ってます!
まずは一読だけでも!!
───────
なんてことない普通の中学校に通っていた、普通のモブAオレこと、澄川蓮。……のだが……。
しかし、そんなオレの平凡もここまで。
ある日の授業中、神を名乗る存在に異世界転生させられてしまった。しかも、クラスメート全員(先生はいない)。受験勉強が水の泡だ。
そして、そこで手にしたのは、水晶魔法。そして、『不可知の書』という、便利なメモ帳も手に入れた。
使えるものは全て使う。
こうして、澄川蓮こと、ライン・ルルクスは強くなっていった。
そして、ラインは戦闘を楽しみだしてしまった。
そしていつの日か、彼は……。
カクヨムにも連載中
小説家になろうにも連載中
マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜
美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊
ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め…
※カクヨム様にも投稿しています
※イラストはAIイラストを使用しています
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる