【完結】見通すのは蘇芳の瞳〜その出会いは必然か偶然か?〜

櫛田こころ

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第61話 モヤモヤ

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 琥珀こはくさん達のお家を出てからもです。

 モヤモヤ、モワモワ。

 ずっとなんです。

 私は……どうしてしまったのでしょう。

 欲しい……と思ってしまったのです。

 国綱くつなさんの笑顔が。

 私のためだけに……と。

 どうしてしまったのでしょう? 私。

 むーちゃんさんをお嫌いなことはありません。好きです。

 けど……国綱さんへの『好き』が違う気がするんです。

 もっと……もっと、『好き』が大きい気がするんです。

 何故でしょう?


翠羽みはね?」


 ずっと考えていますと、国綱さんに呼ばれました。

 いつのまにか……止まっていたようです。


『……すみません』


 国綱さんの方に行きますと……国綱さんは、首をゆっくり振られ。何故か……手を、つかんでいただけたのです。


「……少し、遠回りしようか?」


 と言って、微笑んでいただけたので……私はつい、首を縦に振りました。あったかいのに……モヤモヤが消えていくようです。

 自分で言おうとしていた……触ろうとしていたことを、国綱さんにしていただけたのですから。

 こっち、と手を引かれながら連れて行ってくださったのは……ほとんどなにの存在もいない場所。

 いろんな形の、何か道具のようなものがあちこちある場所でした。


『……ここは?』

「公園ってところ。遊ぶより、ベンチに行こう」


 と、国綱さんが座るようにおっしゃったところは……大きな椅子でした。

 まだ右足だけですが、国綱さんが手を掴んでくださっているので……なんとか座れました。

 そして……手はまだ掴まれたままです。

 あったかい……です。
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