スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ

文字の大きさ
498 / 730

第498話 ゴミにしてはいけない

しおりを挟む
 フィルムの開発のために、まずは材料の選別からだけど……僕じゃさっぱりだから、お師匠さんが錬金術師として色々提案してくれました。


「紙同様に焼却と腐敗していくことを考慮した方がいい。石や結晶体のようにゴミでも自然分解出来ない素材では、その辺に捨てれば環境へ影響を及ぼすことは確実だ。だから、慎重に開発してほしいのはその点なのだ」

「「影響……??」」

「場合によっては、毒に変じることもある。魔物の腐敗した臓器が一部該当するように」

「な、なるほどっす!」

「……そんな素材。エヴァンス様では……作れないのですか?」

「知識は我が師の手記にはあったが……再現など門外漢だ。私はあくまでポーションしか製造出来ん輩だからな」


 それでも十分凄いと言わないのは……空気を読もうと誰でも思ったのか黙ってしまった。とりあえず、異世界知識はお師匠さんのお師匠さんの研究の書き残しとかで誤魔化して……トントン拍子に打合せは進んでいった。

 僕も何回かアドバイスはしたけど、ほとんどお師匠さんの説明で大丈夫だった。さすがはお師匠さんだ。


「ここをこうして……」

「硝子粉を使えば……」


 そして、説明を受けていくうちにエッジさん達も構想が浮かんできたのか、色々つぶやいていた。やっぱりこう言うのって、餅は餅屋だよね!


「どうだろう? うまいアイデアは浮かんだかね?」


 最後にお師匠さんが聞けば、おふたりはそれぞれ亜空間収納から色々材料を取り出した。


「ちょっとここの工房で」

「試作させてくださいっす!」

「……よし、いいだろ」


 ロイズさんが許可を出したので、二人はお辞儀をした後にドダダと音を立てて……行ってしまった。よっぽどいいアイデアが浮かんだみたいだ。


「うまくいくといいですねぇ」

「なってもらわないと困る」

「んだな。出来上がれば……また商売の革命が起きるだけで済まないぞ」

「……ですよねぇ」


 紙が疎かにならないと思うけど、フィルムも出来上がったら……シリカゲル同様に、一大イベント並みに大騒ぎになるだろう。材料を安価にし過ぎも良くないけど……出来れば、庶民にもお手頃価格で手に入れれるようにしたいから。


「フィルムが完成すれば……ラップもいいな」

「なんだそりゃ?」

「今提案したフィルムより薄い布のようなもので、一時的だが食材を保護する素材だ」

「……異世界なんでもありだな」

「魔法が普通にあるこっちがなんでもありだ」

「あはは……」


 ないものねだりにはなるけど……僕は今充実してるから文句ないけどね?

 待っている間は、そんな知識を披露しまくってロイズさんの頭を悩ませてしまったけれど……。
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜

あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい! ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット” ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで? 異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。 チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。 「────さてと、今日は何を読もうかな」 これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。 ◆小説家になろう様でも、公開中◆ ◆恋愛要素は、ありません◆

帰国した王子の受難

ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。 取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。

最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅

散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー 2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。 人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。 主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m

#密売じゃありません!ミツバイギフトで最高に美味しい果物作ったら、領主令息が夫になった件について

国府知里
ファンタジー
「がんばっても報われなかったあなたに」“スローライフ成り上がりファンタジー”  人生に疲れ果てた北村めぐみは、目覚めると異世界の農村で少女グレイスとして転生していた。この世界では6歳で神から“ギフト”を授かるという。グレイスが得た謎の力「ミツバイ」は、果物を蜜のように甘くするという奇跡の力だった!村を、領地を、やがて王国までも変えていく果樹栽培の物語がいま始まる――。美味しさが未来を育てる、異世界農業×スローライフ・ファンタジー!

私生児聖女は二束三文で売られた敵国で幸せになります!

近藤アリス
恋愛
私生児聖女のコルネリアは、敵国に二束三文で売られて嫁ぐことに。 「悪名高い国王のヴァルター様は私好みだし、みんな優しいし、ご飯美味しいし。あれ?この国最高ですわ!」 声を失った儚げ見た目のコルネリアが、勘違いされたり、幸せになったりする話。 ※ざまぁはほんのり。安心のハッピーエンド設定です! ※「カクヨム」にも掲載しています。

【完結】巻き込まれたけど私が本物 ~転移したら体がモフモフ化してて、公爵家のペットになりました~

千堂みくま
ファンタジー
異世界に幼なじみと一緒に召喚された17歳の莉乃。なぜか体がペンギンの雛(?)になっており、変な鳥だと城から追い出されてしまう。しかし森の中でイケメン公爵様に拾われ、ペットとして大切に飼われる事になった。公爵家でイケメン兄弟と一緒に暮らしていたが、魔物が減ったり、瘴気が薄くなったりと不思議な事件が次々と起こる。どうやら謎のペンギンもどきには重大な秘密があるようで……? ※恋愛要素あるけど進行はゆっくり目。※ファンタジーなので冒険したりします。

処理中です...