スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ

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第684話 さらに新人?

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 マリアナちゃんは、追い出されても貴族のお嬢さんだったにしては……庶民以下の扱いをされていたっぽい。

 十歳になる前から奴隷同然の扱いで、悪い人たちに魔力を吸い取られる以外の日常は……牢屋でじっとしているだけしか出来なかった。

 だから、サーラちゃんみたいな市民の養育についてもほとんど身についてなかったみたい。流石に顔は手で洗うまではわかるけど……他が全然なくらいに。

 寝るとこと食べるとこが出来ても、他がさっぱりわからないとくれば。まずは挨拶の練習し直しだと、サーラちゃんの補助で『いらっしゃいませ』と『ありがとうございました』からの研修に入らせてあげた。

 お金はともかく、ひとりぼっちで家に居ても辛いだろうと考え、間接的に人との接触があれば元気が出来るかもしれないと思ってね? 最初はぎこちない挨拶だったけど、先輩たちの真似をしてから少しして、外の呼び込みも出来るようになったのは……三日目くらい?

 子どもでも十五歳だから、飲み込みは早いようだ。美味しいポーションパンでも、『体力』『気力』『虚弱』の回復系を中心に食べさせてあげたけど……とっても美味しそうに食べてくれるから、ほっこりするなあ。


「これも……美味しいです!」
「それはコットのお肉を使った、ハンバーガーってパンだよ」
「あの、すっごく……好きです! トラディス様にいただいたのも、たしかこのパンで」
「あ、そだね。トラディスは鳥の肉好きだから」


 そして、保護してくれた『シリウスの風』のメンバーでも、トラディスが第一発見者だからかとても感謝しているみたい。

 フランツのことは知らないみたいだけど、皆に感謝してるんだって。生まれた順番とか、才能がないからって……貴族の中で疎外するのは許せないなあ。

 そりゃ、僕の前世でいじめや虐待とかはニュース以外でも多かったけど。こんな『子どもは道具』扱いは余程じゃない限り、親でもしないと思ってたのに。

 こっちの世界では、利用するものはなんでも利用するのが当たり前……なのは酷い!! 僕も、その利用される側になりかけているけど……守ってくれたり、手を取り合って協力してくれる人たちがいるから。

 マリアナちゃんにとっては、トラディスたちが初めてだったから……まだまだ自分が悪いと思う箇所は抜けていないかもしれない。これから少しずつ、変わっていけばいいな。


「マリアナ? あなたは朗らかな笑顔で周りを和やかにしてくださいますわ。もう少しふくよかになれば、間違いなく……その愛らしさが笑顔に上乗せされますわ!!」


 宣伝効果が上がるとわかれば、ルカリアちゃんはやる気メーターがアップしまくっちゃったぁ……。落ち着かせるのはラティストが本来だろうけど、ここは店長としてやり過ぎ注意と釘を刺しました。
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