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王妃のまかない⑤
第2話 娘の変わり様
子守唄を歌っていると、勉強を終えたリュシアーノがやって来たわ。
「お母様!」
紆余曲折あり、ネルヴィスと婚約したとは言え娘は娘。今日も素敵に可愛らしい私の娘だ。ジェラルドの姉となり、ネルヴィスと婚約したお陰か……前より大人びてきたように思う。
もともと、気遣いが出来て少しませた性格だったが……ネルヴィスと婚約したことで少し変わってきたと思うの。子供とは言えど……愛がわかっている証拠かしら?
夫である陛下に、ネルヴィスとのことで直談判しにいったくらいだと聞いていたが。
「あら、リュシア? お勉強はもう終わったの?」
「ええ! 今日のも頑張ったわ!」
力強く頷くリュシアーノの学力は、ネルヴィスから想いを告げられた日から激変したと家庭教師の夫人は言っていた。どう言うわけか、いきなり問題を解く速さが上がったと。まったく出来ないわけではなかったのが、ある意味別人になったと言うくらい。
(……ネルヴィスの想いを知って、変わったにしても)
不思議なことでしかないわ。と言っても、それでも可愛らしい娘のことだもの。婚約者がネルだと言うのは……最初は凄く驚いたが、彼の想いを無駄にしたいわけではない。
婚姻には、リュシアーノの年齢のこともあるので……まだ十年近くもあるのだから、ゆっくり愛を育むのも大事だ。
「ジェラルドは今寝たところよ? 抱っこはまたね?」
「はーい」
少し歳の離れた弟が出来てから、リュシアは時間があればジェラルドに会いに来てくれている。まだ顔を覚えられているかわからないが、ジェラルドもリュシアが来ると殊更喜んでいるように見えるのだ。今は眠っているから、リュシアは起きないようにとそっと頭を撫でてやっていた。
「あ、そうだわ」
「どうしたの?」
イツキに頼んだ、オシルコと言うデザート。リュシアの分も頼んでおくべきだったわ。すぐに、メイドのひとりを呼んで中央厨房に使いに出した。
「イツキにおやつを頼んだのよ。リュシアも食べたいでしょう?」
「! イツキのデザート!?」
「私も詳しくはわからないけど、オシルコと言うそうよ?」
「……オシルコ?」
当然、リュシアにもわからないので首を可愛く傾げてしまったわ。
「以前、あなたとイツキが作ってくれた『ウスカワマンジュウ』をくれたでしょう?」
「ええ」
「それがどうしても食べたくて……あと、ちょっとだけ乳の出が悪くなってきたから、モチの料理を頼んだのよ」
「! お母様、大丈夫?」
「大丈夫よ。ほんの少し……だから、モチにあやかりたくて」
子供に何を……と言っても、この子だから話せてしまう。私のために、色々尽くしてジェラルドの出産の手助けもしてくれた。だから、正直に話してしまうのだ。
「ヘルミーナ、リュシア」
イツキを待ちながらリュシアとお茶を飲んでいると……陛下までやって来られたのだ。
「お父様!」
「陛下? 執務などは……」
「今日は思いの外、進みが良かった。ネルからも、たまには家族団欒して来いと言われてな?」
「……ネルったら」
娘の呆れ顔が、成人女性に見えたのは気のせいかしら?
「それとイツキから言伝をもらってな? ヘルミーナの体調についても聞いた。あと、せっかくだから俺やリュシアも含めて八つ時の菓子を振る舞うと」
「まあ」
「さすがイツキ!」
本当……私達は身近な人間に恵まれているわ。
ネルもだけど、まだ城に詰めて一年程度のイツキにまで……嬉しいことこの上ないわ。
「お母様!」
紆余曲折あり、ネルヴィスと婚約したとは言え娘は娘。今日も素敵に可愛らしい私の娘だ。ジェラルドの姉となり、ネルヴィスと婚約したお陰か……前より大人びてきたように思う。
もともと、気遣いが出来て少しませた性格だったが……ネルヴィスと婚約したことで少し変わってきたと思うの。子供とは言えど……愛がわかっている証拠かしら?
夫である陛下に、ネルヴィスとのことで直談判しにいったくらいだと聞いていたが。
「あら、リュシア? お勉強はもう終わったの?」
「ええ! 今日のも頑張ったわ!」
力強く頷くリュシアーノの学力は、ネルヴィスから想いを告げられた日から激変したと家庭教師の夫人は言っていた。どう言うわけか、いきなり問題を解く速さが上がったと。まったく出来ないわけではなかったのが、ある意味別人になったと言うくらい。
(……ネルヴィスの想いを知って、変わったにしても)
不思議なことでしかないわ。と言っても、それでも可愛らしい娘のことだもの。婚約者がネルだと言うのは……最初は凄く驚いたが、彼の想いを無駄にしたいわけではない。
婚姻には、リュシアーノの年齢のこともあるので……まだ十年近くもあるのだから、ゆっくり愛を育むのも大事だ。
「ジェラルドは今寝たところよ? 抱っこはまたね?」
「はーい」
少し歳の離れた弟が出来てから、リュシアは時間があればジェラルドに会いに来てくれている。まだ顔を覚えられているかわからないが、ジェラルドもリュシアが来ると殊更喜んでいるように見えるのだ。今は眠っているから、リュシアは起きないようにとそっと頭を撫でてやっていた。
「あ、そうだわ」
「どうしたの?」
イツキに頼んだ、オシルコと言うデザート。リュシアの分も頼んでおくべきだったわ。すぐに、メイドのひとりを呼んで中央厨房に使いに出した。
「イツキにおやつを頼んだのよ。リュシアも食べたいでしょう?」
「! イツキのデザート!?」
「私も詳しくはわからないけど、オシルコと言うそうよ?」
「……オシルコ?」
当然、リュシアにもわからないので首を可愛く傾げてしまったわ。
「以前、あなたとイツキが作ってくれた『ウスカワマンジュウ』をくれたでしょう?」
「ええ」
「それがどうしても食べたくて……あと、ちょっとだけ乳の出が悪くなってきたから、モチの料理を頼んだのよ」
「! お母様、大丈夫?」
「大丈夫よ。ほんの少し……だから、モチにあやかりたくて」
子供に何を……と言っても、この子だから話せてしまう。私のために、色々尽くしてジェラルドの出産の手助けもしてくれた。だから、正直に話してしまうのだ。
「ヘルミーナ、リュシア」
イツキを待ちながらリュシアとお茶を飲んでいると……陛下までやって来られたのだ。
「お父様!」
「陛下? 執務などは……」
「今日は思いの外、進みが良かった。ネルからも、たまには家族団欒して来いと言われてな?」
「……ネルったら」
娘の呆れ顔が、成人女性に見えたのは気のせいかしら?
「それとイツキから言伝をもらってな? ヘルミーナの体調についても聞いた。あと、せっかくだから俺やリュシアも含めて八つ時の菓子を振る舞うと」
「まあ」
「さすがイツキ!」
本当……私達は身近な人間に恵まれているわ。
ネルもだけど、まだ城に詰めて一年程度のイツキにまで……嬉しいことこの上ないわ。
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