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第二部拾弐 裕司の場合⑥
第3話 うがい方法
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翌日。
世間は平日だが、裕司と怜は休み。
とは言え、休暇ではなく療養。怜の風邪は落ち着きを見せたが、油断は出来ない。
いつもなら同じベッドに寝ているふたりだが……風邪の治りかけなのでそういうわけにもいかないから、裕司はソファに掛け布団と毛布を持って寝ていた。
以前のひとり暮らし用の布団を捨てようにも、まだ使えるので……クリーニングにかけてから保管していたのだ。
「ふ、ぁあ~~」
スマホを見ると、まだ早朝の五時過ぎだった。朝食バイキングの仕込み時間を考えれば、出勤するなら少し遅いが今日はいい。料理長の中尾には事前に許可をもらっているので、今日は休みだ。代わりに、クリスマスは出勤しなくてはいけないが。
「……朝飯何作ろう」
とりあえずは食事の準備だ。
裕司も念のために体温計で計ったら、熱は平熱。咳などの初期症状もない。自分の兄はともかく、丈夫なのは両親に感謝せねば。
そこで思い出したが、彼女のメアリーから何かあったかLIMEで確認すると。
『裕司君のアドバイスのお陰で、だいぶ下がった! ありがとう!!』
と、シンプルに返事があったので、ついでに兄の好きなアイスの種類を教えて、食べさせてやってほしいと告げた。
「……アイスか」
怜も、もちろんアイスは大好きだ。
ビュッフェの宴会の仕事が終わったら、片付け途中に余ったデザートを食べるくらい甘いものは大好き。
であれば、ここはひとつ。
時間は多少かかるが、治りかけの怜にも手作りのアイスを作ってやろうと決めた。
朝食の準備をする前に、材料を混ぜてバッドに流し入れて冷蔵庫へイン。
「よし、あとは朝飯」
消化の良いものだと、お粥かおじやだが……昨夜あれだけ回復した彼女には、少しだけは普通食でいいかもしれない。うどんは消化がいいとされていたが、最近の見解だとそうでもないようだが。
もし食べさせるとしたら昼以降がいいだろうと決めて、準備をしつつ、途中アイスのバッドの中身を軽く撹拌したら……怜も起き上がって来たようだ。
「おあよう……こもやん」
「おはよ。体調どうだい?」
「んー……まだちょっと喉がいがいがする」
「よーく、塩水でうがいしとき?」
「塩水?」
「俺んとこはうがい薬だけじゃなくて、塩水でしてた」
「ほー?」
なので、塩の保存箱を渡してから調理に戻る。ほとんど出来上がったので、あとは並べるだけ。
テーブルに並べ終えると、ぴかぴかという擬音が似合うくらい輝いた顔の怜が戻って来た。
「お?」
「うがい薬よりやりやすいー」
「それは何より」
もともとが軽めの風邪だからか、悪化はしないようだ。
少しホッと出来、さあ食べようとふたりで席に着くことにした。
世間は平日だが、裕司と怜は休み。
とは言え、休暇ではなく療養。怜の風邪は落ち着きを見せたが、油断は出来ない。
いつもなら同じベッドに寝ているふたりだが……風邪の治りかけなのでそういうわけにもいかないから、裕司はソファに掛け布団と毛布を持って寝ていた。
以前のひとり暮らし用の布団を捨てようにも、まだ使えるので……クリーニングにかけてから保管していたのだ。
「ふ、ぁあ~~」
スマホを見ると、まだ早朝の五時過ぎだった。朝食バイキングの仕込み時間を考えれば、出勤するなら少し遅いが今日はいい。料理長の中尾には事前に許可をもらっているので、今日は休みだ。代わりに、クリスマスは出勤しなくてはいけないが。
「……朝飯何作ろう」
とりあえずは食事の準備だ。
裕司も念のために体温計で計ったら、熱は平熱。咳などの初期症状もない。自分の兄はともかく、丈夫なのは両親に感謝せねば。
そこで思い出したが、彼女のメアリーから何かあったかLIMEで確認すると。
『裕司君のアドバイスのお陰で、だいぶ下がった! ありがとう!!』
と、シンプルに返事があったので、ついでに兄の好きなアイスの種類を教えて、食べさせてやってほしいと告げた。
「……アイスか」
怜も、もちろんアイスは大好きだ。
ビュッフェの宴会の仕事が終わったら、片付け途中に余ったデザートを食べるくらい甘いものは大好き。
であれば、ここはひとつ。
時間は多少かかるが、治りかけの怜にも手作りのアイスを作ってやろうと決めた。
朝食の準備をする前に、材料を混ぜてバッドに流し入れて冷蔵庫へイン。
「よし、あとは朝飯」
消化の良いものだと、お粥かおじやだが……昨夜あれだけ回復した彼女には、少しだけは普通食でいいかもしれない。うどんは消化がいいとされていたが、最近の見解だとそうでもないようだが。
もし食べさせるとしたら昼以降がいいだろうと決めて、準備をしつつ、途中アイスのバッドの中身を軽く撹拌したら……怜も起き上がって来たようだ。
「おあよう……こもやん」
「おはよ。体調どうだい?」
「んー……まだちょっと喉がいがいがする」
「よーく、塩水でうがいしとき?」
「塩水?」
「俺んとこはうがい薬だけじゃなくて、塩水でしてた」
「ほー?」
なので、塩の保存箱を渡してから調理に戻る。ほとんど出来上がったので、あとは並べるだけ。
テーブルに並べ終えると、ぴかぴかという擬音が似合うくらい輝いた顔の怜が戻って来た。
「お?」
「うがい薬よりやりやすいー」
「それは何より」
もともとが軽めの風邪だからか、悪化はしないようだ。
少しホッと出来、さあ食べようとふたりで席に着くことにした。
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