816 / 868
番外編②
第129話 勉強はよくても
秋に向けての試験は完璧……と、試験結果が出たら、まあ教師陣には『さすが殿下』ともてはやされたけれど。それは当然としか言いようがない。
(……だって、コツ掴めば『簡単』だし)
中身が転生者ってことで、前世で履修した内容と組み合わさればファンタジー色の多い授業も、まあそこまで難しくなかったんだもの。満点をいじろうかどうかは悩んだが、面倒だと全部ちゃんとやったら学年一位になってしまった。
もともと、王女だからで目立っていたのに……また目立つ要素が出来てしまった。幸い、その地位のお陰で嫌味とか変なやっかみは表面上は見られない。『表面上』はね?
友人のふたりも特に気にしていないのか、お茶の時間も普通に話しかけてきたもの。
「殿下、そこまでお勉強が出来るのはお城で頑張っていたからですか?」
「……そんなところかしら?」
とか言っておかないと、秘密を知らない彼女たちに迷惑をかけてしまう。転生者の事実も、少し広めたとは言え身近な王城の人間たちばかり。家族もお父様だけだ。城へ帰るたびに、まあ緊張感のある線引きをされてしまったが、そこは流石に仕様がないものね?
お母さまにはいつ言うかは決まっていないが、ジェラルドの育児で大変だから……心労は下手に増やしたくない。なので、長期休暇の間に行ってしまう場所は、やっぱりイツキのところになってしまう。
「ん~……リュシアーノ様の年齢だと小学生のやり直しって感じですか? 高学年くらいの」
イツキのいる屋敷では、メイドたちがいなければ話したい放題なので鬱憤ついでに色々言えるのはありがたい!!
「そうなの!! 数学とか掛け算と割り算の延長だし。音楽も声楽程度だから、練習しちゃえばなんとかとか……もう、ませた女の子でいるのも大変よ」
「……ファンタジーだと、魔法の授業とかありそうですけど。この前の薬草学くらいですか?」
「私の学年だとね? 杖というか呪文の詠唱をしやすいように、声楽が入れられている感じ。知識は薬草学で生物を学んでいるみたいね」
「順序があるんですね」
「けど、慣れると普通の学校って感じだわ」
「面白そうですけど」
「ん~……まあ、まったくつまんないわけじゃないけど」
でも、エイミーやマーキュリー以外の友人知人がなかなか出来ない。この前の学年トップを取ったせいでさらに距離が開いたというか、『王家は立派』とかなんとかでもてはやされた感じなのよね?
イツキみたいに、砕けて話せるのはメイドのサフィアは一応いても……サフィアは『仕えてくれている』側なので、敬語であっても友人にはなれない。今も部屋の端に待機してくれているが、表情も微動だにしない。無表情じゃなくても、こっちの会話を頭の中で整理しているってところかしら??
(……だって、コツ掴めば『簡単』だし)
中身が転生者ってことで、前世で履修した内容と組み合わさればファンタジー色の多い授業も、まあそこまで難しくなかったんだもの。満点をいじろうかどうかは悩んだが、面倒だと全部ちゃんとやったら学年一位になってしまった。
もともと、王女だからで目立っていたのに……また目立つ要素が出来てしまった。幸い、その地位のお陰で嫌味とか変なやっかみは表面上は見られない。『表面上』はね?
友人のふたりも特に気にしていないのか、お茶の時間も普通に話しかけてきたもの。
「殿下、そこまでお勉強が出来るのはお城で頑張っていたからですか?」
「……そんなところかしら?」
とか言っておかないと、秘密を知らない彼女たちに迷惑をかけてしまう。転生者の事実も、少し広めたとは言え身近な王城の人間たちばかり。家族もお父様だけだ。城へ帰るたびに、まあ緊張感のある線引きをされてしまったが、そこは流石に仕様がないものね?
お母さまにはいつ言うかは決まっていないが、ジェラルドの育児で大変だから……心労は下手に増やしたくない。なので、長期休暇の間に行ってしまう場所は、やっぱりイツキのところになってしまう。
「ん~……リュシアーノ様の年齢だと小学生のやり直しって感じですか? 高学年くらいの」
イツキのいる屋敷では、メイドたちがいなければ話したい放題なので鬱憤ついでに色々言えるのはありがたい!!
「そうなの!! 数学とか掛け算と割り算の延長だし。音楽も声楽程度だから、練習しちゃえばなんとかとか……もう、ませた女の子でいるのも大変よ」
「……ファンタジーだと、魔法の授業とかありそうですけど。この前の薬草学くらいですか?」
「私の学年だとね? 杖というか呪文の詠唱をしやすいように、声楽が入れられている感じ。知識は薬草学で生物を学んでいるみたいね」
「順序があるんですね」
「けど、慣れると普通の学校って感じだわ」
「面白そうですけど」
「ん~……まあ、まったくつまんないわけじゃないけど」
でも、エイミーやマーキュリー以外の友人知人がなかなか出来ない。この前の学年トップを取ったせいでさらに距離が開いたというか、『王家は立派』とかなんとかでもてはやされた感じなのよね?
イツキみたいに、砕けて話せるのはメイドのサフィアは一応いても……サフィアは『仕えてくれている』側なので、敬語であっても友人にはなれない。今も部屋の端に待機してくれているが、表情も微動だにしない。無表情じゃなくても、こっちの会話を頭の中で整理しているってところかしら??
あなたにおすすめの小説
家族に忘れられていた第五王子は愛され生活を送る
りーさん
ファンタジー
アズール王国の王宮には、多くの王子や王女が住んでいる蒼星宮という宮がある。
その宮にはとある噂が広まっていた。併設されている図書館に子どもの幽霊が現れると。
そんなある日、図書館に出入りしていた第一王子は子どものような人影を見かける。
その時、父である国王にすら忘れられ、存在を知られていなかった第五王子の才覚が露になっていく。
本の虫な転生赤ちゃんは血塗りの宰相の義愛娘~本の世界に入れる『ひみちゅのちから』でピンチの帝国を救ったら、冷酷パパに溺愛されてます
青空あかな
ファンタジー
ブラック企業に勤める本の虫でアラサーOLの星花は、突然水に突き落とされた衝撃を感じる。
藻掻くうちに、自分はなぜか赤ちゃんになっていることを理解する。
溺死寸前の彼女を助けたのは、冷徹な手腕により周囲から「血塗りの宰相」と恐れられるアイザック・リヴィエール公爵だった。
その後、熱に浮かされながら見た夢で前世を思い出し、星花は異世界の赤ちゃんに転生したことを自覚する。
目覚めた彼女は周囲の会話から、赤ちゃんの自分を川に落としたのは実の両親だと知って、強いショックを受けた。
前世の両親もいわゆる毒親であり、今世では「親」に愛されたかったと……。
リヴィエール公爵家の屋敷に連れて行かれると、星花にはとても貴重な聖属性の魔力があるとわかった。
アイザックに星花は「ステラ」と名付けられ彼の屋敷で暮らすようになる。
当のアイザックとはほとんど会わない塩対応だが、屋敷の善良な人たちに温かく育てられる。
そんなある日、精霊と冒険する絵本を読んだステラはその世界に入り込み、実際に精霊と冒険した。
ステラには「本の世界に入り込み、その本の知識や内容を実際に体験したように習得できる特別な力」があったのだ。
彼女はその力を使って、隣国との条約締結に関する通訳不在問題や皇帝陛下の病気を治す薬草探索など、様々な問題を解決する。
やがて、アイザックは最初は煩わしかったはずのステラの活躍と愛らしさを目の当たりにし、彼女を「娘として」大切に思うようになる。
これは赤ちゃんに転生した本好きアラサーの社畜OLが、前世の知識と本好きの力を活かして活躍した結果、冷徹な義父から溺愛される話である。
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
「お前がいると息が詰まる」と追放された令嬢——翌週から公爵家の予定が全て狂った
歩人
ファンタジー
クラリッサは公爵家の日程管理を一手に担う令嬢。前世の社畜経験を活かし、行事計画、来客対応、予算管理まで完璧にこなしていた。
だが婚約者ヴィクトルは言った。「お前がいると息が詰まる。もっと華やかな女がいい」
追放されたクラリッサが去った翌週、公爵家の予定が全て狂い始める。
舞踏会の招待状は届かず、外交晩餐会の料理は手配されず、決算書類は行方不明。
一方クラリッサは、若き領主の元で「定時退社」という夢を叶えていた。
「もう、残業はしません」
空港清掃員58歳、転生先の王宮でも床を磨いたら双子に懐かれ、国王に溺愛される
木風
恋愛
羽田空港で十五年、黙々と床を磨いてきた清掃員・田中幸子(58)は事故死し、没落寸前の子爵令嬢エルシアとして転生する。
婚約破棄の末に家を追われた彼女が選んだのは、王宮の清掃員――前世の技で空気まで変わるほど磨き上げていく仕事だった。
やがて母を亡くした双子王子王女に懐かれ、荒れた執務室の主である喪中の国王とも距離が縮まり……。
「泣くなら俺の胸で」――床も心も磨き直す、清掃令嬢の溺愛成り上がり。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。