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火車 弐
第6話 飲み会③
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想う相手がいるのに、なんて事を目の前で聞くのだと……風吹は同期に殴りたかったが止めた。その想う相手である田城真衣が目の前にいるのだから、悪い印象に思われたくない。
ちらっと田城の方を見ると、何故か不安そうな表情でいた。風吹もだが、今の美作の行動で何か不快に感じさせてしまったのだろうかと。
弁明したいが、態と酔った感じでいる美作が絡んで来るので、適当にあしらう事にした。
「俺の事は……いいだろ? お前はモテるのに、誰とも付き合わないじゃないか」
「そう言う不動だって、顔見せれば会社イチとか言われてる癖して……だーれか、好きな子でもいんのか??」
態とだ。
田城がいるから、態と誘導するように言葉を紡いでいる。先日に楽庵で話したのが悪かったと思いたいが、この席はこの男が作ってくれた機会なのだ。田城の横にいる彼女の同期の湖沼美兎は少しオロオロしていた。
「美作さん、酔ってます??」
「ぜーんぜん?」
「なら、離れろ! ウザい!!」
そこで、風吹はいくらかガラの悪い口調に田城が引いているのかと思ったが、田城を見てもぽかんとしているだけだった。驚いただけなのだろうか。
「…………不動さん、そんな大声出せるんですね?」
そう言うと、何故か田城は風吹の心臓が落ち着かなくなるくらい、綺麗な微笑みを見せてくれた。いきなりの微笑みに風吹はお猪口を落としそうになったので、壊す前に卓の上に置く。
すると、田城がさらにふふっと笑ってくれた。
「ずーっと、涼しい顔されてるから……楽しくないかなって」
「え、いや……」
ある意味合コンのようにセッティングされたこの飲み会で、少しでも……と意識してもらいたかったと先日再会する前なら思ったが。
二人きりの時もあまりいい話し方が出来ていなかったと思うが、イベントに誘った時は断られなかった。
だとしたら、多少は脈有りなんじゃ……と思っても、風吹には気持ちを伝えられない最大の理由がある。
自分が人間でないこと。
もし、何かの拍子で一線を越えてしまったら……田城が人間でなくなってしまうこと。
それがあるから、伝えられない。ただの友人のような間柄でいたいとも思うのに。田城は目の前で綺麗に笑っていたのだ。
「お酒……強いんですか?」
「普通? 2合とか……」
「うっそだぁ! お前5合とかいくだろ?」
「バカ!? 美作!!」
「お酒強い人好きです!」
今聞いた言葉を思わず反芻してしまう。風吹に向けた言葉であるようでそうでない。もう一度田城を見ると……頬が赤らんでいて、目が潤んでいる。まだ梅酒を少し飲んだだけなのに、酔っているのだろうか。
隣にいた湖沼も不思議に思って田城のグラスを見ると、少し顔をしかめた。
「これ、ウィスキーです!?」
「え、マジ!? 注文間違い!?」
「真衣ちゃん、強いお酒は弱いんですよ!!」
「店員さーん!! ちょっと!!」
風吹はとりあえず、田城からウィスキーらしいグラスを取ると……たしかに安物だがウィスキー独特の香りがした。
そして、店員がこちらに謝罪している最中には、田城は湖沼の膝枕ですやすやと寝ていた。自分がやってあげたいと言う気持ちにはなったが。その後の事態が意味がわからなかったのだ。
「……は? 俺が??」
「そ。お前の重要任務。田城さんを送ってやれ」
美作に言われて、何故かそう言う段階に足を踏み込むことになったのだ。
ちらっと田城の方を見ると、何故か不安そうな表情でいた。風吹もだが、今の美作の行動で何か不快に感じさせてしまったのだろうかと。
弁明したいが、態と酔った感じでいる美作が絡んで来るので、適当にあしらう事にした。
「俺の事は……いいだろ? お前はモテるのに、誰とも付き合わないじゃないか」
「そう言う不動だって、顔見せれば会社イチとか言われてる癖して……だーれか、好きな子でもいんのか??」
態とだ。
田城がいるから、態と誘導するように言葉を紡いでいる。先日に楽庵で話したのが悪かったと思いたいが、この席はこの男が作ってくれた機会なのだ。田城の横にいる彼女の同期の湖沼美兎は少しオロオロしていた。
「美作さん、酔ってます??」
「ぜーんぜん?」
「なら、離れろ! ウザい!!」
そこで、風吹はいくらかガラの悪い口調に田城が引いているのかと思ったが、田城を見てもぽかんとしているだけだった。驚いただけなのだろうか。
「…………不動さん、そんな大声出せるんですね?」
そう言うと、何故か田城は風吹の心臓が落ち着かなくなるくらい、綺麗な微笑みを見せてくれた。いきなりの微笑みに風吹はお猪口を落としそうになったので、壊す前に卓の上に置く。
すると、田城がさらにふふっと笑ってくれた。
「ずーっと、涼しい顔されてるから……楽しくないかなって」
「え、いや……」
ある意味合コンのようにセッティングされたこの飲み会で、少しでも……と意識してもらいたかったと先日再会する前なら思ったが。
二人きりの時もあまりいい話し方が出来ていなかったと思うが、イベントに誘った時は断られなかった。
だとしたら、多少は脈有りなんじゃ……と思っても、風吹には気持ちを伝えられない最大の理由がある。
自分が人間でないこと。
もし、何かの拍子で一線を越えてしまったら……田城が人間でなくなってしまうこと。
それがあるから、伝えられない。ただの友人のような間柄でいたいとも思うのに。田城は目の前で綺麗に笑っていたのだ。
「お酒……強いんですか?」
「普通? 2合とか……」
「うっそだぁ! お前5合とかいくだろ?」
「バカ!? 美作!!」
「お酒強い人好きです!」
今聞いた言葉を思わず反芻してしまう。風吹に向けた言葉であるようでそうでない。もう一度田城を見ると……頬が赤らんでいて、目が潤んでいる。まだ梅酒を少し飲んだだけなのに、酔っているのだろうか。
隣にいた湖沼も不思議に思って田城のグラスを見ると、少し顔をしかめた。
「これ、ウィスキーです!?」
「え、マジ!? 注文間違い!?」
「真衣ちゃん、強いお酒は弱いんですよ!!」
「店員さーん!! ちょっと!!」
風吹はとりあえず、田城からウィスキーらしいグラスを取ると……たしかに安物だがウィスキー独特の香りがした。
そして、店員がこちらに謝罪している最中には、田城は湖沼の膝枕ですやすやと寝ていた。自分がやってあげたいと言う気持ちにはなったが。その後の事態が意味がわからなかったのだ。
「……は? 俺が??」
「そ。お前の重要任務。田城さんを送ってやれ」
美作に言われて、何故かそう言う段階に足を踏み込むことになったのだ。
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