スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ

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第599話 影の護衛は

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 ケント様、カウルさんの護衛についてだけれど。

 直接的な部分は、正直私のいる必要はなかった。

 なぜなら、『スバル』の内部に侵入しようにも悪意のある存在は結界などで弾かれるからだ。


(さすがは、創始の大精霊様の契約者。ラティスト様は、無表情に見えて……かなり情の厚い御方だわ)


 契約者のこともだけど、関係者にも守護を与えてくださるだなんて。もちろん、それはルカリアの親友であり……エリシオン様の婚約者である、と言う身分だからお与えくださったでしょうけど。

 普段であれば、ラティスト様で事足りる箇所を私にも分けてくださった。エリシオン様の勅命もだが、私の役割を理解してくださったのだろう。

 だからこそ、私は護衛として……今からこちらに来る刺客どもを捕縛していくのみ!


「……『疾風のリリア』参ります」


 両手にレイピアを携え、結界を壊そうとしていた侵入者らしき影らにそれぞれ峰打ちでも気絶させる勢いで攻撃をし。

 次々と倒れれば、あとは魔法の縄で縛っていく。それを運んで行くのは。


「……お任せを」

「頼みます。ギルハーツ……」


 まだ慣れないが、エリシオン様の近侍であり昔馴染みのあの方の爺や。ただのご老人ではなく、私にとっても師である御方。

 まさか、呼び捨てになるまでの地位に、私はなるとは思っていなかったけれど。


「見事な剣捌き。私めがお伝えすることはございませんな」

「……それはないですわ」


 私が幼い頃からずっとご老人の見た目だけど、下手をすればエリシオン様以上に強い存在。

 しかし、その強さは常に日向には向かず影のみ。

 陛下でいらっしゃるエリシオン様のために、振るわれる強さ。

 私の強さでは、まだ到底追いつかない。

 それを認めていただけるだなんて……エリシオン様と稽古出来たら、それは変わるでしょうが。

 それでも、今は勅命を遂行するのみ。

 あの方の大切な存在を守る剣となったのは、私なのだから。


(転生者。創始の大精霊。エンシェントスライム……愚かな野望を抱く者には、喉から手が出るほど欲しい存在)


 ケント様のは一番に秘匿されているが、ラティスト様は公式発表されている。カウルさんは、まだ知られたばかり。

 これまでは、ラティスト様の結界でなんとかなっていたとはいえ……今この建物に彼はいらっしゃらない。ケント様の勧めで、ルカリアと彼女の持ち家でいっしょに生活していらっしゃるとか。羨ましい……はともかくとして。


(遠隔操作は大精霊でも限界があると言うこと。エリシオン様はそれを危惧して、護衛を求めていた)


 真実を知ることを許された、私に任せてくださったのだ。その思いを無駄にはしません。

 そして、返り討ちなどにもされないように、冷静に見極めていく。

 私とて、エリシオン様の横で将来支える存在になるべく……王妃の地位のためにも、自分を磨くのだから。

 だから、エリシオン様の大親友様に害を与える存在を、王妃候補としても許しません!
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